なぜ米国株に比べて日本株の動きが鈍いのか?
「今日の日経平均株価は?」というタイトルで毎日コメントを書かせていただいています。
基本的な視点として、ダウ平均株価と日経平均株価の連動性の高さを重視しています。
ところが、ここ2週間ほどは米国と日本の展開にズレが見られます。日経平均株価の停滞感が強いのです。
そこで、何故かという点について考えてみたいと思います。
政局の不透明感や、円高に伴う企業業績の悪化懸念など、日本独自の要因が大きなインパクトになっていると考えることもできるのですが、過去の両国の市場の連動性の高さから見て、「日本だけが特別」と強調しすぎることは気をつける必要があるかもしれません。
実は、私はとても単純に考えています。日本が先行して上げすぎたため、スピード調整をしていると見ています。
先週の日経平均株価は1.2%の上昇にとどまりました。一方、ダウ平均株価は7.3%上昇しています。日米株価動向のグラフが示す通り、日本の調整感が鮮明です。
日経平均株価は3月の底値から、かなり速いピッチで上昇してきました。6月26日に終わった週でみると、日本は0.9%上昇したのに対して、米国は1.1%の下落でした。その結果、底値からみると、日本は40%上昇したのに対して、米国は29%の上昇にとどまっています。10%ポイント以上の大きな格差がついたわけです。
これを、日経平均株価から単純にダウ平均株価を差し引いた乖離幅を示すグラフにしてみると、3月以降の乖離幅拡大が鮮明です。それが、最近2週間ほどで急速に縮小してきています。
それでは、これからどうなのか? 乖離幅を示すグラフからみると、調整はもう少し続きそうです。
しかし、私は調整はほぼ終わりと見ています。先週の段階で、日経平均株価の底値からの上昇率は33.2%となりました。一方、ダウ平均株価も底値から33.5%の上げです。したがって、両市場の上昇率はほほ同じになりました。これが、調整終了とする理由です。
もちろん、未来の動向は「神のみぞ知る」ことですから、断定は避けるべきですが、今後の日米株式市場の動向に注目したいと思います。
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