今日の株式市場を振り返る 6月16日
米国株式市場が大きく下落した影響で、前日比125円安で寄り付いた日経平均株価は、ザラバに一段と停滞色を強め、286.79円、2.86%の大幅下落で大引けとなりました。安値引けです。寄り付きの下落幅が縮小すると見込んでいたのですが、目算が大きく狂ってしまいました。
目算が狂った最大の理由は対ドルで円が急激に上昇したためだと考えています。朝方は円高が一段落の兆しを見せていただけに、想定外の展開でした。
円高による景気停滞の長期化が懸念されたようで、電力・ガス、医薬。食料品などのディフェンシブなセクターが相対的に堅調な株価推移を見せました。
典型的な円高メリットセクターである紙パルプは東証33業種のうち15位にとどまっており、円高による原料価格低下のメリットより、景気停滞による製品需要の落ち込みのほうが懸念されたようです。
証券商品先物セクターが下落率トップとなっており、市場のセンチメントの悪化を示唆しています。また、5月の首都圏マンション販売が21か月連続の減少となった不動産セクターの低迷も目立ちました。
アジア市場もインドを除いて軟調でした。ただ、2%を越える下げ幅を記録したのは日本だけ。前日の下げ幅が小さかった反動という側面もあるのですが、やはり対ドル円高の影響が大きかったのではないかと推測します。
G8やロシアがドル価値をサポートする発言をしたこともあって、ドルは対ユーロや対ポンドでは強含んだにもかかわらず、対円では弱くなっています。つまり、円が飛び抜けて強い状況になってしまいました。これが株式市場に影響したわけです。
実は、為替と株式市場の動きは必ずしも整合的な動きをするわけではありません。ただ、最近数年間は連動性が高まっているので注意が必要です。
おそらく、復活の兆しのあった円キャリーの巻き戻しという背景があるのだろうと考えています。今後も要注意です。
ただし、先ほどの日中足の図にあるとおり、対ドル円高の動きが再び収束の兆しを見せています。気は抜けませんが、当面は重大な局面になるとは考えていません。
シカゴのグローべックスではナスダックが僅かに下落していますが、ダウは動きがなく落ち着いています。ただし、これから5月の生産者物価指数、住宅着工件数、建設許可件数、鉱工業生産、設備稼働率と重要な統計が機関銃のように出てきますので息を抜けません。
このような状況ですから、明日の日経平均株価は米国の株式市場の展開と対ドル円レートの動きが極めて大きな影響を与えるものと見られます。
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