キユーピー(2809)
かかしさんが見るように、年末にかけて市場が調整してくれると、食品株のようなディフェンシブ株にとっては好都合なのですが、どうなることでしょうか。
現在の市場を見ると、食品株の中では年初来の高値圏にある銘柄(伊藤園、アサヒビール、ヤクルトなど)がある一方、安値圏、もしくはほとんど動いてない銘柄(キユーピー、森永製菓、日本ハムなど)もある。
これは、必ずしも業績の方向性と関係があるわけではない。もともと食品株は、業績の変化率よりもバリュエーションやヒストリカルな株価水準や需給がより株価に影響する業種です。
ただし、業績が全く関係ないわけではなく、バリュエーションが低く、しばらく株価が動いてなくて、利益が好調なほうがいいという感じです。
さて、そのような中から今回はキユーピーを取り上げます。地味な食品株の中でもとりわけ地味なイメージの会社です。ただし、イメージ的になぜかいいカゴメやキッコーマンよりよほど成長性や収益性が高い会社です。
主原料の大豆が去年前半まで、過去にないほど上昇して、業績は厳しい状況にありました。その大豆価格が下がっていますので、業績が良くなることはある程度知られています。
しかし、大豆価格の下落を好感して、今年の年初までの株価の動きが食品株の中でも強かったため、その後半年以上にわたって株価は低迷しています。
食品株は同セクター内で循環物色が行われやすいことも特徴のひとつです。今月末に発表される第3四半期決算も好業績が見込まれることから、1、2ヵ月持つつもりで投資するのもひとつの手かと思われます。
キユーピーという会社は、マヨネーズやドレッシングの会社としてよく知られていますが、そのほかにいくつも今後成長が期待できる製品を抱えています。それについては、次回に詳しくお話させていただきたいと思います。
なお、本欄でも取り上げた伊藤園が先週第1四半期決算を発表していました。冷夏もあって決算には注意が必要と見ていましたが、どうということはなく、経常利益は63%増でした。
食品企業の場合、四半期ごとの数字が今の実態を必ずしも表しているわけではなく、広告費を抑えたりすると、急に増益になります。ただし、食品業界全般にコストが低下気味に推移していて、値引きを少なくしていますので、出てくる業績は良いものが多くなっています。
伊藤園の場合は業績発表までに株価が大きく上昇していたために、株価はそれほど反応しませんでした。一応、リスクと考えていた決算発表が終わりましたので、この蘭でお話しした配当利回り5%の伊藤園の優先株(25935)は、引き続き注目していいと思います。業績好調で減配リスクが小さい高配当利回り株という位置付けです。
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