高島屋前会長、増倉一郎氏の記事に思うこと
今週の日経ビジネスの有訓無訓に高島屋前会長の増倉一郎さんのインタビュー記事が掲載されています。100年続いている美術品事業にスポットを当て、「継続」を軽んじるな、やめるも、廃れるも一瞬と述べています。
アナリストという仕事は、時として「自分は(取材先の)会社のためになることを本当に言っているのだろうか」と疑問に思うことが多々あります。これは恐らく私がアナリストとしてまだまだ未熟なためということが大いに関係していると思いますが、会社と投資家(アナリストは投資家からお金をもらっているので投資家と同じ)の時間軸の違いに悩まされます。
会社というのは、1~2年で変わるものではないし、5~10年の長期的視点で、仮に短期的な利益を犠牲にしてでも、事業を行うべきです。しかし、投資家は長くても1~2年で成果(株価が上がること)を求めます。必然的にアナリストは短期間で成果が出ることを要求します。
少し例は異なりますが、先の美術品の販売や美術催事は収益効率が低く、ROAの観点から見れば撤退すべき事業なのでしょう。
しかし、この美術品事業は、社会にとって同社にとって大きな意味を持っています。画商を通さず高島屋が直接作家に作品を依頼することで作家の育成に貢献してきましたし、また、100年間にわたって築いた人脈も財産といえます。
増倉さんは「今ほど効率の低い事業を切り捨てやすい事業はないでしょう。でも、芸事と同じで一度やめたら廃れるのも一瞬です。」と最後に語っています。
その企業の企業文化をも理解した上で、本当にベストな解を企業に助言ができるアナリストが増えることを願います。またそれをよしとする市場の懐の深さも必要でしょう。
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