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2009年9月30日 (水)

キユーピー(2809)決算 : 春 研一

先日の本欄でお話したキユーピーの決算が本日2時に発表になりました。結果的に第3四半期の3ヵ月だけをとれば、前年同期比2倍となる好決算でした。それを受けて、ざら場中に株価は動き出しました。また、そのキユーピーの決算をきっかけにして、食品株全体が動意づいたような感じもあります。

この1年ほど小売業がPBによる価格引下げを続けているため、食品企業はやがて厳しくなるのではないかという見方がありました。しかし、ブランド力の高い企業は、値引きしても数量がそれほど伸びるわけでもないため、PBとは住み分けを考えており、あまり値引きをしていません。2番手以下のメーカーを別とすれば、加工食品メーカーが1990年代のような大幅な値引きに走る可能性は低いといえましょう。その結果同社の場合、ここ数年大豆価格の上昇によって大きく落ち込んだ業績が、かなりの水準まで急速に回復すると見込まれます。

200911月通期の営業利益予想は18%増益ですが、第3四半期までの累計では41%増益となりました。しかし、会社側は業績好調と自ら宣言するのを避けるため、通期の業績予想を据え置いています。通期の予想営業増益額は25億円ですが、第3四半期までで40億円の増益であり、第4四半期の利益が横ばいでも15億円程度の増額修正余地があることになります。さらに、前年同期と比較すると主原料の大豆油価格が大きく下がっていますので、むしろ第4四半期も増益の可能性が高いといえます。

しかも、大豆油価格が本格的に下落したのは下期からですから、このまま行けば来期もさらなる増益が見込まれます。

前回お話したように、大豆価格を決定する大豆価格、海上運賃は低下し、為替も円高が進んでいますので、今後も大豆油価格は下落する可能性が高いといえます。図にあるようにここ2年間の株価の動きは大豆価格との逆相関性が強くなっています。この決算をきっかけにして、当面コンスタントな上昇が見込まれるのではないでしょうか。

20090930

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