企業の費用構造~トヨタのケース~
先週金曜日に発表したトヨタの決算は、59年ぶりの最終赤字と歴史的なものとなりました。10年3月期も赤字見込みと過去の拡大戦略(固定費の増加)に今後も悩まされそうです。
一般的に報道されるように、円高や米国の販売不振が業績悪化の理由となるのですが、費用構造を見てみると、固定費(設備投資)が増加し、下記のように損益分岐点売上を実際の売上が下回っています。トヨタ
09/3期
(単位:億円)
売上高
総コスト 第1四半期
62151
58026 第2四半期
59753
58058 第3四半期
48028
51634 第4四半期
35363
42188 累計
205295
209906
売上高*売上高
売上高*総コスト 第1四半期
3862746801
3606373926 第2四半期
3570421009
3469139674 第3四半期
2306688784
2479877752 第4四半期
1250541769
1491894244 累計
10990398363
11047285596
変動比率
0.60
固定費の額
21479.95
年間固定費
85919.80
損益分岐点売上高
216937.22
固定費を削減するか、売上を上げることで損益分岐点売上を上回る必要があります。ただ、主力の米国では、ローン販売がほとんどですので、ローンの組みにくい現状では、売上の回復は立ちづらそうです。また、リストラも正社員までは思うとおりには進まない可能性があります。売上の減少スピードを固定費のそれが及ばず、今後の業績回復は難そうです。
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