製造業の分析~安易な値下げのインパクト~
先日、食品企業が今期は値下げに苦しめられるだろうと書きました。(前回記事はこちら)
企業にとって、販売価格の下落は我々消費者が思っている以上に深刻です。
例えば、09年3月期のトヨタの業績を簡易的に固変分解したものが下記です(あくまでも簡易です。固変分解のやり方はこちらから)
売上高 =205295億円
変動費 =123177億円
固定費 =85919億円
利益 =▲3801億円(売上-変動費-固定費)
上記で、例えば10%の値下げを行うとします。そうすると下記となります。
売上高 =1847655億円(上記の205295億円×0.9)
変動費 =123177億円
固定費 =85919億円
利益 =▲1638559億円
売上が10%の減少なのに対し、大幅に赤字額が増加していることが分かります。
これがレバレッジ効果という奴です。値下げは変動費や固定費という費用が一定のなか、売上だけが減少するため、利益の減少率が大きくなります。
日本では、メーカーよりも小売店の価格決定権が強いため、メーカーへの投資を考える際は、価格下落リスクを考慮することも重要だと思っています。
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