企業の費用構造に着目!
企業の結果を示す損益計算書では、過去の実績をみることはできても、業績予想にはほとんど役に立たないような気がします。また、どのくらい売上が下がると赤字になるかがわかればと思っている人もおおいのではないでしょうか?
これらを簡単に解決するツールとして、CVP分析というものがあります。これは、C(費用)、V(数量)、P(利益)の組み合わせから、損益分岐点や営業レバレッジをさぐるものです。
まず、このCVPを使うには、費用構造を把握する必要があります。
下記に、損益計算書上は、全く業績が同じであるA社、B社があります。ただ、その費用の構造は、変動損益計算書という、企業の内部資料を見ると、下記のように全く違います。
A社は変動費型企業、B社は、固定費型企業であることが分かります。両社の損益分岐点売上高(黒字を確保するのに必要な売上)を計算すると、
A社=800
B社=975
となります。
A社の安全度が高いことが明白です。
一方、営業レバレッジを計算すると、
A社=5倍
B社=40倍となります。
この営業レバレッジをご存知ない方もいると思いますが、業績予想の際には、非常に重要です。なぜなら、営業レバレッジは、売上げの増加に対する利益の増加割合をしめしているのです。
安全度はA社が断然すぐれているものの、売上げが伸びる好況期にB社の業績の伸び率は、A社を大きく上回ります。
要するに、企業の変動費、固定費が分かれば、このような指標を簡単に計算できるため、業績予想や安全度を簡単に計算できます。PLでは見えない企業の特性は、変動損益計算書を見て初めて気づかされることが多くありました。
損益分岐点売上高や、営業レバレッジの簡単な求め方は後日エクセルシートとともにアップします。
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