日米の在庫循環モメンタムが示す株価の方向性
日米とも堅調な株価上昇が続きますね。3月上旬の底値から見ると、日経平均株価は38%強、ダウ平均株価は34%弱の上昇です。3か月程度という短期間に4割近くも上昇するというのは、個別銘柄ならばともかく、市場全体となれば、そうしばしばあることではありません。
しかも、日経平均株価の上昇率がダウ平均株価を上回ることが多く、日米の株価乖離が縮小する兆しを見せません。
一体なぜでしょうか?このことを考えてみたいと思います。
まず、出発点は景気指標と株価の連動性の高さです。すでに何度か説明させていただいた在庫循環モメンタムを使います。出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いて作成する指標です。
この指標と株式指標の連動性が高いことは、「株価は経済の鏡」という株価の性質から考えても自然なことなのでしょうね。
そこで、最初のポイントですが、この図が示すとおり、日本の鉱工業在庫循環モメンタムは底打ち反騰の局面に入っています。
ということは、日経平均株価の今後の展開も、短期的に見れば調整の可能性はあるにせよ。基本的には上昇基調を維持すると考えても良いと思います。
次に、米国の商務省で発表する出荷在庫データ(3Mと呼ばれます)を用いて在庫循環モメンタムを作成して日米比較をしてみましょう。
米国も日本と同様に指標の底打ちが鮮明に出ています。過去の動きを見ても、日米が特別の場合を除いて高い連動性を示しています。
実は、短期的に日米の株価を見ると同じように動く重要な要因の一つが、この短期の景気指標の連動性の高さにあると考えています。
そこで、重要なポイントなのですが、直近の日本の在庫循環モメンタムの回復のペースが米国を上回っています。そして、日本の株価上昇率が米国を上回っています。
ということで、結論ですが、日米の株価の上昇は基本的に今後も持続する可能性が高く。しかも日米の株価乖離が比較的に長期の間持続してもおかしくないということになります。
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