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2009年9月10日 (木)

7月の米国出荷・在庫・受注統計を読む

 9月2日に米国商務省が発表した7月の出荷・在庫受注統計(3M)を用いて、景況感を見てみたいと思います。

 要点だけ、先にまとめておきます。

  • 景気の底打ちは鮮明だが、回復のペースが減速してきた。
  • 半導体・コンピュータなどハイテク分野の回復が著しい。
  • 乗用車の最悪期は越えたように見えるが、補助金の効果も勘案すれば、底打ちの鮮明さが今一つ。
  • 今後の回復は、在庫圧縮などのコスト削減より、出荷の回復が重要になってくる。

 米国の景気動向の局面は、日本と非常によく似ていると感じられます。

 それでは、全製造業の状況から。出荷金額の増減率(細い実線)から在庫金額の増減率(細い点線)を差し引いた指標(赤い太線)が在庫循環モメンタムです。

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 7月の在庫循環モメンタムは上昇したのですが、前月から僅かな伸びにとどまりました。在庫削減は続いていますが、出荷の停滞が目立ちました。

 このように、全製造業の回復のペースはスローダウンしたのですが、個別に見ていくと、好調な動きを持続しているところもあります。

 目立つのはハイテク分野。コンピュータおよび関連機器の在庫循環モメンタムの上昇には衰えが見えません。とくに注目できるのは、出荷の回復が著しいこと。

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 最近の株式市場を見ると、ナスダックの上昇が目立ちますが、その背景に、この指標があると見ています。

 乗用車および関連部品の在庫循環モメンタムも上昇基調にあります。ただし、出荷の回復感に乏しい感じです。新車買替え促進のための補助金の効果もあったことを考慮すれば、今一つ回復に力強さが感じられないことが気懸りです。

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 全製造業の在庫循環モメンタムが示唆するとおり、在庫圧縮などのコスト削減努力が上昇の牽引力となってきました。しかし、いつまでもコスト削減に依存しているわけにはいきません。さらなる回復のためには出荷の持続的な好転が不可欠です。

 出荷、つまり出荷金額とは売上高ですから、今後の米国株式の銘柄選択に当たっては、コンセンサスを上回る増収率が期待できるものを探し出すのが重要ということになりそうです。

 参考までに、半導体の出荷の推移をみると、このようになっています。フィラデルフィア半導体指数の回復とナスダック市場の一段の上昇に期待できそうです。

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