偉人に学ぶ!ジョン・テンプルトンのボロ株投資法(3)
いよいよ実践編です。まず過去の検証から始めたいと思いますが、なかなか上場企業全銘柄の特定の日の株価をネットで探すのは骨の折れる作業です。
そこで、今回は雑誌の記事を参考にさせていただきました。2003年1月時点の東証1部の100円割れ銘柄のリストが掲載されていました。
全79銘柄のリストです。このデータを元に、3つのアプローチを考えてみました。①株価が50円未満の会社は除外(倒産リスクが高いため)、②不況業種の建設を除外、③大株主が大企業の会社に限定(不況でも生き残る可能性大)です。
3年後の2006年1月末、6年後の2009年1月末のパフォーマンスを検証しました。
すると、
①の株価50円未満を除外して投資した場合、60銘柄に投資し、パフォーマンスはそれぞれ、208%、83.8%。
②の建設業を除いて投資した場合、67銘柄に投資し、パフォーマンスは225%、96.3%。
③の大株主が大企業の場合に限って投資した場合、21銘柄に投資し、パフォーマンスは329%、131%。
(参考)フィルターを掛けずに全銘柄に投資した場合のパフォーマンスは、220%、80.6%。
以上の結果、①、②はフィルターを掛けている意味があまり見出せませんでした。(ただし、同期間の日経平均のパフォーマンスは100%、-4.1%でいずれも大幅に上回っています)
しかし、③大株主が大企業のケースはパフォーマンスが格段に良くなり、また、実際に投資するうえでも銘柄数が少ないことから、実用性が高そうです。
ちなみに、大株主が大企業の定義ですが、明確に基準を設けて分類したのではなく、筆者の恣意性が入っている点を注意してください。筆頭株主が大企業で10%強の保有を一応の基準としています。
また、データの正確性は相当怪しいです。倒産や買収などにより現在は実在しない企業が多数あることから、過去の検証結果が誤っている可能性大です。一応、保守的にするために、分からない場合は「0円」で評価しています。(結果の方向性だけを参考にしてください。)
少ないデータとは言え、一応、テンプルトンの投資法は日本でも通用するといえそうです。
【まとめ】
①株価100円以下の企業
②東証1部
③大株主(筆頭株主)が大企業で10%強の株式を保有
①~③をすべて満たす企業に投資する。
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