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2009年9月

2009年9月30日 (水)

今日の株式市場を振り返る 9月30日

 4円高と小高く始まった日経平均株価は、8月の鉱工業生産が前月比1.8%と6か月連続して増加したことを好感して、9時半前には37円まで上げ幅を拡大しました。

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 ただ、鉱工業生産の増加は、事前予想通りであったためか、マーケットを支え続けるには、今一つ力不足であったように感じられました。加えて、ドル円も僅かながら円高方向にふれて重石となりました。

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 午後1時半頃には36円安となったのですが、大引け直前に、期末のドレッシング買いと思われる動きがあって、結局33.03円、0.33%高で終えました。

 狭い値幅の中を上下する、ダイナミズムに欠けたマーケットが続きます。

 今日の米国4-6月のGDP改定値、明日の9月日銀短観、そして金曜日には、国内では8月の完全失業率、有効求人倍率、家計調査、米国では9月の雇用統計と、休む暇のない重要指標が待ち構えていますから、そう簡単に動きにくいということなのかもしれません。

 しかし、個別銘柄を見れば、前日に業績見通しを上方修正修正した日本ガイシが8.8%の大幅高となり、今日の午後2時に好決算を発表したキューピーも、発表後に大きく上昇して2.5%高で終えています。

20090930_3

 キューピーについては、春 研一さんのコメントを是非ご覧ください。

 というわけで、好業績銘柄を素直に評価する強力なエネルギーがあることに注目したいと思っています。

 アジア市場は香港と韓国を除いて上げています。インド市場が1.6%と大きく上げたのが目を引きます。

 GLOBEXでは、ダウ(+39ドル)、ナスダック(+6.50ポイント)ともに上昇しています。上昇幅が拡大しているわけではないのですが、安定的です。4-6月のGDP改定値のほか、ADP社による9月の全国雇用者数に注目が集まっているようですが、GLOBEX動きでみる限り、楽観的な観測が支配しているようです。

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キユーピー(2809)決算 : 春 研一

先日の本欄でお話したキユーピーの決算が本日2時に発表になりました。結果的に第3四半期の3ヵ月だけをとれば、前年同期比2倍となる好決算でした。それを受けて、ざら場中に株価は動き出しました。また、そのキユーピーの決算をきっかけにして、食品株全体が動意づいたような感じもあります。

この1年ほど小売業がPBによる価格引下げを続けているため、食品企業はやがて厳しくなるのではないかという見方がありました。しかし、ブランド力の高い企業は、値引きしても数量がそれほど伸びるわけでもないため、PBとは住み分けを考えており、あまり値引きをしていません。2番手以下のメーカーを別とすれば、加工食品メーカーが1990年代のような大幅な値引きに走る可能性は低いといえましょう。その結果同社の場合、ここ数年大豆価格の上昇によって大きく落ち込んだ業績が、かなりの水準まで急速に回復すると見込まれます。

200911月通期の営業利益予想は18%増益ですが、第3四半期までの累計では41%増益となりました。しかし、会社側は業績好調と自ら宣言するのを避けるため、通期の業績予想を据え置いています。通期の予想営業増益額は25億円ですが、第3四半期までで40億円の増益であり、第4四半期の利益が横ばいでも15億円程度の増額修正余地があることになります。さらに、前年同期と比較すると主原料の大豆油価格が大きく下がっていますので、むしろ第4四半期も増益の可能性が高いといえます。

しかも、大豆油価格が本格的に下落したのは下期からですから、このまま行けば来期もさらなる増益が見込まれます。

前回お話したように、大豆価格を決定する大豆価格、海上運賃は低下し、為替も円高が進んでいますので、今後も大豆油価格は下落する可能性が高いといえます。図にあるようにここ2年間の株価の動きは大豆価格との逆相関性が強くなっています。この決算をきっかけにして、当面コンスタントな上昇が見込まれるのではないでしょうか。

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8月の鉱工業生産動向をどう読む

 今朝、経済産業省が発表した8月の鉱工業生産動向は、事前のコンセンサスに沿ったものであったためか、株式市場へのインパクトは限定的であったようです。

 季節調整値の前月比で見て、生産が+1.8%、出荷が+1.0%、在庫が±0.0%というものでした。

 ところが、原指数の前年同月比をベースに、出荷在庫バランスや在庫循環モメンタムを作成してみると、かなり様相が違って見えてきます。

 ポイントを先に言っておくと、先月に比べ、状況の好転が鮮明になっているのです。

 ということは、現在の急激な円高に起因する株式市場の停滞が一時的なものにとどまる可能性を示唆するため、注目しておく必要がありそうです。

 まず、鉱工業生産の前年同月比増減率の推移です。回復傾向が鮮明です。

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 次に、鉱工業の出荷在庫バランス。出荷数量の前年同月比増減率から、在庫数量の前年同月比増減率を差し引いた指標です。

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 前月は減速の兆しが出ていましたが、再び上昇に転じました。在庫削減のペースは落ちたのですが、出荷の回復がカバーしたためです。図の中では、在庫は細い点線、出荷は細い実線で示されています。

 この出荷在庫バランスを長期的なスパンでみると、回復の構図が一段と鮮明に浮かび上がります。

820090930_3

 それでは、鉱工業の在庫循環モメンタムを見てみましょう。出荷金額の前年同月比増減率から在庫金額の前年同月比増減率を差し引いた指標です。

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 基本的には、出荷在庫バランスと同様の動きです。ただし、上昇のスピードが多少速いようです。

 何故か? 価格に理由があります。出荷(産出)価格以上のペースで原料(投入)価格の下落が進んでいるのです。原料価格の下落は、円高と国際商品市況の低下の相乗効果であると見ています。

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 以上の動向を勘案すると、株式市場の動向は、「魔物が住む10月」は油断もスキもなさそうですが、その後は回復する気配です。

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8月の鉱工業生産は予想線

 先ほど経済産業省が発表した8月の鉱工業生産は、季節調整済み前月比1.8%しました。事前予想通りの結果です。

 出荷が1.0%の増加と、生産の伸びを下回り、在庫が前月と同水準で、在庫削減の動きが止まったことなど、多少気懸りな点もありますが、一応まずまずの展開ではないかと考えています。

 詳細は追ってご報告します。

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訂正のご連絡

 先ほどの「今日の日経平均株価は? 9月30日」の中で、CME日経平均先物価格(円ベース)を「10.195円」と書きましたが、正しくは「10,075円」です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

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今日の日経平均株価は? 9月30日

 今日の日経平均株価は、低めに寄り付いた後、小動きを想定しています。

 寄り付きは、CMEの日経平均先物価格(円ベース)10,195円をメドとしています。

 低く寄り付く背景は、米国株式市場の調整です。ダウ平均株価は-47.16ドル、-0.48%の下落でした。ただし、前日に大幅上昇した反動と見れば、それほど弱いマーケットであったという印象はありません。

 7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が-13.3%とコンセンサスであった-14.2%ほど落ち込まなかったことから、市場は堅調にスタートしたのですが、午前10時に発表された9月の消費者信頼感指数が53.1と、事前予想の57.0を下回っただけでなく、前月の54.5よりも低かったことが、市場に強いショックを与えたようです。

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 高級百貨店ノルドストロームの株価動きを見ると、消費者信頼感指数の影響が鮮明です。ただし、株価が徐々に戻しており、結局0.5%弱の上昇となっている点にも注目したいところです。

Jwn_nordstrom_20090930

 また、予想を上回る決算を発表したドラッグストアチェーン、ウォルグリーンの株価が9.5%と大きく上げています。

 ということで、米国の株式市場の調整に、それほど弱さは感じられたわけではありません。

 もう一つ注目したいのは反発の気配を見せ始めているVIX指数。0.31と僅かですが上昇しました。この指数の上昇は、投資家のリスク許容度の低下を示唆します。となれば、コモディティーに投入されているお金がドルに回帰する可能性が出てきます。つまり円高が一服するということで、悪い話ではなさそうです。

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 今日は、8月の鉱工業生産動向が発表されます。季節調整済み前月比が、コンセンサスである1.8%増を上回ると、相場の下支えになるかもしれません。

 というわけで、ザラバは小動きの想定なのですが、それほど悪い状況は現時点では想定していません。

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2009年9月29日 (火)

今日の株式市場を振り返る 9月29日

 79円高で寄り付いた日経平均株価は、10時半前には早々と116円高まで上げ幅を拡大しました。しかしその後は60円程度の狭い値幅で上下を繰り返し、90.68円、0.91%高で終了しました。

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 上昇したとは言え、ダイナミズムの感じられないマーケットでした。ちなみに、日経平均先物の夕場での値動きは僅か40円。ほとんど硬直状態です。

 ダイナミズムの欠如は、米国株式市場の上昇がマーケットを下支えする一方で、対ドル円高への不安に加えて、8月の消費者物価下落がマーケットの頭を抑えた結果であると見ています。

 8月の消費者物価は、生鮮食品を除いたベースで、前年同月比2.4%下落しました。事前予想通りではありましたが、6か月連続して前年同月を下回り、しかも過去最大の下落率であることが、投資家のセンチメントを冷やしたようです。

 そのため、内需関連の銘柄に低迷するものが目立ちました。前日比1.2%の下落となったイオンの株価の動きに、消費者物価ショックが示唆されているようです。

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 昨日急騰した反動もあり、ニトリの株価は4.2%と、一段と厳しい展開でした。

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 ドル円は、円高水準ながら、比較的に小さな動きにとどまっていて、小康状態であったと言えそうです。

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 アジア市場では、上海市場を除いて上昇しました。香港やインドネシアの上げが目を引きます。特に、香港市場は2%強の大幅な上げとなっています。上海市場の下げに全く影響を受けた気配が見えないのが、興味深いところです。

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 GLOBEXでは、ダウ(-7ドル)、ナスダック(-5.75ポイント)ともに下げていますが、下げ幅は縮小しています。前日の上昇の後としては、まず無難な展開に見えます。

 ただし、これから7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、、9月のコンファレンス・ボードによる消費者信頼感指数の発表が待っています。

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訂正のご連絡(名糖運輸) : 健美操

 927日の「名糖運輸(9047)」の中で、第3段落の「名糖産業が得意とする・・・」と述べていますが、正しくは「名糖運輸が得意とする・・・」です。同様に第4段落の「名糖産業の株価・・・」と第8段落の「名糖産業は・・・」の部分につきましても、それぞれ正しくは「名糖運輸の株価・・・」と「名糖運輸は・・・」です。ご迷惑をおかけしますが、よろしくおねがいいたします

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今日の日経平均株価は? 9月29日

 今日の日経平均株価の寄り付きは高くなりそうです。昨日の大幅な下落の反動もあって、ザラバも堅調な推移を想定しています。

 寄り付きは、米国株式市場の大幅高を反映したCMEの日経平均先物価格(円ベース)10,200円をメドとしています。

 前日を僅かに下回って始まったダウ平均株価ですが、10時半前には上げ幅が100ドルを越えました。午後に入って1時半過ぎに高値となる158.48ドルを付けた後も堅調さは衰えず、124.17ドル、1.28%高で大引けを迎えています。引け後の時間外取引も反落の兆しは見せていません。

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 買収の動きが市場を押し上げたようです。アボット ラボラトリーズがベルギーのソルベー社の医薬品事業を買収した件は、昨日ご報告したとおりです。その結果、アボットの株価は2.64%上昇しました。

 さらに、ジョンソン アンド ジョンソンがクルーセル(CRUCELL)というバイオ企業を買収したことで、株価は1.1%上げています。

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 企業買収が、常に株価を上げるというわけではありません。アフィリエーテッド コンピュータ サービスの買収を決めたゼロックスの場合は大きく下げています。

 にもかかわらず、「企業買収は、経営に対する自信の表れ」ということで、株式市場が好意的に反応して上昇したところに、相場の基調の強さがうかがわれます。

 今日の日経平均株価がザラバで堅調に推移すると見る最大の理由は、好調な米国市場の動向なのですが、前日の大幅下落の反動という側面が大きいことはもちろんです。

 ドル円は、大幅な円高水準ですが、前日に比べれば僅かに円安に振れており、しかも落ち着いた動きに見えます。予断は許しませんが、とりあえずプラス要因です。

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 今日は8月の消費者物価指数が発表されますが、それで市場が大きく動く事態は想定していません。

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2009年9月28日 (月)

今日の株式市場を振り返る 9月28日

 125円安で寄り付いた日経平均株価は、下げ幅を拡大して、10時半前には10,000円を一時的に割り込みました。その後は下げ止まりこそしたものの、停滞したままの推移で、256.46円、2.5%の大幅安で終えています。

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 米ドルに対して円が大幅に上昇したインパクトが輸出産業を直撃しました。トヨタの株価推移にショックの大きさが表れています。

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 それに加えて、野村證券の大型ファイナンスのダメージが今日も尾を引いています。

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 一方で、円高メリットの大きい内需型銘柄には堅調なものが目立ちました。電力・ガス、紙パルプなどばかりではなく、ファーストリテイリングやニトリなど質の高い内需株の好調さが目を引きます。

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 ドル円は、ザラバでは多少円安方向に振れたのですが、週末の急激な円高のマグニチュードが圧倒的でした。果たして藤井財務相による円高是認の否定コメントだけで、円高の流れが転換するものかどうか、今後に注目です。

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 アジア市場全体が大きく調整しました。マレーシアを除き下げていますが、上海と香港が2%以上の大幅な下落です。

 ところが、世界全体を振り回したドル安の震源地である米国は比較的に平静です。シカゴのGLOBEXではダウ(+23ドル)、ナスダック(+4.6)とも堅調。両者とも上げ幅が僅かづつですが拡がっています。

 今日の米国では、大きな経済指標の発表は予定されていません。アボット・ラボラトリーズが、競争相手であるベルギーのソルベイ(SOLVAY)社の医薬品部門の買収を決めたことが市場の話題になっている程度です。ただ、株価にはあまり大きな影響は出ていないようです。

 ドル円がこれから米国でどのように推移するのかが、明日の日経平均株価を読む上で重要なのでしょうが、米国株式市場が堅調に推移するようであれば、ある程度の株価反発があってもおかしくないと考えています。

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今日の日経平均株価は? 9月28日

 今日は為替に焦点が当たりそうです。

 先週金曜日のCMEでの日経平均先物価格(円ベース)が10165円でしたから、ほぼその水準での寄り付きを一応は想定しているのですが、その時からさらに対ドル円高に振れていますので、さらに低い寄り付きもありうると考えています。

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 ザラバでの展開は寄り付きの状況で様相が変わってくるのではないかと見ています。したがって、柔軟に対応しようと思います。

 もし、CMEでの価格近辺での寄り付きであれば、そこから対ドル円高が進んだ分だけ調整があるため、軟調な展開になりそうです。

 しかし、10,165円を大幅に下回る寄り付きとなれば、悲観的な市場センチメントにも関わらず、ザラバでの反騰の可能性もあるかもしれないと考えています。寄り付き価格次第ということです。

 今日は重要な経済指標の発表予定はありません。政府の金融行政に対する不透明感や、金融機関の資金調達を巡る話題が、先週に引き続いて株式市場に影を落としそうな雰囲気です。

 もしお時間があれば、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」に私が投稿した「注意報発令!(その4):かかし」をご覧いただければありがたいと存じます。

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2009年9月27日 (日)

名糖運輸(9047) : 健美操

個人株主に隠れた人気のある小型株式をご紹介します。

 名糖運輸は低温食品物流業界の大手で、多くの有力顧客を持つ独立系の会社です。競合大手は食品会社の系列色が強いのですが、同社は名糖産業以外にも顧客開拓をしなければ成長できなかった事情から、外部企業にも認められるように品質面での企業努力を重ねました。

名糖産業が得意とするチルド(乳製品など)運送は設備がかさみ、ノウハウの蓄積がないと利益に結びつきにくいという難しさがありますが、同社は川下まで整った協力会社のネットワークと燃料効率を高めるための運転方法など細かな工夫でしっかりと対応しています。

 さて、名糖産業の株価には2つの特徴があります。一つは株価の底値が安定していることで、この数年間800-900円ぐらいを底値で推移していました。昨年末こそ650円まで下がりましたが、現在も800円近辺で安定しています。

もう一つは、取引高が少ないわりに株主数が多いことです。8714名(2009/3末)の多くは個人の安定株主で、福山通運やセイノーホールディングより多くなっています。

この要因として考えられるのが株主優待です。「あとひき豆」がというものがありますが、なんとも的を射たネーミングで、食べたあとも後を引いてまた食べたくなる豆です。毎年これを楽しみにしている個人投資家も多いそうです。

 

業績自体も中期的な回復局面にあります。既に不採算事業からの撤退を行い、減益予想である今期業績見通しは少し控えめに見えます。

名糖産業は、一見景気敏感企業のようなのですが、実はデフレ下で成長を遂げたというユニークな一面もある会社です。業績には人件費と燃料費が大きな影響を与えますが、この内人件費については現在着実に下がっており、優秀なドライバーが採用しやすくなっています。

 株価が短期的に急騰することは考えにくいのですが、中期的に安定した銘柄をお考えの方には8万円前後から投資が可能ですので、一考に価する銘柄だと思います。ビール好きな方であればなおさら良いと思います。

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反発の動きを見せるVIX指数

VIX指数が僅かですが反発の動きを見せています。通常であれば、気にするほどの変化ではありませんが、対ドル円高が急速に進んでいる状況ですので、一応ご報告しておきます。

 VIX指数は、シカゴオプション取引所の開発した指数で、「恐怖指数」とも呼ばれています。この指数が大きく下落したことで、投資家がリスクを取りやすくなったことから、商品などに投資対象が拡大したと言われています。

 しかも、ドル金利が安いことから、調達したドルを売って投資する動きが加速しました。ドルキャリートレードです。

 したがって、もしVIX指数が上昇して、投資家のリスク許容度が縮小すれば、ドルキャリーが巻き戻す可能性があるわけです。となれば、急速なドル高です。

 このようなキャリートレードの巻き戻しは、日本人にとってはなじみ深い現象です。

 そのVIX指数ですが、2008年10月17日に70.33という高さに達した後、急落を続け、今年9月15日には23.42となりました。

 ところが、その後僅かながら反発し、9月25日には、25.61となっています。原油や金の価格上昇が一段落したのと符合します。

 この動きが続くようであれば、ドル安の反転が十分にありうるということなのですが、正直なところ、まだそのような推測をするのは早すぎるかもしれません。

 なぜならば、VIXが反転したと言っても、その動きが非常に小さいためです。

Vix20090925

 さらに、ロンドンのインターバンク金利であるLIBOR3か月物を見ると、ドル金利は0.21250。ユーロ金利の0.69875どころか、円金利の0.34625をも下回っています。したがって、ドルキャリーの魅力は依然として高いわけです。

Libor20090925

 そのようなわけで、投資に当たっては、円高の重石を十分に考慮したスタンスで臨むべきですが、市場参加者が全員円高を予想すれば、市場は突然円安に動く傾向があります。したがって、VIXの動向を頭の片隅に置いておくのが良いかもしれません。

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2009年9月26日 (土)

米国の8月耐久財受注について

 先週金曜日の米国株式市場では、8月の耐久財受注発表と同時に一気に調整感が強まりました。

 季節調整済み前月比で0.4%の増加と見ていたコンセンサスに対して、2.4%の下落となったことが、大きなショックだったようです。

 ところで、なぜ耐久財受注の動向に株式市場が大きく揺れるのでしょうか?それを考えてみたいと思います。

 耐久財受注とは、それ自身で完結している統計というわけではありません。「製造業出荷・在庫・受注統計」、別名3M(スリーエム)と呼ばれるものの一部を、速報値として商務省が公表しているものなのです。

 言うまでもないことですが、受注が時間の経過とともに出荷、つまり売上に姿を変えていきます。したがって売上の先行指標として新規受注の動向は極めて重要です。

 とりわけ、現在は、在庫圧縮などのコスト削減による業績回復余地が限界近くに達していて、今後の経済全体の回復や株式市場の上昇にとって、出荷の増加が不可欠であるという認識が高まっている状況では、耐久財受注に一段と注目が集まっているのだと考えています。

 そこで8月の耐久財受注の動向を見ると、このようになっています。

20090925_4

 7月には回復を鮮明にしていた多くの分野が、再び悪化に転じています。

 自動車を含む輸送用機器の新規受注が反落したのが目立ちます。民間向け資本財の下落も気になります。

 半導体に関して商務省は受注動向を公表していませんが、出荷の数字は出しています。やはり大きく減退しています。

 ということですから、先週金曜日に耐久財受注の発表後、株式市場が反落したのはやむを得ないと考えています。

 この点に関して、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」に、月曜日午前7時の配信予定で「注意報発令(その4):かかし」という記事を書きました。多少詳細に検討してありますので、もしお時間があれば、ご参照いただけるとありがたいと存じます。

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キユーピー(2809) : 春 研一

決算発表が近づいてきましたので、3週間ほど前にお話ししたキユーピーについて改めて書かせて頂きます。決算発表予定日は930日(水曜日)です。

前回お話ししたポイントを述べますと、同社は高シェアのマヨネーズ・ドレッシングで収益を稼ぎながら、タマゴ事業やカット野菜といった成長性の高い事業も兼ね備えた企業で、中期的に安定的な成長が見込める数少ない食品企業です。

ただし、原料に食用油を多く使うため、業績は大豆価格の動向に大きな影響を受けます。1年ほど前まで大豆価格が急騰していたため業績が厳しく、株価も低迷していました。

世界的な景気後退で大豆価格も低下したのですが、今年の年初が底で5月まで大きく戻したため、株価も1月に天井を付け、市場全体が大きく上昇する中で、低迷が続いていました。

しかし、ここに来て大豆価格が再び1月安値に近づいていますので、注目される可能性が高まっているというものでした。

ただし、厳密に言えば、大豆油の価格は大豆価格だけでなく、海上運賃と為替にも影響を受けます。この二つも大豆価格同様、ここに来て海上運賃は年初来の低水準(参考:http://bdi.seesaa.net/)、為替は年初来の円高となっており、同社にとっては盆・暮れ、正月が一度に来たような状況です。

30日に発表になる第3四半期決算は、好調が継続することが見込まれます。

ただし、食品企業の四半期ごとの業績は、実態の事業の好不調を正確には表しませんので少し厄介です。これは、広告宣伝費などの費用をどのタイミングで投入するかが、年によって異なるためです。仮に表面上いい業績であれば、早めに株価は反応しましょうし、表面上悪くとも、一時的要因と認識すれば、やがて株価は動き出します。

特に、最も業績へのインパクトが大きい原料の先行指標である大豆価格、海上運賃、為替が全て同社にとってポジティブに動いていますので、注目される可能性は高いと思われます。

とはいうものの、食品株の場合、よほどの業績でなければ、株価が急速に動くこともありませんので、決算を見てから動いても間に合う可能性も考えられます。ただし、注目される決算発表であることは間違いないと思いますので、よく見ておいていただきたいと思います。

20090925_3

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米国株式市場を振り返る 9月25日

 ダウ平均株価は42.25%、0.44%下落しました。3日続落となります。

 とは言いながら、午前10時過ぎと午後3時前には一時的に前日終値を上回り、弱いマーケットであったいう印象はありません。ふたこぶラクダのような形状を呈しています。

20090925

 その最初のこぶは、過去2日続いた下落の反動による上昇と、コンセンサスを下回った8月の耐久財受注による下落によって形成されました。

 耐久財受注は前月比0.4%の増加を予想するコンセンサスに対して、同2.4%減少して、市場を驚かせました。基礎素材セクターが大きなダメージを受けました。アルコアの株価がその展開を示唆しています。

Aa20090925

 2つ目のこぶは、市場の期待を上回る8月のミシガン大学の消費者信頼感指数がきっかけとなりました。この上昇は、8月の新築戸建て統計が期待外れに終わったこと加えて、週末の手じまいの動きによって崩されてしまいました。

 ミシガン大学による8月の消費者信頼感指数は73.5と事前予想の70.5を大幅に上回りました。マクドナルドなど消費関連の一部には追い風となったようです。

Mcd20090925

 8月の新築戸建て住宅は年率換算で42万9千戸と、コンセンサスであった44万戸を下回り、住宅関連銘柄にはダメージとなりました。

 このように、米国株式市場の展開を見ると、低迷したという感じはなく、月曜日の日経平均株価への影響は限定的なように思えます。

 ただし、問題は為替です。昨日も指摘しましたが、日本の政府が円高放置のスタンスですから、円高に賭けるリスクが小さくなっています。昨晩は1ドル80円台に突入しました。

1520090926

 輸出価格で算出した購買力平価は1米ドル77円ですから、まだ一段の円高余地が残されていると見たほうが良いかもしれません。

 というわけで、CMEの日経平均先物価格(円ベース)は10.165円となっているのですが、月曜日の寄り付きはさらに低くなる可能性も否定できません。

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2009年9月25日 (金)

訂正のご連絡

 先ほどの「今日の株式市場を振り返る 9月25日」の中で、「半導体人気に乗る東京エレクトロン・・・・」と述べていますが、正しくは「半導体人気に乗るアドバンテスト・・・」です。ご迷惑をおかけしますが、よろしくおねがいいたします。

かかし

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今日の株式市場を振り返る 9月25日

 148円安で寄り付いた日経平均株価は、10時過ぎには300円を越える下げ幅になりました。後場に入ると多少の戻りを見せましたが、狭い値幅での動きに終始して、結局278.24円、2.64%安で終えました。

20090925

 前日の日経平均株価は、米国株式市場の下落や対ドル円高の急速な進展の中で、不自然と思えるほど大きく上昇しています。その反動が大きかったと理解しています。

 加えて、野村証券の大型公募増資による希薄化懸念が、金融セクター全体の株価低迷を誘発したようです。

 また、前日の株式市場がほとんど無視した対ドル円高ですが、今日は、藤井財務相がガイトナー財務長官とのピッツバーグでの会談で、日本は円安政策をとらないと表明したことで、株式市場は円高に対して、より神経質になったと見ています。

15b20090925

 というわけで、停滞色の強いマーケットではありましたが、一方で、業績見通しの上方修正を発表した日本電気硝子が3%を上回る株価上昇となり、半導体関連の人気に乗る東京エレクトロンも2%上げるなど、センチメントが決して総悲観に傾いているわけではない様子もうかがわれました。

 アジア市場は、台湾、マレーシアを除き下げていますが1%を越えて下げているところはありません。上海総合指数は0.52%の下落でした。昨日とは逆に、今日は日本の下げが突出しています。

 GLOBEXでは、ダウ(-21ドル)、ナスダック(-2.75ポイント)ともに下げに転じてきました。今日は8月の耐久財受注、9月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値、8月の戸建て住宅販売統計など注目の指標が続きます。

 月曜日の日経平均株価の動向は、これから始まる米国市場の展開に大きく左右されると考えていますが、個人的には特に為替の動きに注目したいと思っています。

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今日の日経平均株価は? 9月25日

 昨日は、米国株式市場の下落や対ドル円高をものともせずに力強く上げた日経平均株価ですが、今日は反落を警戒して臨みたいと思っています。

 ダウ平均株価は、週間の新規失業保険申請件数がコンセンサスよりも少なかったことから、堅調にスタートしたのですが、前月比増加と見られていた8月の中古住宅販売件数が、予想外の減少となり、調整色が一気に強まりました。

 結局、調整色が強いまま41.11ドル、0.42%の続落で終了しています。

20090924

 低迷が目立ったのは銀行株。バンクオフアメリカが3%弱下落し、時間外取引でさらに0.3%近く下げています。

Bac20090924

 加えて、ドルが円やユーロに対して上昇したことから、国際商品価格が下げ、資源エネルギー株の頭を押さえました。原油価格(WTI)が4.5%、金価格は1.5%強の下落となっています。

 気になるのは、シカゴオプション取引所のVIX指数が6.2%と大きく上げたこと。投資家の不安心理が高まり、リスク許容度が低くなった結果、商品市況の下落を促したと見られるます。

Vix20090924

 このような展開を念頭に置けば、今日の日経平均株価の動きも鈍りそうです。CMEの日経平均先物価格(円ベース)10,340円を寄り付きのメドとしています。ザラバは、寄り付きの水準にもよりますが、軟調な展開を想定しています。

 今日は、8月10,11日に行われた日銀金融政策決定会合の要旨が公表されます。その他、8月の企業向けサービス価格指数や全国コンビニエンスストア売上高などの発表が予定されています。大きなサプライズは予想していません。

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2009年9月24日 (木)

好調な半導体関連銘柄をどう見る?

 今日は、半導体関連銘柄が円高にもめげず好調でした。

 この好調さはつづくのでしょうか?

 まず、経済産業省と日銀のデータをベースに、集積回路の在庫循環モメンタムを作成してみます。出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いたものが在庫循環モメンタムです。

20090924_3

 集積回路の在庫循環モメンタムは昨年12月の-82.8を底に、今年7月には16.3に達しています。

 ポイントは、この在庫循環モメンタムと半導体関連銘柄の連動性が高いこと。

 事実、封止材料の住友ベークライトの株価は昨年12月から今年7月までに約72%上昇しました。製造装置の東京エレクトロンは、ほぼ同期間に132%上げています。

 というわけで、基本的な見方は以下のとおりです:

  • 株価と連動性の高い在庫循環モメンタムは、すでにかなりの高さに達している。さらなる上昇余地は限定的と思われる。
  • さらなる上昇には、在庫をさらに削減するか、出荷の回復が続くことは必要。
  • 在庫の削減余地が小さくなっていることが懸念材料。
  • となると、半導体関連銘柄の株価上昇余地も小さくなってきた可能性がある。

円高の動きも予断を許さず、半導体関連銘柄の動きを多少警戒的に見ていくつもりです。

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今日の株式市場を振り返る 9月24日

 予想を大きく上回る強いマーケットでした。

 34円高で寄り付いた日経平均株価は、すぐに急速に上昇し、10時半前には196円まで上げ幅を拡大しました。その後2時ごろにかけて停滞したものの、再び上げに転じて173.68円、1.67%高で大引けとなりました。

20090924

 米国の株式市場の下落や、対ドル円高の動きを無視するような上げでした。軟調に始まった上海市場が、ザラバでの一時的な停滞を招いたようですが、影響は限定的でした。

 もし、シルバーウィーク中に、他の市場での株高が進んでいたならば、水準訂正とも考えられますが、ダウ平均株価はむしろ70ドル強ほど下落しています。

 また、円高が進む中で、精密機器セクターが上げ、個別銘柄では東京エレクトロンなどの半導体関連が好調であったことも、予想外の展開でした。

 米国のFOMCの、米国経済と金融市場に対する楽観的な見方が、大きな安心感となったことが影響したのかとも考えているのですが、正直なところ、納得できる水準を上回る相場の上昇でした。

 対ドル円レートはザラバでかなり円高に振れています。

15b20090924

 アジア市場では、上海市場が結局0.4%弱の上昇となったのですが、全体的には軟調でした。香港は2.5%と大きく下げているのが目立ちます。したがって、日経平均株価の上げ幅の大きさが際立ちます。

 GLOBEXでは、ダウ(-1ドル)、ナスダック(+2.5ポイント)とマチマチですが、方向としては、下げ幅縮小から上げに転じつつあります。ただし、週間の新規失業保険申請件数、8月の中古住宅販売件数の発表を前に、多少神経質な動きが感じられます。

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踏み上げ?

 今日の日経平均株価は軟調な展開を想定していたのですが、前場は177.72円、1.72%と大幅に上昇しました。

 後講釈として理由を探せば、いくつかか指摘できます。

  • 9月16日に73.26円安で終わったことの反動
  • 8月通関ベース貿易収支の黒字幅が予想より若干大きかったこと
  • FOMCの見解が醸成した米国経済の先行きへの安心感
  • 一時円高方向に振れた対ドル円レートが、円安方向に戻したこと
  • 配当取りの買い

 どれも、もっともなように思えるのですが、米国市場の反落を度外視しての急騰を引き起こすだけのインパクトには欠ける気がします。

 気になるのは、9時半前の出来高急増。売りポジションを持っていた投資家の踏み上げを誘う動きに見えました。そこからの、急騰は、ファンダメンタルズを織り込む動きというより、踏み上げの連鎖反応と見たほうが納得がいきます。

  10時過きにも、同じような動きがありましたが、それは、スタートの時に比べると半分程度の出来高で済んだようです。

 いずれにしても、前場の上昇に作為的な要素が含まれていると勝手に推測するならば、後場は要注意ということになりそうです。

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パル(2726) : 健美操

個性のある小型株式で面白い銘柄がありますのでご紹介します。

 パルは多数の個性的なファッションブランドを抱えています。普通の人では着るのをためらってしまうような服もありますが、「服好きな」ファンからは根強い人気があります。意外にも、消費者の財布の紐が固くなる中で、個性のある服は相対的に底堅く売れています。

それは、世の中に「服を買わないと死んでしまう」人々がいるそうで、服好きな人々は多少収入が減ったところで服を買うことを止めないからだそうです。その人々に焦点を当てて、満足させているのがパルです。

 個性的なブランドを応援してくれるファンがいることは心強いことです。歌手の中にも毎回同じような曲ばかり歌っているようで着実にヒットを重ねる人がいますね。ファンがその個性を愛して付いてきてくれます。

創業者である現会長が町の洋品店から出発し、苦労を重ねながらここまで会社を大きくしました。会長は「ブランドの目利きができる人」を見抜くことが上手な方で、任された担当者が存分に腕を振るうことができことが成功の要因だと思います。経営者としての器量が伺えます。

最近では増益と減益を繰り返しながらも着実に利益を計上しています。積み上げた利益で財務が強固になったことがこの会社のもうひとつの強みでもあります。ユニクロのような勝ち組もいいですが、パルのような個性的な会社を応援するのも面白いと思います。 

なお、この会社には「パルマップ」という独自の流行予測システムがあり、業界動向を見る上で大変参考になります。それによるとファッショントレンドは12年周期で、現在はカジュアルの流れにあるそうです。

    

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今日の日経平均株価は? 9月24日

 米国市場の反落を受けて、今日の日経平均株価の寄り付きは低く、ザラバでも軟調な展開を想定しています。

 ダウ平均株価は81.32ドル、0.83%下落しました。悪いニュースがあったというわけではなく、良いニュースが出尽くしたということが理由であることが気になります。

20090923

 FOMCは景気判断を上方修正して、金融市場に対して楽観的な見方を表明すると同時に、金利はこれまでの低い水準に据え置きました。

 株式市場はこれを歓迎して、2時半のダウ平均株価は88ドルまで上げ幅を拡大しています。

 ところが、その直後から一挙に手じまいの動きがでて、大引けまでに160ドル以上下落したわけです。

 悪いニュースでの下げであるならば、織り込んでしまえば再び株価は回復しますが、良いニュースの出尽くしであると、上昇するには、かなり大きなエネルギーが必要になります。

 ドル円は、FOMC発表直後に円高方向への動きを見せました。リスク許容度の高まりと米国の低金利から、円を買う動きだ出たためです。15a20090924

 ところが、その後株式市場の下落とともに、為替市場のセンチメントが変わり、ドル高円安の方向に戻してしまいました。

 このドル高は資源価格の下落を招き、エクソンモービルなどの資源エネルギー株が下落しています。

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 CMEの日経平均先物(円ベース)10,330円が今日の日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうです。

 ザラバでは、米国株式市場の気になる展開、国内の金融に関する政治の不協和音、そして上海市場の基調変化などの要因が重なるために、軟調な展開を想定して、警戒態勢で臨みたいと考えています。

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2009年9月23日 (水)

米国株式市場を振り返る 9月22日

 ダウ平均株価は51.01ドル、0.52%高となりました。

20090922

 金融株と資源株が牽引役でした。

 金融株上昇のきっかけは、バンクオブアメリカが政府による不良債権の損失補償を終了すると発表したこと。これにより、株価が2.1%上昇しました。この動きに、アナリストによる利益利益見通しの上方修正も加わって、JPモルガン・チェースの株価が4.3%の上昇となっており、引け後の時間外取引で、さらに0.3%上げています。

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 もう一つの牽引役が資源株。ドル安を反映して、原油や金価格が高くなったことが背景にあります。シェブロンが0.8%上げました。

Cvxm20090922   

 確かに、ダウ平均株価は上昇したのですが、気になる点もあります。

  その一つは、10時半ごろまでは市場のモタつきが目立ったこと。連邦住宅金融局(FIFA)による7月の住宅価格指数が前月比0.3%の上昇とコンセンサスであった0.5%を下回ったこともあって、ダウ平均株価は一時前日の終値を下回りました。

 もう一つは、ドル安→資源高→資源株上昇→株式市場上昇という構図が鮮明であるため、政府が実質的なゼロ金利から脱却する場合に、相当大きな株価下落要因になる可能性が大きいことです。

 株価の上昇が続くためには、ゼロ金利の継続と、他通貨に対してドルを弱くし続けることが有効な政策なのでしょうが、果たしていつまで、そしてどこまでつづけられるのか?

 ドル円の動きはこのようになっています。

15a20090923

 今日の米国では、朝9時半にガイトナー財務長官の議会証言、午後2時15分にはFOMCの発表があります。息を抜けない一日です。

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2009年9月22日 (火)

景気ウォッチャー指数と日経平均株価

 先日、東洋経済新報社の松崎泰弘氏からうかがったお話の一部をご紹介しました。VIX指数のことです。

 ところで、もう一つ興味深いことを指摘されておられました。景気ウォッチャー指数と株価の連動性についてです。

 この指数は、景気を肌で感じることのできる人2050人から、景気の現状と先行き(3か月)を内閣府が聞いて作成します。タクシーの運転手、コンビニ店長、美容室の従業員など多彩です。

 ポイントは、「先行きに関する判断DI」と日経平均株価との連動性です。

20090922

 たしかに、かなり高い連動性が見られます。

 私は、経済産業省の鉱工業生産動向をベースにした、在庫循環モメンタムが日経平均株価に連動することに注目しています。

20090922_2

 製造業の生産、出荷、在庫の動きから需給の状態を重視するというアプローチです。

 この2つを組み合わせて、特性の異なる景気ウォッチャー指数と在庫循環モメンタムの両方がが同一方向に動いている局面では、日経平均株価も同じ方向に動くと考えると、株価の方向性に関して、より高い確度が期待できそうです。

 そうなると、気になるのは、鉱工業在庫循環モメンタムの上昇ペースが減速すると同時に、景気ウォッチャー指数が8カ月ぶりに下落したことです。

 日経平均株価の上昇が、一時的かもしれませんが停滞する局面も想定しておく必要がありそうです。

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「エスフーズ(2292)」(その2):春 研一

今回はエスフーズの続きです。

ここ1年ほど食肉関連企業の業績は全般に厳しい状況にあります。これは特に輸入鶏肉の需給バランスが大きく崩れたためです。リーマンショックまでの数年間、新興国の経済拡大を背景に、穀物市況の上昇、食肉需要全般の増加があり、それに加えて鶏インフレ、狂牛病などによって、世界的に食肉需給がタイト化し、価格が上昇しました。そのため相対的な価格が低い鶏肉に需要がシフトしたことによって、鶏肉の収益が大きく拡大しました。

しかし、ここ1年は全く逆の現象となり、食肉全般の価格が大きく低下したため、鶏肉の消費がやや落ち込んで、牛肉の消費量が順調に増加しています。日本ハムの第1四半期における肉種ごとの数量を見ると、牛肉は6.1%増となっていますが、鶏肉は1.8%減でした。ただし、牛肉の中では低価格帯に需要がシフトしています。そのため日本ハムの牛肉の販売金額は8.5%減でしたが、内臓肉など比較的低価格帯のウエイトが高いエスフーズの第1四半期の販売金額は0.4%増と順調でした。

以上が、他の食肉企業の業績が不調にもかかわらず、エスフーズの業績がここまで好調な背景です。

もうひとつの注目点はもつなべブーム再来の兆しです。もつなべは低価格であることもあって、現在と同じようにバブルがはじけた直後の1992年に大ブームとなっています。そのときは1年だけのブームに終わりました。その後再び2005年辺りから、通の間でもつなべのひそかなブームが始まっています。もつなべは材料にコラーゲンが多く含まれていることもあり、女性にも美容食品として受け入れられているようです。

2005年から2007年にかけて注目を集めたのは、いくつかの新規出店したもつなべ屋が注目を集めたことによります。ただし、その段階では一般大衆まで浸透するような状況にはなっていません。このひそかなブームを受けて2008年辺りから、日本ハムやエスフーズが家庭用のもつなべのセットの販売を始めています。昨年の冬に手ごたえのある売上となったため、今年も秋冬用の新製品を発売しました。

前回のブームが短命に終わった一つの理由は味の問題です。内臓肉を材料にするわけですから、鮮度や下処理が重要ですが、大ブームとなったため、多くの外食産業でもつなべをメニューに加え、質の悪いものが現れてブームが沈静化しました。食品の世界は意外と見えないところで技術進歩があり、時の経過によりおいしさが増します。ここ10年ほどの乙類焼酎ブームも革新的製法が開発されたためでした。

今のところ、大ブームという状況ではありませんが、この不況下で、安くて、美容にいいという切り口からブームとなる可能性を秘めているのではないでしょうか。その時、最も恩恵を受けるのはもちろん同社です。しかし、ブームにならずとも牛肉シフトと低価格シフトで業績が順調ですので、リスクは小さいと言えるでしょう。

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米国株式市場を振り返る 9月21日

 ダウ平均株価は41.34ドル、0.42%の下げとなりましたが、気になるような動きではなかったように思います。

20090921

 ユーロや円に対してドル高に振れたことから、原油など商品価格が下落したことが資源エネルギー株を低迷させた影響が大きかったようです。シェブロンの株価推移がそれを示唆しています。

Cvx20090922

 コンファレンスボードが発表した8月の景気先行指数が+0.6%と、コンセンサスであった+0.7%を下回ったことも多少は影響したと見ています。

 一方で、AIGの株価が21%強上昇し、引け後でさらに3%弱上げています。CNNによれば、AIGに関する議会のレポートで、経営状態が安定してきたことを指摘したことが好感されたようです。

Aig20090922

 また、デルが買収を決めたペロー・システムの株価が65%と暴騰しました。買収価格が70%のプレミアムとなったためです。

 というわけで、ダウ平均株価の基調は決して弱くなかったと思います。ナスダックも0.24%上昇しました。

 ただし、為替の動きには注目しておく必要があります。ユーロドルを見ると、一時急激にドル高が進みました。これが、商品価格に大きく影響して、WTIが3.2%と下落しています。

6020090922_2 

 このドル高がそのまま続いていれば、状況はもう少し深刻なものになったと思います。ドル高→資源価格下落→資源エネルギー株下落→株式市場下落という構図です。

 しかし、このドル高は一時的だったようで、現在は反落に転じています。

 ドル円も同様な動きです。一時円安方向に触れましたが、ユーロと同じように値を戻しています。

6020090922_3

 以上の展開から、今日仮に日本市場が開いていても、米国株式市場のインパクトは限定的だったろうと思います。CMEの日経平均先物価格(円ベース)10,365円あたりが合理的とみます。

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2009年9月21日 (月)

イノテック(9880) : 健美操

小型であまり有名でない株式に面白い銘柄がありますのでご紹介します。

イノテックは半導体商社でしたが、現在では商社事業は縮小しつつあり、半導体設計ツールや組込ソフトなどとの複合事業体となっています。この会社の強みは優良企業を顧客に持ち、400名を超える技術者がいることです。日常の付き合いから顧客に役立つサービスを探し出して、一つずつ事業として築き上げています。アメーバのような柔軟性がある会社です。

さて、半導体・電子部品商社事業は薄利にも関わらず多額の運転資金を必要とします。このためイノテックにも多額の借入金がありました。一方で、この事業が縮小する過程ではキャッシュフローが大幅に改善して、実際にこの2年間で時価総額に匹敵するキャッシュフローが発生し、そのお金を使って借入金返済と自社株買いを積極的に行っています。副産物として利益率の改善要因にもなりますので、この財務面での改善が株価の下支えとなっています。

かつてイノテックは2001年度から3期赤字の危機にありましたが、当時管理部門担当取締役で再建を指揮して業績をV字回復させたのが現在の澄田社長です。故澄田日銀前総裁のご長男で、話し方からはソフトな印象を受けますが、一度窮地を経験した経営者ならではの芯の強さが感じられます。当時の苦境に比べれば、今回の局面では黒字を予想しており、余裕すら感じられます。

 

株価は年初から大幅に上昇したので利益確定売りに押される局面も予想されますが、まだ長期的な動きからは低位にありそうです。当面は利益率の高いテスター事業が回復するかが注目されますが、柔軟な経営そのものを評価してみるのも面白いと思います。

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健美操さん登場

 健美操さんをご紹介します。

 5年間の都市銀行業務を経て、投資顧問会社で15年にわたり年金資金等の日本株式運用に従事されていました。個性のある銘柄を、市場が注目する前に発掘することにかけて評価の高いファンドマネージャーです。

 私がアナリストのころ、欧州系名門投資顧問で働く彼のオフィスを訪ねるときはいつも緊張したものです。

 このブログに参加してくれたことを大変喜んでいます。

 ちなみに、彼が最近凝っているのがエアロビクス。健美操とは中国語で趣味のエアロビクスのことなのだそうです。

 今後、是非よろしくお願いいたします。

 

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2009年9月20日 (日)

購買力平価

 今日(9月20日)の日経新聞に、「為替相場の先行きを読む」と題して、購買力平価の解説がかなり大きく取り上げられていました。

 記事の中で指摘されているのですが、この購買力平価は、長期的な視点からは、とても大切で有効な考え方なのですが、為替ディーラーやFX投資家など短期決選型の人たちには、人気のないものなのだそうです。

 そのあたりはどうでもよいことなのですが、私自身は株式アナリストとして、個別銘柄の適正株価考えるのが重要であるのと同様、為替も適正水準を把握するために、非常に有効だという感覚を持っています。

 今日の記事で最も興味深かったのは次の数字です。

  • 輸出物価ではかった購買力平価1ドル=77円
  • 企業物価ではかった購買力平価1ドル=111円
  • 消費者物価ではかった購買力平価=141円

 ポイントは、現在の円高の上昇余地はまだ残されていて、1ドル70円台も念頭に置く必要があるということです。

 9月13日に、「為替と米国株ーーーどちらに連動? 」というタイトルで、この問題について多少詳細に述べていますので、ご参照願えればありがたいと思います。

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VIX指数と日本株

 先日、東洋経済新報社で市場経済部長をなさっておられる松崎泰弘氏の講演を聞く機会がありました。貴重な示唆がふんだんに盛り込まれた充実したお話でした。

 特に興味深かったのは「VIX指数」。別名「恐怖指数」。

 御存じの方も多いと思いますが、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が開発したもので、S&P500のオプションの変動を指数化した指標です。市場に対する投資家の心理を反映する指数と言われています。

 VIX指数の上昇は、投資家が恐怖心を抱いていることを示しています。反対に、指数の下落は、投資家に安心感があり、リスク許容度が高まっていることを意味します。

 そこでCBOEのデータにより、最近の動きを見ると、このようになっています。

Vix20090921

 昨年10月の59.89をピークに、今年8月には26.01まで大幅に下落しました。投資家のリスク許容度が高まったのです。つまり、よりリスクの高い投資対象にお金を振り向ける心の余裕が出たわけです。

 松崎氏は、金など国際商品の価格上昇は、このような動きが背景にあると指摘されています。昔は不安心理が金を上昇させたのですが、今回は安心感が金価格を押し上げています。

 さらに松崎氏は、興味深い指摘をされています。ロンドンのインターバンク金利(LOBOR)でみると、ドル金利が円金利を下回っているのです。

 実際、最近の動きを調べてみると、確かにそうなっています。

Bbalibor3m20090921

 そのため、VIX指数が低下する局面で、金利の安いドルを調達して、国際商品や他通貨に資金が向かうわけです。ゼロ金利日本ですっかりおなじみとなったキャリートレードがドルでも加速している背景の一つがここにありそうです。

 LIBORレートでみるかぎり、円もその対象になります。単なる印象なのですが、日米のLIBORの逆転した頃から円高が一段と進んだようです。

20090921

 9月18日現在のドルLIBORは0.28938、一方、円LIBORは0.34875。ということは、円高がさらに進んでもおかしくないということになります。

 円安→株高、円高→株安という関係が鮮明な日本の株式市場にとって、VIX指数の下落とLIBORの日米逆転は、重石になる可能性があるため、警戒の必要がありそうです。

 明日午前7時に、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」で、私の投稿した「注意報発令!(その3):かかし」が掲載される予定です。この問題について、多少詳細に触れましたのでご参照いただければと存じます。

 

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2009年9月19日 (土)

米国株式市場を振り返る 9月18日

 18日のダウ平均株価は36.28ドル、0.37%となりましたが、力強く上げたという印象はなかったように思います。

20090918

 株価指数先物の最終決済やオプションの権利行使期限が重なる特殊要因で、午前中は出来高を伴って堅調に推移しました。

 昼頃には一時20ドル程度まで上げ幅を縮めたのですが、その後上昇をはじめ、2時前には64ドル高に達しました。

 しかし、再び基調が弱まり36ドルまで上げ幅を縮めました。

 株式市場のセンチメントは良く、アナリストによる投資判断の上方修正に反応して、P&Gの株価が3.2%の大幅上昇となりました。

Pg20090918

 またAT&Tなど大型株の好調な動きが目を引きました。

Att20090918

 にもかかわらず、力強さが感じられなかったのは、午後になって出来高が急速に細り、大引けにかけての手じまいの動きが目立ったためです。

 午後からは、ユダヤ暦の新年祭であるローシュ・ハッシャーナーに入り、ユダヤ教徒の人たちが市場から離れたという事情もあるようなのですが、いずれにしても迫力には欠けた展開に見えました。

 先週のダウ平均株価は2.2%と大きく上昇しています。日経平均株価は0.7%の下落、上海総合指数は0.9%の下落でしたから、ダウの好調さが目立ちます。

 ダウが大底をつけた今年3月9日を起点とすると、ダウは約50%の上昇です。同期間に日経平均株価は46%強、上海総合指数は40%弱上げました。2009092100000

 今日の日経新聞には、日本株の出遅れが指摘されていましたが、計測期間の取り方で、ずいぶん様子が違って見えるものだと思います。

 来週木曜日の日経平均株価を考える上で、モタつきの見える上海はともかくとして、連動性の高いダウ平均株価に多少の頭の重さが見えるので、注意したいと思っています。

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2009年9月18日 (金)

今日の株式市場を振り返る 9月18日

 今日の株式市場は、連休明けとなる来週木曜日(24日)の状況に対する予測を織り込みながらの展開であったためか、非常に難しい展開だったような気がします。

 米国株式市場の反落から、64円安で寄り付いた日経平均株価は、下げ幅を拡げ、10時半には151円まで下げ幅を拡大しました。しかし、その後回復に転じ、2時頃には100円以上値を戻して44円安となりました。そこから再び僅かに反落して、73.26円、0.7%の下落で終えています。

20090918_6

 寄り付き後の下げは、亀井郵政問題・金融担当相の、中小企業や住宅ローンの返済猶予措置に関する発言が銀行株にダメージを与えたことが影響したようです。みずほフィナンシャルグループ株の動きがそれを示唆しています。

Fg20090918

 その後の戻りは、明確な理由が把握できていませんが、信越化学工業、ブリヂストン、ソニー、ホンダなどの堅調な動きから判断すれば、対ドル円高の一段落が背景にあると推測できます。

B1520090918

 この戻りは、下落基調で始まった上海市場の動きを無視する展開であったため、意外感がありました。

20090918_7

 2時頃には、藤井財務省が亀井氏の返済猶予措置に対して慎重な見方を示したことから、銀行株が大きく戻しました。ところが、日経平均株価は軟調に転じました。

 上海市場が下落を続けたこと、対ドル円レートが円高に振れたこと、GLOBEXでの米国株が下落基調で推移したことなどが重なったためと見られます。

 上海市場は結局3.2%と大幅に下落しました。ただ、アジア市場全体への影響は限定的で、香港、シンガポール、インドは下落しましたが、韓国、台湾、インドネシア、マレーシアは上げています。

 米国市場は、ダウ(+60ドル)、ナスダック(+6.5ポイント)とも上昇で始まっています。

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今日の日経平均株価は? 9月18日

 今日のダウ平均株価は7.79ドル、0.08%と僅かに下落しました。先週金曜日から1.9%上昇した後ですから、何の問題もない下げなのですが、正直なところ気になる動きです。

20090917

 シルバーウィークに入る日本市場にとっては、来週木曜日に果たして、米国市場が上昇を続けているかどうかが重要なポイントになるわけですが、たとえ僅かとは言え、頭打ちの兆しをみせたことが、微妙な影響を与えるような気がします。

 先週の米国新規失業保険申請件数は54万5千件と、コンセンサスであった55万7千件を下回りました。8月の住宅着工件数も、事前予想通りではありましたが、前月に比べ9千件の増加となっています。また、9月のフィラデルフィア連銀景況指数は14.1と、予想の8.0を大幅に上回り、2年ぶりの高さでした。

 このような良好な経済指標にも関わらず、ダウ平均株価は反落しました。フィラデルフィア連銀の数字が発表された直後から、手じまいらしい動きが見られたという指摘があるのが気になります。

 CMEの日経平均先物価格(円ベース)10,380円であるため、今日の日経平均株価は多少の下げで始まりそうです。

 ザラバも軟調気味の推移を想定していますが、上海市場の動きに加えて、手じまいの動きにも注意する必要があります。

 対ドル円レートは、ほぼ前日のザラバと同じ程度の水準にあります。

A6020090918

 今日は、7月の景気動向指数改定値、9月の日銀経済月報の他、ニトリの決算発表が予定されています。

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2009年9月17日 (木)

きょうの株式市場を振り返る 9月17日

 久しぶりに、国内要因の影響が気になった一日でした。

 米国株式市場の上昇を受けて、102円高で始まった日経平均株価は、前場はそのまま堅調に推移しました。ところが後場に入ると調整に転じて、1時半前に69円高まで上げ幅を縮小しました。しかし、そこから切り返して、173.03円、1.68%高で大引けとなりました。

20090917

 前場の堅調な動きは、米国株高と、上海の好調なスタートという海外要因が背景であったようです。海外要因主体の、いつもの展開です。

20090917_2

 後場の調整は意外感がありました。上海市場が一段と上昇する中での軟調な動きだったからです。銀行など金融株が主導した調整と見ています。自己資本規制強化に対応するファイナンスを嫌気すると同時に、新政権の金融行政に対する不信感のようなもの背景にあると思われます。千葉銀行の株価の動きが象徴的です。

20090917_3

 その後のマーケットの持ち直しは、やはり2%の大幅上昇となった上海市場と、それに連動するアジア市場の上げが大きかったようです。香港市場も1.7%と、日経平均株価の上昇率を上回りました。

 ただし、今日の米国市場は要注意です。GLOBEXでは、プラス圏で推移してきたダウ(-9ドル)、ナスダック(-4.25ポイント)ともに下落に転じてきました。

 8月の住宅着工件数と建設許可件数、週間の新規失業保険申請件数、9月のフィラデルフィア連銀景況指数と、気になる指標が続きます。

 米国は前日に大きく上げているだけに、今日はある程度反落の可能性を念頭に置いたほうが良さそうです。そうなると、明日の日経平均株価は、シルバーウィーク前の手じまいの動きを増幅する可能性もありそうです。

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今日の日経平均株価は? 9月17日

 米国株式市場が右肩上がりの力強い上昇を見せたのを反映して、今日の日経平均株価は寄り付き、ザラバとも堅調に推移すると見ています。

 ダウ平均株価は108.30ドル、1.12%の上昇でした。牽引役は8月の鉱工業生産。前月比0.8%増加と、コンセンサスであった0.6%を上回りました。設備稼働率も69.0%の事前予想に対して69.6%となっています。

20090916

 前日のバーナンキ議長の強気のスピーチとの相乗効果もあって、株式市場を強気のセンチメントが支配しました。

 注目された8月の消費者物価は、食品とエネルギーを除いたコア指数が予想通りであったため、株式市場へのインパクトは限定的だったようです。

 鉱工業生産の数字が強かったため、製造業の株価に堅調なものが目立ちました。IBMの株価が2%を越えて上昇しています。

Ibm20090916

 JPモルガン・チェースなど金融株も好調でした。

Jpm20090916

 このような米国市場の動向を受けて、CMEの日経平均先物価格(円ベース)が10,310円となっており、これが今日の日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうです。

 ザラバでも堅調な展開を想定しています。

 ただし、米国市場が好調であった理由の一つにドル安があることを念頭に置く必要がありそうです。ドル安→資源価格上昇→資源株上昇という構図です。

 現時点では、対ドル円レートは小康状態を保っていますが、再び円高方向に振れるようであれば、ザラバでの重石になってきます。

60a20090917

 今日は、日銀金融政策決定会合の会見、7-9月期の法人企業景気予測調査、7月の第3次産業活動指数などのほか、7月1日時点の基準価格が国土交通省から公表される予定です。

 重要な指標が次々と出てくるのに加えて、上海市場の動向からも目が離せません。また、シルバーウィークが近づいています。

 というわけで、ザラバは堅調な推移を見込んではいるのですが、寄り付きが予想より高いようであれば、慎重に臨む必要もありそうだと考えています。

 

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2009年9月16日 (水)

今日の株式市場を振り返る 9月16日

 前場と後場で様相が大きく変わりました。為替の動きが要因と見ています。

 米国株式市場の上昇を好感して、71円高で寄り付いた日経平均株価は、後場開始直後には一時176円まで上げ幅を拡大しました。軟調に始まった上海市場の影響は限定的でした。

20090916

 ところが、そこから一転して調整色が強まります。1時半過ぎからは下落が加速して、結局53.15円、0.52%高で終了しました。前場の貯金を使い果たしてしまったという感じです。TOPIXは0.12%の下落となりました。

 この相場の基調の急変には、為替が大きく影響したと見ています。前場の対ドル円レートは円安方向に動いていましたが、後場になると一転して円高方向へ急速に振れました。

15b20090916

 セクター別の上昇率を見ると、原油高の恩恵を受ける鉱業の他に、円安メリットの大きい電気機器、精密機器などが上位を占めています。

 一方、代表的な円高メリットセクターである紙パルプは停滞しました。同時に、医薬、電力・ガス。食品などのディフェンシブセクターも冴えませんでしたが、これは、市場のセンチメントが悪くなっていないことを示唆しているように思えます。

 後場のマーケットの下落に最も大きく影響したのは、金融セクターでした。自己資本規制の強化という流れが基調にあることに加えて、新政権の金融行政に対する不透明感が株価を抑えているようです。三菱UFJフィナンシャルグループの株価の動きが、市場へのインパクトの大きさを示唆しています。

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 アジア市場は上海を除き上昇しています。

B20090916_2 

 香港が2.5%と大きく上昇しているのが目を引きます。

 GLOBEXでは、ダウ(+39ドル)、ナスダック(+5.5ポイント)とも堅調な動きです。8月の消費者物価指数と鉱工業生産、4-6月の経常収支のほか、NAHBによる9月の住宅市場指数、オラクルの決算などが相次ぎ、目が離せません。

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今日の日経平均株価は? 9月16日

 今日の日経平均株価は高めに寄り付いた後、ザラバでも堅調な動きを期待しています。

 高めの寄り付きは、米国株式市場が堅調に推移したことが理由です。

 ダウ平均株価はスタートで多少モタついたのですが、その後は着実に上昇して、56.61ドル、0.59%高で大引けとなりました。

20090915

 良好な経済指標にバーナンキ議長の楽観的なスピーチが重なりました。

 8月の自動車を除く小売売上高が前月比1.1%上昇し、コンセンサスの0.4%増を大きく上回りました。9月のニューヨーク連銀製造業景気指数も事前予想の15に対して、18.8となっています。さらに、7月の企業在庫も前月比1%低下してと、マーケット予想の0.9%減より在庫圧縮が進んでいます。

 このような景気指標に加えて、FRBのバーナンキ議長がワシントンでの講演で、景気後退局面は、「おわったかもしれない」とコメントしたことが、マーケットを元気づけたようです。

 そのため、製造業の株価上昇が目立ちました。キャタピラーが6%と大きく上昇したのが象徴的です。

Cat20090915

 また資源価格の上昇でアルコアが8%を上回って上げています。

Aa2009091500000

 CMEの日経平均先物価格(円ベース)の10235円が今日の日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうですが、それより多少高く始まっても違和感はありません。

 ザラバでは、国内では重要な経済指標の発表は予定されていません。対ドル円レートと上海市場の動きから目が離せないのですが、基調としては堅調な推移を想定しています。

 対ドル円レートは、とりあえず91円台で落ち着いた動きを見せています。

60a20090916

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2009年9月15日 (火)

今日の株式市場を振り返る 9月15日

 前場と後場で様子が大きく変わりました。前場はローラーコースターのようでしたが、後場は一転して静かな動きに変わりました。

 米国株式市場の上昇を受けて、53円高で寄り付いた日経平均株価は、すぐに90円まで上げ幅を拡大しました。

20090915

 ところが、対ドル円レートが僅かながら円高方向に振れたことや、上海市場のスタートが弱かったことが、株式市場の動揺を誘ったようです。

A1520090915 

 後場になると、対ドル円レートが再び円安方向に動き、91円台で安定したことから日経平均株価も落ち着きを取り戻しました。ただ、上海市場の低迷が重石となり、15.56円、0.15%の僅かな上昇で大引けとなりました。

20090915_2

 昨日は為替、今日は上海と海外要因に振られる毎日が続きます。SQ直前には、円高や上海の下落にお構いなくどんどん上昇したのですが、その反動という印象もあります。やはり、あのSQ前の動きは合理性に欠けるものだったのかもしれません。

 医薬、電力・ガス、食品などのディフェンシブなセクターが堅調であったことが、市場のセンチメント悪化を物語ります。

 電機、精密にも堅調さが見られたのは、対ドル円安方向への動きが市場に歓迎されたことを示すと見ています。

 一方、紙パルプの低迷は、電機、精密の堅調さと整合する動きです。

 加えて、原油価格の調整で鉱業などの資源関連の低迷が目立ちました。国際石油開発帝石のザラバの動きは、日経平均株価の動きととてもよく似ています。

20090915_3

 アジア市場は、上海が結局は0.23%の上昇で引けたこともあって、シンガポールを除いて上昇しました。インドネシア、インド、韓国、台湾が1%を越えて上げています。

 対照的に、米国の時間外は気になる動きを見せています。ダウが10ドル安、ナスダックが7.5ポイント安と、下げ幅が急に拡がっています。

 今日は、8月卸売物価統計と小売売上高、9月のニューヨーク連銀製造業景気指数、そして少し遅れて、7月の企業在庫など重要な指標の発表が続きます。

 補助金で底上げされた自動車を除いた小売売上高が、前月の-0.6%から+0.4%とかなりの回復を見せるというのがコンセンサスですが、はたしてそううまくいくものかどうか注目しています。

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今日の日経平均株価は? 9月15日

 今日の日経平均株価は若干高めに寄り付いたあと、ザラバでも堅調ーーーというより落ち着いた動きが期待できそうです。

 米国株式市場が小高く終えたことが、高めの寄り付きと見る理由です。そして、ザラバでの落ち着いた動きは、対ドル円高の一段落を前提としています。かく乱要因があるとすれば、上海市場の動きとなりそうです。

 ダウ平均株価は開始直後に一時70ドル弱まで下げ幅を拡大しました。米中の貿易をめぐるいざこざが背景にあるようです。しかし、すぐに切り返し、大引けは21.39ドル、0.22%の上昇でした。狭い値動きでしたが、堅調と言えます。

C20090914

 先週金曜日に業績上方修正を発表したフェデックスの株価上昇が今日も続きました。

Fdx20090914

 この状況を映して、CMEの日経平均先物価格(円ベース)は10,275円となっており、これが今日の日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうです。

 ザラバの堅調な展開を想定する理由は、対ドル円レートが多少円安方向に振れていることです。現時点では、株式市場は為替の水準よりも変化の方向性に反応すると考えています。

A2009091

 今日は国内では重要な経済指標の発表は予定されていないため、上海市場の動きを除いて、大きなかく乱要因は想定していません。

 

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エスフーズ(2292):春 研一

全体相場の頭はやや重くなっていますが、相変わらず物色意欲は旺盛なようです。しかし、円高が進んでいるため、輸出企業の株価はやや厳しいかなという感じかもしれません。

さて、今週はエスフーズという会社に注目してみたいと思います。

同社はかつてスタミナ食品という名前の内臓肉中心の会社でした。商品のほとんどが米国から輸入した牛肉・牛内臓肉でした。「こてっちゃん」が有名で、1990年代初めのもつなべブームの頃に株式市場でも注目されました。

しかし、200312月に発生した狂牛病によって、米国からの牛肉輸入が途絶え、経営の危機に瀕しました。その後、オーストラリアからの輸入、豚ホルモンの開発を行い、国内牛肉を専門に扱うムラチクとの合併などで、経営の危機を乗り越えました。

米国産牛肉の輸入に関しては、2005年末に月齢20ヵ月以下について一度再開されたものの、輸入を禁止している背骨が混入した牛肉が見つかり、20061月に再び禁止されました。

 その後は、20067月末に再開され現在に至っています。かつての主力商品である「こてっちゃん」も再開しましたが、ピークと比較すると20%程度の売上に過ぎず、回復はまだまだといったところです。

しかし、20092月期の連結経常利益は51億円と高水準となっています。スタミナ食品時代のピーク利益は約30億円で、合併したムラチクは15億円、子会社とした食肉販売のOM212億円ですので、3社合計の57億円に対しては10%程度下回りますが、着実に収益力が高まっていると言えるでしょう。

今期会社計画の経常利益は1%増の52億円で、上期も2%増益予想ですが、第1四半期の経常利益は28.5%増益と好調でした。食肉を扱っているので市況変動が激しいため、確実なことは言いにくいのですが、今のところ業績は上ぶれそうな勢いがあります。

業績が順調な背景の一つは、食肉市況全体が下落したことによって、牛肉の割高感が薄れ、豚肉や鶏肉より消費が堅調なことです。2007年、2008年は食肉市況が世界的な景気拡大と円安により上昇したため、単価が低い鶏肉の需要が好調でした。

しかし、この1年は逆の展開で、むしろ鶏肉の需要が低下し、牛肉が順調です。ただし、牛肉の中では低価格帯が好調なようです。同社は牛肉全般を扱ってはいますが、どちらかといえば低い価格帯の商品が得意分野です。

また、ここ数年、ホルモン、もつなべが静かなブームになっています。今のところ静かなブームといった感じですが、この不況が長引くと、バブル崩壊後の1992年にもつなべが大ブームとなりましたが、その再来ということも考えられます。

PBR0.9倍台、PER12倍台と割安感がありますので、ブームの再来に賭けてもそれほどリスクは大きくないと思われます。

次回にもう少し、現状について詳しくお話します。   

     

       

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今日の株式市場を振り返る 9月14日

 日経平均株価は大幅な下落に終わりましたが、午前10時半以降は下げ止まり、大引けにかけて僅かながらも持ち直したことに注目しています。一段の円高が回避されるならば、明日は落ち着いた展開が期待できそうです。

20090914_2 

 対ドルで90円台前半に達した円高のショックが大きく、56円安で始まった日経平均株価は午前10時半頃には、273円まで下げ幅を拡大しました。

 非鉄、電気機器、輸送用機器、精密機器などの円安の恩恵を受けるセクターの低迷が目立ちました。

 加えて、自己資本規制の強化への動きが懸念される銀行や、株式市場の停滞が収益悪化要因となる証券も市場の足を引っ張りました。

 ただし、10時半以降には、対ドル円レートがの上昇が止まり、午後になると多少円安方向に振れたこともあって、日経平均株価も若干戻して、242.27円、2.32%の下げで大引けとなりました。

B20090914

 市場は、対ドル円レートの水準よりも変化に反応する傾向が強いため、一段の円高が避けられるならば、株式市場は落ち着くと見ています。

 アジア市場は、上海とマレーシアを除いて下げています。といっても、日経平均株価より大きな下落率となった市場はありませんでした。

 米国はダウ、ナスダックともマイナスで寄り付いたのですが、両市場ともプラスに転じてきました。大きな経済指標の発表は予定されていませんから、このまま堅調に推移しそうな雰囲気です。

B20090914_2

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2009年9月14日 (月)

ご連絡

 今日は外出で、帰宅が深夜になるため、「今日の株式市場を振り返る 9月14日」は、非常に遅くなるか、お休みさせていただくことになるかもしれません。よろしくお願いいたします。

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今日の日経平均株価は? 9月14日

 今日の日経平均株価は低目に寄り付いた後、ザラバでも軟調な動きを想定しています。

 寄り付きは、先週金曜日のCME日経平均先物価格(円ベース)10,365円を一応のメドとしていますが、それを多少下回るかもしれません。週末に対ドル円レートが一段と円高方向に振れたためです。

A20090914

 ザラバでの軟調な展開も、円高の重石によるものです。ただし、先週末のダウ、ナスダックの引け後時間外の動きが落ち着いていたこともあって、急落といった事態にはならないと見ています。

 今日は1時半に7月の鉱工業生産動向の確定値が発表されます。決算は、稲葉製作所、三井ハイテックなど十数社です。

 FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」に私の投稿記事「注意報発令(その2):かかし」が掲載されています。お時間が許すようでしたらご参照ください。

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2009年9月13日 (日)

為替と米国株ーーー日本市場はどちらに連動?

 日本の株式市場は興味深い局面にあるようです。

 以前にお話ししたことがありますが、日経平均株価は対ドル円レートの動きに連動しています。円高→株安、円安→株高という関係が、ここ数年は鮮明です。

 同時に、日経平均株価は米国株式市場の動きにも連動しています。米国株高→日本株高、米国株安→日本株安。

 そこで、興味深いのは、円高が急速に進行しているため、日本株に対して不安感が高まっていると同時に、米国株が比較的に堅調な動きをしているということです。

 米国株の堅調さの一端をドル安が担っています。製造業の輸出競争力が回復すると同時に、ドル建て国際商品市況の上昇で、資源エネルギー関連の株価に追い風になるためです。

 とすれば、今後の日本の株式市場は、一体どちらに連動するのでしょうか?

 残念ながら答えを持ち合わせていません。もっとも、持っていれば何の苦労もないでしょうが・・・・

 ただ、今後円高の影響が、株式市場に重くのしかかってくる可能性が高いため、米国株式との連動性も念頭に置きながら、冷静に、対処していきたいと思っています。

 そこで、為替の見方に関して、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」で、昨年12月15日に私が投稿した記事「株屋の為替談義」をご参考までにご紹介します。

 現在も為替に関する考え方は大きく変わっていません。

 「株屋の為替談義」 : かかし      2008年12月15日

名古屋にある大学で「株式投資」の講座を担当するようになってもう8年になります。春と秋にそれぞれ独立したコースが開設されています。

各コースで、ほぼ例外なく出される質問があります。「為替をどう見ますか?」。私は為替の専門家ではありません。野村さん、津田さん、水谷さんのコメントを一生懸命に、そして楽しみながら勉強しているところです。

とはいえ、株式投資をするにあたって、為替は最も大切な指標の1つです。株屋がどのように為替の解説をしているのかをご紹介しましょう。

引き合いに出すのは「ビッグマック」。以前は、海外の投資家に日本株の説明をするために、世界を飛び回っていました。必ず立ち寄るのがマクドナルドです。不思議なことに、日本で食べているような気分になれるのです。香港の「ビッグマック」は日本に比べて安い。ところが、ジュネーブではとても高い。

この値段の違いを生み出すのが為替であるとするのが「購買力平価」という考え方です。今、アメリカの人たちが日本で「ビッグマック」を食べたら、びっくりするほど高いんでしょうね!

OECDが発表している「購買力平価」では、2007年に1米ドル120円。円は毎年徐々に強くなっているので、今は110円台に入っているのでしょう。実は、この計算は基礎となる物価水準に何を使うかで数字が異なってくるようです。輸出物価を使うと80円、消費者物価を使うと160円程度になるのだそうです。

面白いのは、世の中が平穏無事であれば1米ドル120円程度なのですが、日本経済への信頼が揺らぐような事態になると160円へ向かうことです。反対に、日本企業が世界を席捲して、貿易摩擦を引き起こすようなら80円台を目指します。

今は? 感覚的には日本がそれほど強くなっているとは思えないのですが、自動車はどうでしょう。貿易摩擦が吹き荒れたころ、米国で日本車が壊されたり、焼かれたりしました。今は、米国を象徴してきたGMがつぶれそうです。

貿易摩擦とGM帝国の崩壊は、表面的には全く異なっているように見えますが、底流にあるのは同じものではないでしょうか? ならば、1米ドル80円台というのはやむをえないところなのでしょうね。

それでは、今後をどう見るのか? 2つの点に注目しています。1つ目は、自動車は日本の中で最強の産業だということ。その自動車をめぐる展開が為替に大きな影響を及ぼしているとするならば、おそらくこれ以上の円高はないかもしれないということです。

もう1つは、自動車の競争力が為替の動向に大きく影響しているならば、他の輸出産業にとっては大変な事態だということです。生き残りのための構造改革が不可欠になるでしょう。危機対応能力が厳しく問われていると見る必要があります。

これまでもそうなのですが、日本の産業の危機対応能力は、「お尻に火がつくと」目を見張るものがあります。鉄鋼産業がそうでした。銀行業界もそうです。

この円高を乗り切るために人員削減など合理化が避けられないとすれば、何か暗いイメージを描きがちですが、そのプロセスが日本企業の再生の重要なステップになるような気がします。この嵐を乗り切った先に見えるのは、一段と強力な競争力を備えた力強い日本企業の姿です。トンネルの先には、はっきりと出口から差し込む光が見えてきました。

そこで株式です。今は嵐の中ですが、もう底は見えたのでは。今後、わずかでも円安に触れれば、株価は上昇しそうです。

日本国内にいると実感できなくても、ドルベースで見れば日本の国力は驚くほど高まっています。それを実感したければ、海外旅行をしてみることです。燃料サーチャージの低い航空会社を見つけて、海外旅行をしましょう。そして、マクドナルドに行って安い「ビッグマック」を堪能してください。ただし、メタボにはご用心。

    

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日米中株価比較

 日頃は、日米の連動性の高さに注目しながら、株価動向を追いかけています。

 ご参考までに、中国の株価動向(上海総合指数)を加えたチャートを作成しました。日経平均株価、ダウ平均株価と同様に、今年3月9日を100として指数化しています。

20090914

 先週金曜日(9月11日)の段階で、日米とも指数は147で並んでいます。中国の指数は9月初めに127まで落ち込んでいましたが、141まで回復してきました。

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2009年9月12日 (土)

米国株式市場を振り返る 9月11日

 金曜日のダウ平均株価は22.07ドル、0.23%の下落となりましたが、弱さを感じさせる展開ではありませんでした。原油価格の下落と週末の手じまいで僅かに下げたということだったように思います。

20090911

 経済指標の発表が相次ぎましたが、懸念するものは見当たりませんでした。8月輸入物価上昇率がコンセンサスを上回ったのは、ドル安局面では違和感はありません。9月のミシガン大学消費者信頼感指数は70.2と事前予想の67.5を大きく上回りました。7月の卸売在庫速報値の予想以上の減少は企業のコスト圧縮の反映でしょうし、8月の財政収支赤字幅の縮小は良いニュースです。

 というわけで、経済指標は株式市場を支える要因であったと見ています。

 それでも大引けで反落したのは、原油価格が3.6%と大幅に下落したことが影響したようです。ドル建て商品がドル安の中で下落したため、意外感がありました。エクソン・モービルの株価の動きが市場の反応を示唆しています。

Xom20090911

 石油株下落の影響のためか、金鉱株動きもザラバで悪くなりました。金価格は上昇したのですが、代表的な金鉱株であるニューモント・マイニングが、好調なスタートを切りながら、0.9%弱の僅かな上昇に終わりました。

Nem20090911

 加えて、ミシガン大学の指数が大きく上昇したにも関わらず、小売株は全く反応しませんでした。消費者信頼感指数の改善と、実際の小売の動きは別なのだということでしょうが、非常に興味深い動きでした。ウォール・マートの株価推移が象徴的です。

Wmt20090911

 以上のような展開から、ダウ平均株価が反落したわけですが、月曜日の日経平均株価への影響は限定的と見ています。

 ただし、対ドル円レートが金曜日の深夜に一段と上昇し、90円台に入っています。さすがに、このインパクトは大きそうに思います。

A20090912

 したがって、CMEでの日経平均先物価格(円ベース)10,365円を下回る寄り付きとなることは避けられないかもしれません。

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2009年9月11日 (金)

今日の株式市場を振り返る 9月11日

 日経平均株価は69.34円、0.66%の下げとなりましたが、前日に200円以上上昇した後の反落ということで、驚くような展開ではありませんでした。

20090911

 円高と上海の株高の綱引きで、円高が優勢であったという感じです。

 4-6月期のGDP改定値はコンセンサスを下回ったのですが、8月の消費者態度指数は事前予想を上回るなど、経済指標はマチマチの動きで、株式市場への影響は限定的であったようです。

 何と言っても、米ドルやユーロに対して円高が急速に進んだことが、株式市場を沈滞させました。

C20090911_2

 上海総合指数が2.2%と大きく上昇したのですが、その恩恵は円高によって掻き消されてしまったようです。

C20090911_3

 アジア市場は上海の上昇もあって、シンガポールを除いて上げています。また、GLOBEXではダウ(+13ドル)、ナスダック(+1ポイント)ともまずまず無難な動きです。

 今日の米国では、7月の卸売統計、8月の財政収支、9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値など注目の統計が発表されます。

 ミシガン大学の指標は8月の65.7から67.5への改善がコンセンサスとなっているのですが、果たしてコンセンサスどおりの強い数字が出てくるかどうか注目しています。

 このように見てくると、どうも今日は日本だけが突出して弱かったようです。しかし、前日の上昇の反動によるところが大きいため、今日の米国が堅調であれば、月曜日の日経平均株価は持ち直すことが期待できると見ています。

 もちろん、円高がさらに進めば具合が悪いのですが、3月の大底からの日米の株価の動きの連動性の高さを見れば、日本の株式市場だけが取り残されることはないのだろうという考えです。

09030910020090911

 今週の日経平均株価は2.5%の上昇、一方、ダウ平均株価は木曜日までで2.0%弱の上昇です。大底からの上昇率は日経平均の48%に対してダウ平均の47%。驚くべき連動性の高さです。

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今日は為替

 昨日は、円高をものともせず上げ続けた日経平均株価ですが、一段と円高が進んだことで、さすがに気になる様子です。対ユーロでは、円高の進行が一段落する動きを見せていますが、油断は禁物。

B2009091100000

A20090911_3

一方、上海市場は上昇。

B20090911

為替と上海の綱引きです。

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今日の日経平均株価は? 9月11日

 米国株式市場が高かったことや、SQということもあり、とりあえず高く寄り付くと思われますが、昨日大きく上昇した反動に加え、91円台に定着の兆しを見せる対ドル円レートの動きから、ザラバでは反落を想定しています。

 ダウ平均株価は80.26ドル、0.84%上昇しました。

20090910

 週間の新規失業保険申請件数が予想より少なかったことや、P&Gが10-12月期の売上予想を引き上げたことなどから、停滞気味に始まった市場はすぐに底堅さを見せはじめました。

Pg20090910

 10時半を過ぎると、原油価格の上昇から、シェブロンなどエネルギー株の上昇が市場を牽引したようです。

Cvx20090910

 そして、30年債の消化が順調に進み、ガイトナー財務長官の議会での強気の見通しなどもあり、株式市場のセンチメントは一段と好転しました。シティーの株価が午後になって回復したことに、このような展開が示唆されていると見ています。

C20090910

 好調な米国市場を反映して、CMEの日経平均先物(円ベース)は10,530円となっています。これが今日の日経平均株価の寄り付きの目安となりそうです。

 ただし、ザラバは要警戒と考えています。昨日は、予想を下回った機械受注、対ドル円高、上海市場の反落などの悪材料を全く無視するように大幅に上昇したため、その反動による下落が懸念されます。

 しかも、対ドル円レートは、円高が一段と進み、91円台が定着しそうな気配です。

A20090911

 今日は、4-6月期GDPの改定値、8月の消費動向調査、7月の特定サービス産業動態統計速報などが予定されています。

 昨日反落した上海市場の動きからも目が離せません。

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2009年9月10日 (木)

今日の株式市場を振り返る 9月10日

 今日に限った事ではありませんが、SQの前の予想は難しいとあらためて感じました。

 73円高で寄り付いた日経平均株価は、調整らしい調整も見せず上昇を続け、201.53円、1.95%の大幅高で終えました。引け値は10513.67円。

20090910_6

 寄り付き前に発表された7月の機械受注がコンセンサスを大きく下回り、ザラバでは対ドル円レートが一時91円台となり、さらに、いつもは神経質に反応する上海市場が反落したことなど、日経平均株価には悪材料となる要因が重なったにもかかわらず、それらを無視するように市場は上げ続けました。

B20090910

 今日の日経平均株価の上昇は、9月限先物の売り方による踏み上げが中心であって、悪材料を無視するほど投資家のセンチメントが突然に明るくなったということではなさそうです。

 上海市場が結局0.73%の反落で終わったことや、プラスで推移していたBLOBEXでのダウ(-15ドル)、ナスダック(-1.5ポイント)がともに下落に転じてきたことで、日経平均先物(12月限)の夕場は0.66%の下落となっています。

20090910_7

 今日の米国では、7月の貿易収支と週間の新規失業保険申請件数の発表が予定されています。サプライズは想定していませんが、予断は許しません。

 明日の日経平均株価は、今日の動きの反動から反落する可能性が高いと見ています。

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7月の米国出荷・在庫・受注統計を読む

 9月2日に米国商務省が発表した7月の出荷・在庫受注統計(3M)を用いて、景況感を見てみたいと思います。

 要点だけ、先にまとめておきます。

  • 景気の底打ちは鮮明だが、回復のペースが減速してきた。
  • 半導体・コンピュータなどハイテク分野の回復が著しい。
  • 乗用車の最悪期は越えたように見えるが、補助金の効果も勘案すれば、底打ちの鮮明さが今一つ。
  • 今後の回復は、在庫圧縮などのコスト削減より、出荷の回復が重要になってくる。

 米国の景気動向の局面は、日本と非常によく似ていると感じられます。

 それでは、全製造業の状況から。出荷金額の増減率(細い実線)から在庫金額の増減率(細い点線)を差し引いた指標(赤い太線)が在庫循環モメンタムです。

20090910_2

 7月の在庫循環モメンタムは上昇したのですが、前月から僅かな伸びにとどまりました。在庫削減は続いていますが、出荷の停滞が目立ちました。

 このように、全製造業の回復のペースはスローダウンしたのですが、個別に見ていくと、好調な動きを持続しているところもあります。

 目立つのはハイテク分野。コンピュータおよび関連機器の在庫循環モメンタムの上昇には衰えが見えません。とくに注目できるのは、出荷の回復が著しいこと。

20090910_3

 最近の株式市場を見ると、ナスダックの上昇が目立ちますが、その背景に、この指標があると見ています。

 乗用車および関連部品の在庫循環モメンタムも上昇基調にあります。ただし、出荷の回復感に乏しい感じです。新車買替え促進のための補助金の効果もあったことを考慮すれば、今一つ回復に力強さが感じられないことが気懸りです。

20090910_4

 全製造業の在庫循環モメンタムが示唆するとおり、在庫圧縮などのコスト削減努力が上昇の牽引力となってきました。しかし、いつまでもコスト削減に依存しているわけにはいきません。さらなる回復のためには出荷の持続的な好転が不可欠です。

 出荷、つまり出荷金額とは売上高ですから、今後の米国株式の銘柄選択に当たっては、コンセンサスを上回る増収率が期待できるものを探し出すのが重要ということになりそうです。

 参考までに、半導体の出荷の推移をみると、このようになっています。フィラデルフィア半導体指数の回復とナスダック市場の一段の上昇に期待できそうです。

20090910_5

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7月の機械受注統計

 7月の機械受注統計はコンセンサスを下回りました。

 船舶・電力を除く民需は前月比9.3%の減少。コンセンサスは3%の減少でした。

 6月に9.7%と大きく増加したあとの反動という面はあるにせよ、気になります。

 特に、製造業の受注が20.4%と大きく下落しています。

 対ドル円レートが円高に振れており、対外的な価格競争力が低下している局面ですから、今後の展開に注目する必要がありそうです。

 そして、最も気になることは、株式市場が機械受注の動向をほとんど無視したように見えることです。

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今日の日経平均株価は? 9月10日

 米国株式市場の上昇を受けて、今日の寄り付きは高そうです。ザラバでも堅調な展開を期待しています。

 ダウ平均株価は49.88ドル、0.53%高となりました。ハイテク銘柄の多いナスダックは1.11%上げています。

20090910

 ダウの寄り付きは安いところもあったのですが、すぐに上昇に転じ、11時半頃には80ドル近くまで上げ幅を拡げました。ところが、ベージュブック(地区連銀経済報告)が発表された2時から下落基調となり3時前には僅か5ドル高程度になってしまいました。そこから大引けにかけて持ち直したという展開です。

 ベージュブックでは、製造業や住宅に回復が見えると指摘しており、決して悪い内容には見えないのですが、小売の弱さを指摘した点が、市場の失望を誘ったのかもしれません、

 上昇したダウ平均を支えたのは、キャタピラーなどの製造業。ドル安によるコスト競争力や海外収益の改善が評価されたと見られます。株価は3.1%上昇しました。

Cat20090909_2 

 引けにかけての市場も戻りは、フィラフェルフィア半導体指数の上昇が示すように、ハイテク銘柄の上昇が貢献したようです。ヒューレットパッカードの株価にそれが示唆されています。

Hpq20090909

 今日の日経平均株価は、この米国市場を映したCMEの日経平均先物価格(円ベース)10,455円がメドとなりそうです。

 ザラバでも堅調な推移を期待していますが、注意すべき点も多く、CMEの価格を上回って寄り付いた場合は、上げ幅を縮小する可能性が高いと考えています。

 注意すべき点はいくつかあります:

  • 米国市場の上昇の理由の1つがドル安にあること。当然、日本にとっては円高という重石になる。
  • 上海市場の動きの頭が重くなりつつある。
  • 7月の機械受注、8月の企業物価指数の内容によっては、市場が振れる可能性がある。

以上が主なものです。対ドル円レートは落ち着いていますが、今後の動向に予断は許さないようです。

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2009年9月 9日 (水)

今日の株式市場を振り返る 9月9日

 為替と中国が主役でした。

 今日の日経平均株価は49円安で寄り付いた後、小幅な値動きでしたが、後場になって急落に転じ、2時前には144円まで下げ幅を拡大しました。その後は多少戻して、81.09円、0.78%安で大引けとなりました。

20090909

 前日のCMEでの日経平均先物(円ベース)が高かったにもかかわらず、安く寄り付いたのは、対ドル円レートが大きく円高に振れた影響が大きかったと見ています。

B20090909

 日経平均株価への下げの寄与度でみると、京セラ、キャノン、デンソー、トヨタ、ホンダなどが目立ち、円高の影響がうかがわれます。

 一方、国際石油開発帝石など、原油価格の上昇に連動する銘柄が上げています。

20090909_2

 原油や金価格の上昇は、表示通貨である米ドルが他通貨に対して安くなっていることの反映という側面が強いわけですから、やはり為替の影響と言えそうです。

 もう1つの主役である上海市場に一喜一憂する展開が今日も続きました。

 上海市場は高く始まったのですが、すぐに反落に転じ、後場には1時半ごろにかけて下げ幅を拡大しました。その後は大引けにかけて持ち直し、0.54%高で終えています。

20090909_3

 日経平均株価は上海市場に大きく揺れましたが、アジア市場はマチマチの動きです。上海の他、インドネシア、マレーシア、インドが僅かに上昇する一方で、香港、韓国、台湾、シンガポールが下げています。香港とシンガポールの下げ幅が日経平均を上回っています。

 GLOBEXではダウ(-5ドル)、ナスダック(-2ポイント)とも下げてはいるのですが、下げ幅は急速に縮小しています。

 今日はベージュブックと呼ばれる地区連銀経済報告の発表が午後2時にあるほかは、重要な経済指標はありません。

 というわけで、このまま米国株式市場が堅調な推移となれば、明日の日経平均株価に好影響があると見てはいるのですが、やはり頭の重さを感じさせる上海市場の動きが気になります。

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今日の日経平均株価は? 9月9日

 今日の日経平均株価の寄り付きは高そうです。ザラバも堅調な推移を期待しているのですが、いつものように中国(上海)市場の動向次第ということになりそうです。

 ダウ平均株価は56.07%、0.59%上昇しました。日中はモタつく局面も見られたのですが、2時すぎから大引けにかけて上げています。

20090908

 原油価格の上昇で、素材やエネルギー関連が堅調でした。エクソン・モービルが2%を越える上昇となりました。

Xom20090908

 ただし、原油や金などの商品市況の上昇は、ドル安の反映でもあるため、あまり楽観はできないかもしれません。ニューモント・マイニングが高く始まりながら、1.2%の下落で終えています。

Nem20090908

 それでも、2時以降のマーケットが上昇したのは、ザラバで低迷していた金融株が戻したためと見ています。JPモルガンの株価推移が、それを示唆しています。

Jpm20090908

 以上のようにみると、確かに米国は上昇したのですが、どうも強いという印象がありません。休日中のアジア株の上昇を反映した部分がほとんどであったのではという感じです。

 CMEでの日経平均先物(円ベース)が10.415円でしたから、それが今日の日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうです。

 ザラバでの展開を見る上では、昨日、対ドル円レートが大きく円高方向に振れたことがの影響が多少気になります。

A20090909

 ただ、いつものように、結局は中国(上海)市場の動向次第ということなのでしょう。

320090909

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2009年9月 8日 (火)

今日の株式市場を振り返る 9月8日

 今日はザラバで上げ幅が縮小すると見ていたのですが、逆に拡大しました。

 原因は上海市場の動きであったと見ています。前日引け値を下回って始まった上海市場ですが、11時前にはプラス圏に浮上すると、後場は着実に上昇を続け、1.71%の上昇で終えました。特別な理由があったというよりは、8月の大幅な下落の反動と、8月の経済指標に対する期待感が上昇を支えたようです。

20090908_2

 32円高で寄り付いた日経平均株価は、2時過ぎまでは、60円程度の狭い値幅の中を上下していました。上海市場が安く始まったことが確認された前場の引け直前には一時20円安をつけています。

20090908_3

 ところが、後場になって、上海がプラスに転ずると息を吹き返し、午後2時過ぎには、上海の着実な上昇とともに、上げ幅が急拡大しました。72.29円、0.7%の上昇での大引けとなりました。

 昨日は、先週金曜日の米国株式市場に連動し、今日は上海市場の動きに振り回された展開でした。

 国内独自の動きとして、地球環境問題に関連する材料株の値動きの良さに注目できるのですが、株式市場全体か海外要因に大きく振り回される局面では、どうも影が薄いような印象があります。

 上海市場の上昇を受けてアジアの株式市場は揃って上げています。上海の他、香港、台湾、インドネシアが、日経平均株価の上昇率を上回りました。香港の後場動きを見ると、上海の影響の大きさを物語っています。

20090908_4

 GLOBEXではダウ(+86ドル)、ナスダック(+16.25)とも大きく上げています。今日は7月の消費者信用残高を除いて重要な指標の発表は予定されていません。

 したがって、今日の米国株式市場は堅調に推移しそうなのですが、一つ気をつけておかなければならないことがあるようです。為替です。

 対ドル円レートが急速に円高に振れているのです。ユーロに対してもドルが売られていますので、ドル安と言ったほうが適切です。欧州での強い経済指標が引き金となったらしいのですが、急速なドル安が米国の株式市場にとって必ずしもプラスとは限らないことを念頭に置いておいたほうが良さそうです。

B20090908

 もちろん、急速が円高が日本の株式市場にネガティブであることは言うまでもありません。

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キユーピー(2809) PARTⅡ : 春 研一

キユーピーはマヨネーズやドレッシングが主力ですが、タマゴ事業やカット野菜といったユニークな成長事業を抱えています。その中でもカット野菜のビジネスは将来性が期待されます。

現在日本のカット野菜市場は400億円ほどですが、近い将来1,000億円程度の市場となることが見込まれています。その中で同社はトップシェアで、100億円ほどの売上高となっていて、毎年二桁成長しています。皆さんもスーパーの野菜売り場でで「サラダクラブ」というブランドを見たことがあると思いますが、あれが同社の製品です。

このように、大型食品株の中では数少ない着実な成長性が期待される企業です。その意味で、中期的な株価の上昇が考えられます。

ただし、短期的に株価は大豆価格の影響を大きく受けます。これは、特にマヨネーズのコストに占める大豆油(正確には菜種油のほうが使用量は多いのですが、菜種油の価格は大豆油にほぼ連動します)のウエイトが高いため、大豆価格が上がると株価は下がり、大豆価格が下がると株価は上がります。これは、絶対的な関係ではないのですが、当てはまることが多いものです。特にここ2年ほどは逆相関性が高くなっています。

大豆価格は20069月の5.4ドルが20087月には15.1ドルまで上昇しました。その間の株価は、2007年の半ばまでは特に影響は受けませんでしたが、その後下がり続け、大豆価格が天井を付けた20087月には900円台前半まで下がりました。その後大豆価格の下落から、リーマンショックもものともせず、今年の1月には1,234円まで上昇しました。しかし、大豆価格が20091月から再び上昇を始めると、今度は相場上昇にもかかわらず、株価は低迷しています。

一方、大豆価格は去年の12月を底に反転しましたが、今年の6月に天井を付け、再び低下しています。しかし、株価は底ばっていますので、そろそろまた注目されるのではないでしょうか。

20090908

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今日の日経平均株価は? 9月8日

 今日の日経平均株価は、高めに寄り付いた後、ザラバで上げ幅を縮小する展開を想定しています。

 寄り付きは、CMEの日経平均先物(円ベース)が10,380円となっており、それを多少下回るとしても、前日終値は上回ると見ています。

 ザラバで上げ幅を縮小することを想定する理由は3つ。

 ひとつは、今日発表される経済指標に、株式市場を牽引しそうなものが見当たらないことです。7月の国際収支、8月の景気ウオッチャー調査とマネーストック統計、9月の月例経済報告などの他、8月の企業倒産件数の発表が予定されています。

 二つ目は、対ドル円レートです。比較的に安定した動きとなりそうなのですが、昨日に比べて僅かに円高方向での推移となりそうです。

A20090908

 三つ目は、中国(上海)市場の動向です。政府の政策的後押しにもかかわらず、昨日後場に見せた調整の動きが気になります。大手銀行の業績悪化が、今日も重石になる可能性があります。

 以上が、今日のザラバで上げ幅を縮小すると考える理由です。

 もし、上海市場とGLOBEXでの米国株が大幅に上昇するようなことがあれば、ザラバの上げ幅が拡大することもあり得るかもしれませんが、現時点では、その可能性を考慮していません。

 いずれにしても、海外要因に大きく影響される展開が続きます。市場を牽引する強力な国内要因が見えないのが気になります。

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2009年9月 7日 (月)

今日の株式市場を振り返る 9月7日

 今日の日経平均株価は、上昇したのですが、迫力のない展開でした。

 101円高で寄り付いた後、52円という狭い値幅を上下して、133.83円、1.31%の上昇で大引けとなりました。終値は10,320.94円。先週末のCME日経平均先物(円ベース)が10,355円でしたから、日経平均が上昇した理由の大部分が米国の株高による影響であったと言えるかもしれません。

20090907

 もう1つの注目点である上海の株式市場は、1時過ぎまでは順調に上昇していたのですが、その後急速に調整して、2時半頃には瞬間的に前日の終値を下回りました。結局0.68%の上昇で終えています。

20090907_2

 中国政府の政策的なバックアップがありながら、後場に大きく調整したことに不安を感じる展開でした。

 そのせいか、上海市場の動きが日経平均株価に及ぼした影響が限定的であったように見えます。

 3つ目のポイントである対ドル円レートは、多少円安方向に振れており、株式市場の上昇を支えたようです。特に、大引け前に比較的に大きく円安方向に動いたことか注目されます。

B20090907

 アジア市場は、上海が上昇したこともあって、韓国を除いて上げています。インド、香港の上昇率が日本を上回っています。

 米国市場は休場です。GLOBEXは上昇していますが、一方で「9月はメルトダウンの月」(CNN)として警戒する声も強いようで、今後の展開は予断を許さないようです。

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今日の日経平均株価は? 9月7日

 今日の日経平均株価の寄り付きは高そうです。先週のCMEでの日経平均先物価格(円ベース)10,335円がメドとなりそうです。

 ただし、ザラバでは小幅な値動きを想定していますので、寄り付き価格次第で、柔軟に対応したい考えています。

 寄り付きがCMEの先物価格を大きく上回るようであれば、ザラバでの調整もありうると見ています。

 小幅な値動きを想定する理由は、プラス要因とマイナス要因が錯綜するためです。

 プラス要因としては、米国株式市場が先週末高かったことに加えて、月曜日がレイバーデーで休日であることが挙げられます。

 また、ハイテク指数であるフィラデルフィア半導体指数が2.7%と大きく上昇したこともプラス要因になりそうです。

 対ドル円レートは週末には円安方向に振れていることも株式市場とって、とりあえずプラス要因となりそうですが、今後の動向は予断を許しません。

A20090905

 中国(上海)市場の動向も、政府の政策的な後押しもあって、堅調な動きが期待できそうですが、為替同様、今後の展開は予断を許さないと考えています。

320090907

 そして、何よりも、SQを前にした不安定な動きや、株式市場のセンチメントの基調が弱くなっていることが気懸りです。

 というわけで、寄り付きがあまりに楽観的であれば、要注意というのが基本的な姿勢です。

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2009年9月 6日 (日)

出荷在庫バランスで7月の鉱工業生産動向を読む

 先週の日経平均株価は3.3%の下落となりました。この下落の背景を探ってみようと思います。

 月曜日(8月31日)に経済産業省が発表した7月の鉱工業生産動向に焦点を当てます。

 その概要はすでに「7月の鉱工業生産動向をどう見る」(8月31日)でお伝えしたとおりです。

 そして、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」への私の投稿記事「注意報発令(その1)」で多少詳細に検討しましたので、是非ご参照いただければと存じます。明日(9月7日)の午前7時に配信の予定です。

 そこで、ここでは、出荷在庫バランスという指標で鉱工業生産動向を見てみたいと思います。

 出荷在庫バランス(赤い太線)は、出荷数量の増減率(黒い実線)から在庫数量(黒い点線)の増減率を差し引いたものです。ちなみに、価格も考慮した金額ベースの指標が在庫循環モメンタムです。

 まず鉱工業全体の出荷在庫バランスから。

720090831

 09年2月の-35.0を底に、7月は-11.6まで回復してきました。
気になるのは、6月の-12.3から僅かな回復にとどまったこと。
明らかに回復の勢いが鈍りました。出荷の回復が停滞すると同時に、在庫の減少ペースが鈍ってきています。

 次に、乗用車を含む耐久消費財。

090907

 出荷在庫バランスは前月から横ばいとなりました。出荷の回復が頭打ちです。

 食品、衣料品などの耐久消費財は、狭い範囲をジグザグを描きながらも、比較的に安定した動きが特徴です。それにしても、7月の出荷の基調の弱さが気になります。

090907_2

 対照的に、設備投資関連の資本財に底打ちの兆しが見えてきたことは注目できそうです。機械メーカーなどの最悪期はようやく峠を越え、先行きに光が見えてきました。投資対象としては、非常に妙味のあるところです。

20090907

 ただ、輸送用機器を除く資本財でみると、底打ちの兆しは弱いので注意を要します。ということは、自動車関連の設備投資関連が注目できそうだということです。

20090907_2

 建設材の出荷在庫バランスは頭打ちが鮮明です。出荷の基調が弱いのが気になります。

20090907_3

 最後に、電子部品や化学製品といった中間材料が中心の生産財。基調は比較的に良いのですが、7月には減速感が出ていますので、注意する必要があります。

20090907_4

 以上の動きをまとめると、資本財以外の分野では頭打ちの傾向が強まっているということです。在庫圧縮などのコスト削減策が一巡の気配を見せていますから、今後は出荷の回復が加速しなければ、出荷在庫バランスの上昇が止まることになります。

 出荷在庫バランスの動きは株式市場の動きと連動しますから、今後の展開には十分な警戒が必要だろうと思います。

 どうも、株式市場の10月に向けての動きが気になります。先日の記事「10月には魔物がすむ」もご参照いただけたらと存じます。

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2009年9月 5日 (土)

キユーピー(2809)

かかしさんが見るように、年末にかけて市場が調整してくれると、食品株のようなディフェンシブ株にとっては好都合なのですが、どうなることでしょうか。

現在の市場を見ると、食品株の中では年初来の高値圏にある銘柄(伊藤園、アサヒビール、ヤクルトなど)がある一方、安値圏、もしくはほとんど動いてない銘柄(キユーピー、森永製菓、日本ハムなど)もある。

これは、必ずしも業績の方向性と関係があるわけではない。もともと食品株は、業績の変化率よりもバリュエーションやヒストリカルな株価水準や需給がより株価に影響する業種です。

ただし、業績が全く関係ないわけではなく、バリュエーションが低く、しばらく株価が動いてなくて、利益が好調なほうがいいという感じです。

さて、そのような中から今回はキユーピーを取り上げます。地味な食品株の中でもとりわけ地味なイメージの会社です。ただし、イメージ的になぜかいいカゴメやキッコーマンよりよほど成長性や収益性が高い会社です。

主原料の大豆が去年前半まで、過去にないほど上昇して、業績は厳しい状況にありました。その大豆価格が下がっていますので、業績が良くなることはある程度知られています。

しかし、大豆価格の下落を好感して、今年の年初までの株価の動きが食品株の中でも強かったため、その後半年以上にわたって株価は低迷しています。

食品株は同セクター内で循環物色が行われやすいことも特徴のひとつです。今月末に発表される第3四半期決算も好業績が見込まれることから、12ヵ月持つつもりで投資するのもひとつの手かと思われます。

キユーピーという会社は、マヨネーズやドレッシングの会社としてよく知られていますが、そのほかにいくつも今後成長が期待できる製品を抱えています。それについては、次回に詳しくお話させていただきたいと思います。

なお、本欄でも取り上げた伊藤園が先週第1四半期決算を発表していました。冷夏もあって決算には注意が必要と見ていましたが、どうということはなく、経常利益は63%増でした。

食品企業の場合、四半期ごとの数字が今の実態を必ずしも表しているわけではなく、広告費を抑えたりすると、急に増益になります。ただし、食品業界全般にコストが低下気味に推移していて、値引きを少なくしていますので、出てくる業績は良いものが多くなっています

伊藤園の場合は業績発表までに株価が大きく上昇していたために、株価はそれほど反応しませんでした。一応、リスクと考えていた決算発表が終わりましたので、この蘭でお話しした配当利回り5%の伊藤園の優先株(25935)は、引き続き注目していいと思います。業績好調で減配リスクが小さい高配当利回り株という位置付けです。

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米国株式市場を振り返る 9月4日

注目された8月の雇用統計が予想されたほど悪くなかったことから、米国株式市場が上昇しました。

 8月の非農業部門雇用者数の減少は21万6千人にとどまり、7月の27万6千人から減少幅が縮小しました。コンセンサスであった23万人も大きく下回りました。

 ただし、失業率が9.7%と26年ぶりの高さに達し、事前予想の9.5%を上回ったことから、ダウ平均株価の午前中の動きがモタつき気味であったと思います。

20090904

 ところが、12時前になると、急速に上げ足が速まりました。雇用者数の減少幅縮小が評価されたことに加えて、原油価格が上昇に転じた影響が大きいと見ています。エクソンモービルの株価がそれを示唆しています。

Xom20090904

 金融セクターも堅調に推移しました。アメリカンエクスプレスの株価が1.2%弱上昇しました。

Axp20090904

 米国はメモリアルデーを含めた3連休に入ります。対ドル円レートは円安気味に落ち着いた動きです。

A20090905

 したがって、月曜日の日経平均株価は堅調な展開が予想されます。もちろん、上海市場の動きから目を離せませんが。

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2009年9月 4日 (金)

今日の株式市場を振り返る 9月4日

 今日の日経平均株価は小動きに終始しました。円高で金縛りにあったように固まった感じです。

 41円高で寄り付いた日経平均株価は、すぐに失速して、後場開始直後には一時71円安を付けましたが、引けにかけて僅かに戻し、27.53円、0.27%の下げで終了しました。

20090904

 後場に一時下げ幅を拡大したのは、中国(上海)市場の動きに反応したものと見られます。その後戻したのは、GLOBEXでダウ、ナスダックが上昇基調で推移した影響が大きかったようです。

 いずれにしても、円高が市場心理を冷やしたようで、日経平均株価は停滞気味に鈍い値動きでした。

B20090904

 上海市場は、ザラバで上下に振れましたが、基調は堅調で、0.58%上昇しました。

20090904_2

 その上海の動きを背景に、アジア市場全体も堅調でした。香港市場が3%強上げています。下げたのは、日本と韓国のみでした。

 GLOBEXでは、ダウ(+34ドル)、ナスダック(+7.5ポイント)ともに上げています。堅調な推移です。

 ただし、今日は8月の雇用統計の発表が予定されていますから、予断は許しません。非農業部門雇用者数が22万5千人減と、前月の24万7千人から減少幅が縮小するというのがコンセンサスです。失業率の事前予想は9.5%。前月の9.4%から僅かに上昇する見通しです。

 とりあえず、今日は米国の雇用統計に集中といったところです。

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今日の日経平均株価は? 9月4日

 米国株式市場の上昇を受けて、今日の日経平均株価は高く寄り付きそうです。ザラバも堅調な展開を想定しています。

 ただし、円相場、上海市場、そして雇用統計を控えるGLOBEXでの米国株の動きから目を離せず、落ち着かない一日になりそうです。

 ダウ平均株価は63.94ドル、0.69%高となりました。

20090903

 経済指標はあまり元気づけられるものではなかったようです。週間の新規失業保険申請件数は先週より多少減ったのですが、コンセンサスを上回りました。8月のISM非製造業景況感指数も48.4と、事前予想の48.0を僅かに上回っただけで、株式市場はがっかりしたように見えました。

 それでも株式市場が上昇したのは、金価格などが大きく上昇したことが大きいと見ています。ニューモントマイニングが4.5%上昇しています。(ただし、引け後の時間外取引では反落しました。)

Nem20090903

 加えて、小売業界の既存店売上高が予想ほど悪くなかったことも、市場の支えになったようです。ギャップの株価が7%以上上昇しました。

Gps20090903

 ダウ平均株価の大引け前の上昇を牽引したのは金融株です。アメリカンエクスプレスの株価の動きがそれを示唆しています。

Axp20090903

 以上のような米国の動きを受けて、CMEの日経平均先物(円ベース)は10,240円となっています。それが、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうです。

 対ドル円レートは、とりあえず円安方向に動いていますが、予断は許しません。

A20090904

 繰り返しになりますが、ザラバは円相場、上海市場、雇用統計を控える米国市場のGLOBEXの動きに細心の注意を払う必要がありそうです。

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2009年9月 3日 (木)

今日の株式市場を振り返る 9月3日

 いつもとは様子が違う一日でした。

 軟調であった米国株式市場を映して、40円安で寄り付いた日経平均株価は、9時半過ぎには95円まで下げ幅を拡大しました、そこから持ち直して、後場開始直後には10円高となりましたが、再び売り込まれて、65.82円、0,32%安で終了しました。

20090903

 寄り付き直後の下げは、一時91円台をつけた対ドル円レートの影響が大きかったようです。そこからの戻りは、多少円安方向に振れたことと、中国(上海)株の上昇によるものと思われます。

20090903_2

 ところが、その後急速に調整色を強めました。上海市場の上昇が続き、GLOBEXでのダウやナスダックが堅調であるにも関わらず、下げ続けました。

 いつもは、上海市場やGLOBEXの動向に敏感に反応するのですが、さすがに今日は円高ショックが大きかったようです。

B20090903_4

 円安メリットセクターの代表格である自動車株の下げが目立ちました。ホンダの株価の動きが、円高ショックを物語ります。

20090903_3

 一方、為替の影響が少ない内需系には堅調なものが見られました。5%を越える上昇を見せたJフロント リテイリングの動きが象徴的です。

J20090903

 米国の製薬会社買収で、大日本住友製薬の株価に期待したのですが、スタート直後こそ8%高でしたが、残念ながら、ザラバで上げ幅を縮め、結局1.2%の上昇にとどまりました。

20090903_4

 アジア市場は、上海株の上昇もあって、堅調でした。香港、シンガポール、インドネシアの上昇が目立ちましたが、最も目立ったのは、ポツンと取り残されたように下落した日本市場です。

 GLOBEXでは、ダウ(+34ドル)、ナスダック(+6.5ポイント)とも上げています。上げ幅は僅かですが拡大しています。

 今日は、週間の新規失業保険申請件数と8月のISM非製造業景況指数の発表が予定されています。

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今日の日経平均株価は? 9月3日

 今日の日経平均株価は、安く寄り付いた後、ザラバは小動きを想定しています。

 寄り付きは、CMEの日経平均先物価格(円ベース)10,245円をメドとしています。

 ダウ平均株価は、日中は比較的に堅調だったのですが、大引け前に下げ、29.93ドル、0.32%安で終えています。

20090902

 ADP社による全国雇用者数は29万8千人の減少と、コンセンサスであった25万人は上回ったのですが、7月の36万人から大きく低下しました。チャレンジャー・グレー・クリスマス社による雇用削減数も前月を21%下回っています。

 したがって、雇用関係の指標はまずまずだったのですが、7月の製造業受注が1.3%の増加にとどまり、事前予想の2.2%より低いものでした。

 4-6月の非農業部門労働生産性は6.6%の増加と、コンセンサスの6.4%を上回りましたが、確定値ということで、影響は限定的だったようです。

 結局のところ、経済指標がマーケットに大きく影響したようには見えません。

 むしろ、資金注入分の返済を表明したウェルズファーゴが、ザラバで堅調に推移しながら、引けにかけて値を消して、0.46%の下落に終わったのが、市場全体の動きを示唆しているように思います。

Wfc20090902

 今日の国内は、対内および対外証券売買に関する指標の他には重要なものは予定されていません。

 大日本住友製薬が米製薬会社を買収する報道が株式市場にプラスの影響を与える可能性がありますが、対ドル円レートが円高に振れていることが重石になりそうです。

A20090903

 いつものように、昼には中国(上海)市場の動きに影響されますし、後場にはGLOBEXでのダウ、ナスダックの動きが気になってきます。

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2009年9月 2日 (水)

今日の株式市場を振り返る 9月2日

 今日も、米国と中国に振り回された一日でした。

 ダウ平均株価が185.68ドルと大きく下落したことを受けて、151円安で寄り付いた日経平均株価は、上海市場が小安く始まったことを確認した10時半過ぎには、下げ幅を314円まで拡大しました。

20090902

 その後、上海市場が上昇に転じたのですが、基調は弱く、日経平均株価も僅かに持ち直す兆しを見せたものの、結局249.60円、2.37%の大幅下落で大引けとなりました。

 東証33業種すべてが値下がりしています。

 下げ幅が最も小さかったのは、代表的なディフェンシブ・セクターの電力・ガス。

 一方、軟調な資源価格で鉱業の下落率が最も大幅でした。米国市場でAIGをはじめ金融セクターが大きく下げた影響から、保険や銀行の低迷も目立ちました。

 アジア市場はマチマチの動きです。上海、台湾、マレーシアは上げています。下げている市場も、下げ幅は限定的で、日経平均株価の下落率の大きさが突出している印象です。

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 CMEではダウ(-25ドル)、ナスダック(-5.50)とも下げています。下げ幅を次第に拡大しています。

 今日は、8月のADP社による全国雇用者数、4-6月期の労働生産性統計の改定値、7月の製造業受注指数、そして、8月のFOMC議事録の公表などが予定されています。

 また、チャレンジャー社による人員削減統計も注目したいところです。

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今日の日経平均株価は? 9月2日

 今日は、低く寄り付いた後、ザラバも軟調な展開となりそうです。

 寄り付きはCMEの日経平均先物(円ベース)の10,300円をメドとしています。ザラバの展開は、寄り付きの水準次第で多少変わるのですが、基調は弱そうです。

 昼前からは中国(上海)の動向、後場後半にはCMEでの米国市場の動きに振り回されることになりそうです。

 米国では、8月のISM製造業景況感指数が52.9と、コンセンサスの50.5を大きく上回りました。加えて、7月の中古住宅販売保留(契約済みで引渡前)件数が、事前予想の1.5%増加に対して、3.2%と好調な伸びを見せました。

 ところが、ダウ平均株価は開け直後一時的に堅調な動きを見せたのですが、10時半頃から急速に調整色を強めました。結局、反騰の兆しを見せることもなく、185.68ドル、1.96%の大幅下落で終えています。

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 特定の要因が下げのきっかけとなったというより、全体的な基調が一斉に弱まったようで、不気味です。9月は、年間を通じて最もパフォーマンスが悪い月であることを統計が示していますが、それを市場参加者は皆意識していたような感じを受けます。

 原油をはじめ国際商品市況の下落から、資源エネルギー関連銘柄が低迷しました。エクソンモービルの株価を見ると、市場全体の下げにかなり影響を与えたように見えます。

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 株式市場のセンチメントの弱さを映して、金融セクターが低迷しました。新CEOへの評価が高く、株価が上昇していたAIGが21%弱の大幅下落となり、引け後の時間外では、さらに1.7%下落しています。

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 今日の国内は、8月のマネタリーベースを除いて、重要な経済指標の発表は予定されていません。決算は伊藤園が出てきます。

 株式市場を大きく動かす国内要因が見当たりませんから、今日も上海市場や、CMEでの米国株式市場の動向に振り回される展開が続きそうです。対ドル円レートも92円台に入っており、相場の重石になる可能性が高いと見られます。

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2009年9月 1日 (火)

今日の株式市場を振り返る 9月1日

 39円安で寄り付いた日経平均株価は、1時間ほど停滞した後、上昇に転じ、後場に入って84円まで上げ幅を広げたのですが、1時過ぎには再び停滞感が強まり、37.53円、0.36%高で終了しました。

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 開け後の停滞は、米国市場の調整を反映したもの思われます、その後の上昇は、前日に急落した中国(上海)市場の反動に対する期待が大きかったように感じられます。いずれにしても、海外要因に振り回される相場展開です。

 上海市場は、製造業PMIが前月に比べ上昇したこともあって、ザラバで堅調な動きを見せたのですが、結局息切れして、0.6%と僅かな上昇に終わりました。前日に6%を上回る急落を見せた後の反騰としては、非常に微弱で、今後の推移が気懸りです。

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 アジア市場はマチマチな動きです。インドネシア、シンガポール、インドを除いて上昇しています。台湾、韓国の上昇が比較的に目立ちますが、全体的には上げ幅は僅かです。基調が強いというより、上海が下げ止まってほっとしたという感じです。

 GLOBEXではダウ(-38ドル)、ナスダック(-4ポイント)とも下げていますが、下げ幅は両者とも縮小しています。

 今日は、8月のISM製造業景況感指数、、7月中古住宅販売(契約済で引渡前の物件数)と建設支出、そして8月の新車販売と注目の指標が出てきます。

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アリアケジャパン(2815) PARTⅡ

アリアケジャパンはかつて売上高営業利益率25%というとんでもなく高い収益性を誇っていた調味料メーカーです。

その秘密は製造方法の自動化に成功し、極めてローコストでベースのエキスを抽出できることです。そのため、2000年までは長期間にわたって年率二桁の売上高、利益成長を遂げました。

しかし、国内の成熟化により、2000年代は低成長に甘んじていました。2000年前後に、この技術を持ってヨーロッパに進出することに決めたのですが、ようやく20086月にフランスとベルギーで工場が稼動しました。いよいよ今年度の第2四半期辺りから業績面でその効果が見られそうです。

基本的にヨーロッパで行うビジネスも日本で行っているものと同じです。まずは、加工食品メーカーに原料として調味料を供給します。大手メーカーとの話も順調に進んでいるようで、本格的には今年度の終わり頃から、急速な売上高の拡大が見込まれます。

ヨーロッパの投資家と話をしていると、彼らはスーパーのデリカや加工食品はあまり買わないと言います。それは、まずいからです。特に日本人の主婦で海外に住んでいる方は、口々に日本の加工食品はおいしいと言います。

私はこの理由を海外にはアリアケジャパンがないためだと考えています。

アリアケジャパンの秘密はコストもさることながら、とにかくおいしい味をリーゾナブルな価格で供給できることです。

アリアケジャパンの味にまつわるエピソードとしてしばしば取り上げられるのが、1995年に起こったカレー戦争です。当時、業界3位にあった江崎グリコが、同社の調味料を用いて熟カレーという名称の新製品を発売したことに始まります。この熟カレーは一晩寝かせた味をコンセプトに、19953月に発売され、発売初年度で60億円を売り上げる大ヒット商品となりました。

熟カレー発売以前のグリコのシェアは3%程度であったのですが、熟カレーのヒットによって1997年にそのシェアは13-14%まで急上昇するのです。これは成熟した食品市場にあっては、驚くべきことでした。その結果、1位のハウス食品、2位のヱスビーも奪い合うようにして、同社の調味料を採用するようになりました。

 もちろん、味自体はそれぞれオーダーメイドですから、会社ごとに異なります。しかし、食品企業にとって一番の要とも言える味を同社が握っていることになります。まさに、小粒でもぴりりと辛い代表のような会社と言えるでしょう。

私は1990年代に日本で起こったことと同じことが、ヨーロッパでも起こると考えています。短期的にリターンが取れそうな局面に入ってきたことも確かですが、同社の成長に賭け、長期的に大きなリターンを狙ってみてはいかがでしょうか。

    

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FX野村ブログへの投稿記事から

 FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」 http://fxshonan1.cocolog-nifty.com/kawasedangi/ に昨日投稿した記事「微速前進(その2):かかし」の主要部分を、ご参考までに掲載いたします。私の基本的な視点を要約したもので、お役に立てれば幸いです。

以下は引用です。

微速前進(その2):かかし

先週の日経平均株価は2.89%上昇しました。その前の週が3.39%落ち込んだのですが、かなり取り戻しました。そのため、3月の大底からの上昇率は49%と再び5割に接近しています。

一方、先週のダウ平均株価も上昇したのですが、上昇率は0.1%にとどまり、3月の大底からの上昇率は46%弱となっています。

日米の株価の動きに乖離が見えるのですが、これからどうなるのか?

結論から言うと、怪しい雲行きです。日経平均株価は、あとしばらくは比較的に堅調でしょうが、年末にかけて、ブレーキを踏む局面が予想されます。

といっても、すでに大底から5割上げており、勝負所は過ぎているわけですから、これまでのような順調な上昇が、そのまま続くと期待するほうが欲張りすぎと言えるかも知れません。

ごく大雑把な理由は、米国の株式市場に頭打ち感が強まり、それに日本の株式市場が連動するということです。この論点は、これから多少時間をかけてお話することにして、今日は国内要因に焦点を当ててみたいと思います。

景気動向を示す指標である鉱工業の在庫循環モメンタムが株価と連動することは、これまでの何度か申し上げました。在庫循環モメンタムは出荷金額の変化率から在庫金額の変化率を差し引いたものです。

そこで、今後の鉱工業在庫循環モメンタムの動向を、わかる範囲で、予想して見たいと思います。指標の構成要素をチェックしていくわけです。

出荷数量:減少幅の縮小が続いています。ただし、今後の動きは多少複雑になります。8月は減少幅の縮小が続きそうですが、9月は拡大しそうです。前年9月の出荷が高水準であったため、前年同期比の減少幅が拡大する可能性が高いのです。10月には再び減少幅縮小が予想されます。前年10月の出荷の落ち込みが厳しかったためです。そうなると、9月の数字が発表される10月末は要注意です。

      

出荷価格:去年は8月まで価格上昇が続いていました。その後9月から下降を始め、10月以降は急落しています。したがって、今年の出荷価格の下落幅縮小は今後も続きそうです。8月までの縮小幅はわずかですが、9月までの縮小幅は限定的ですが、10月以降は目に見えて縮小が進みそうです。

在庫数量:自動車や鉄鋼の減産緩和の動きに示されるように、在庫圧縮の努力が弱まりつつあります。7月から9月にかけて在庫の減少幅が縮小しそうです。10月以降も、前年の在庫が急減していることもあって、減少幅の縮小が続く可能性が高いと見ています。

在庫価格:前年は10月以降に在庫価格が急落しました。国際商品市況が示すように、原燃料価格が急落したためです。今年は8月あたりまでは在庫価格の低下が続きそうなのですが、すでに原燃料価格回復の影響が見え始めており、9月以降の低下幅は大きく縮小しそうです。

以上、鉱工業在庫循環モメンタムの構成要素を組み合わせると、次のような展開が浮かび上がります。

     

(1)  出荷金額の減少幅縮小は8月までは続くが、9月に一時的に急拡大する。その後は再び縮小基調に。(プラス要因)

(2)  在庫金額の減少幅も8月までは続くが、9月以降は縮小基調が鮮明になる。(マイナス要因)

(3)  この結果、鉱工業の在庫循環モメンタムは8月までは上昇基調を維持するが、9月に大きく落ち込む。そして年末にかけて徐々に上昇する。

 この動きと株価の連動性が高いわけですから、株価の動きは次のようになりそうです。

     

(1)  8月の鉱工業生産動向が発表される9月末までは、日経平均株価は頭が重くなりつつも、堅調に推移する可能性が高い。

(2)  9月の鉱工業生産が発表される10月末は要注意。したがって、10月に入ると、つまり9月の鉱工業生産動向が市場に織り込まれ次第、株価は軟調な展開となることが予想されるため、シートベルトとブレーキを踏む態勢が欠かせないようです。

(3)  ただし、10月から11月にかけて、株価の調整が進めば、2010年春にかけての上昇に備えて、再びブレーキからアクセルに切り替える必要がありそうです。シートベルは忘れずに!

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今日の日経平均株価は? 9月1日

 今日の日経平均株価は、低く寄り付いた後、ザラバでも軟調な展開を想定しています。

 寄り付きは、CMEの日経平均先物価格(円ベース)の10,460円を多少下回るかも知れません。

 ザラバの動きを大きく左右する国内要因は見当たらないのですが、やはり中国(上海)市場の動向が懸念されるため、警戒態勢で臨まざるを得ません。

 ダウ平均株価は、マーケット開始直後に108ドルまで下げ幅を拡大しました。その後も軟調な展開が続いたのですが、大引け前に多少戻して、47.92ドル、0.5%安で終えました。

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 8月のシカゴ購買部協会景気指数はコンセンサスを上回ったのですが、中国(上海株)の6.7%に達する下げと、それを反映した国際商品市況の調整の影響が株式市場を覆いました。

 今日の国内では、8月の国内新車販売台数の他、積水ハウス、ピジョンなどの決算発表が予定されていますが、株式市場に対する影響は限定的と見ています。

 最大の注目は中国(上海)株価の動きになりそうです。

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