米国の8月耐久財受注について
先週金曜日の米国株式市場では、8月の耐久財受注発表と同時に一気に調整感が強まりました。
季節調整済み前月比で0.4%の増加と見ていたコンセンサスに対して、2.4%の下落となったことが、大きなショックだったようです。
ところで、なぜ耐久財受注の動向に株式市場が大きく揺れるのでしょうか?それを考えてみたいと思います。
耐久財受注とは、それ自身で完結している統計というわけではありません。「製造業出荷・在庫・受注統計」、別名3M(スリーエム)と呼ばれるものの一部を、速報値として商務省が公表しているものなのです。
言うまでもないことですが、受注が時間の経過とともに出荷、つまり売上に姿を変えていきます。したがって売上の先行指標として新規受注の動向は極めて重要です。
とりわけ、現在は、在庫圧縮などのコスト削減による業績回復余地が限界近くに達していて、今後の経済全体の回復や株式市場の上昇にとって、出荷の増加が不可欠であるという認識が高まっている状況では、耐久財受注に一段と注目が集まっているのだと考えています。
そこで8月の耐久財受注の動向を見ると、このようになっています。
7月には回復を鮮明にしていた多くの分野が、再び悪化に転じています。
自動車を含む輸送用機器の新規受注が反落したのが目立ちます。民間向け資本財の下落も気になります。
半導体に関して商務省は受注動向を公表していませんが、出荷の数字は出しています。やはり大きく減退しています。
ということですから、先週金曜日に耐久財受注の発表後、株式市場が反落したのはやむを得ないと考えています。
この点に関して、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」に、月曜日午前7時の配信予定で「注意報発令(その4):かかし」という記事を書きました。多少詳細に検討してありますので、もしお時間があれば、ご参照いただけるとありがたいと存じます。
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