年4回の「会社四季報」どれが一番?
東洋経済新報社の顔と言えば「会社四季報」だと思います。その編集長をされていた田北浩章氏のお話を伺う機会がありました。実に興味深く、しかも示唆に富む内容で、強い感銘を受けました。
そこで、その一端でもお伝えできればと思い、私が週1回定期的に寄稿しているFXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間達」 http://fxshonan1.cocolog-nifty.com/kawasedangi/ に「『会社四季報』を考える(その1)」というタイトルでまとめてみました。
来週月曜日(22日)の午前7時に配信される予定になっておりますので、ぜひご覧いただけたらと存じます。
全体の話はそちらに譲るとして、こちらでも興味深い、あるいは重要と思われる話題を多少詳細にご報告したいと思っています。
そこで今回は、年に4回発売される「会社四季報」のどれが一番か?というお話です。
四季報は、春、夏、秋、新春、月で言うと、3月ー6月ー9月ー12月の年4回発売されます。
この4回のうち、どれが一番売れるか御存じですか?
夏号、つまり6月なんだそうです。理由は企業の3月期本決算のデータが記載されるためです。
では一番売れないのは?
秋号(9月)です。3月の本決算が載る夏号と、中間決算の内容を確認できる新春号に挟まれて、投資家の興味が多少弱まるためです。
売れ行きの良い順に並べると?
夏号、新春号、春号、秋号の順です。
ここからが面白いのですが、元編集長の田北氏はこの順位に異論をお持ちです。
元編集長が最もお薦めの「会社四季報」は?
秋号です。なぜか?
もっとも売れる夏号は、基本的に3月本決算のデータを載せるだけで手一杯なのです。記者が十分に分析して、自分の見方を確立する前に締切が来ます。
秋号は違います。記者は本決算での会社予想を把握した上で、第1四半期の数字もチェックしつつ、自分の意見をしっかりと持つことができるようになります。そのため、秋号の内容は最も充実していると元編集長は強調します。
次にお薦めは?
春号です。9月中間決算での会社予想と第3四半期の展開を把握した上で、記者が質の高い論評を加えることができるためです。
田北氏は「会社四季報」が決して単なるデータ集ではないと繰り返して主張しておられます。あくまでも「記者の眼を通して作られた評論誌」なのです。
たしかに、ライバルであるN社は新聞社でもあるため、新聞記事との整合性が必要ですから、おのずから記者の自由度は狭まります。
その点「会社四季報」は、記者がより大胆に意見を表明できると言えるかもしれません。
このお話を伺ってから。書店で見る「会社四季報」がいつもとは違って見えるような気がしました。
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コメント
>かかし様
ありがとうございます。
自分も秋号にもっと注目してみようと思います。
投稿: ブラウン茶 | 2009年6月21日 (日) 22時08分
ブラウン茶様
正直に言うと、「会社四季報」をデータ集として魅力があるものと思ってきました。なにしろ全上場企業のデータが一覧できるわけですから。
そのため、元編集長の話がとても面白かったのです。
一冊を選ぶとしたら、これまでは夏号でした。
でも、これからは秋号にしようかと思います。
かかし
投稿: かかし | 2009年6月21日 (日) 09時33分
単に秋号が売れてないから、買って欲しい。
と言う事ではないと思いますが、夏の文章は至って普通の文章で、秋の記述に四季報の本領が発揮されると言う感じでしょうか。
もし、年に1号しか四季報が買えないとしたら、かかしさんはどの号を選びますか?
投稿: ブラウン茶 | 2009年6月21日 (日) 06時08分