米国株式市場を振り返る 10月9日
8月の貿易赤字の減少という良い経済指標にもかかわらず、ダウ平均株価のスタート直後は前日終値を下回るモタつきが見られました。しかし、すぐに持ち直すと、その後は堅調さを維持したまま、78.07ドル、0.8%高で終了しました。終わってみれば、1年ぶりの高値となる強いマーケットだったという印象です。
牽引役はハイテク。フィラデルフィア半導体指数が3.3%の大きく上昇しました。IBMが、アナリストによる目標株価の引き上げもあって、3%近く上げたのが目を引きました。
日中に伸び悩む局面が見られたのですが、バーナンキ議長の発言から、低金利政策の長期化が避けられるという期待でドルが買われたため、金や非鉄金属が下落した影響によるものと見られます。アルコアの株価の動きにそれが示唆されているようです。
しかしながら、引けにかけて再び持ち直したのは、JPモルガン・チェースの動きに見られるように、金融株の一角が強含んだためと思われます。
というわけで、金利と為替に焦点があたった一日でした。ならば、この動きが今後どう展開していくかが気になるところです。CNNは「過剰反応」と指摘していますが、その通りかもしれません。
長期金利は確かに反応したものの、短期金利には大きな影響はなかったようです。ロンドン・インターバンク金利(LIBOR)は相変わらず低いままです。
加えて、シカゴ・オプション取引所のVIX指数は4.3%と大きく低下しています。
その意味するところは、投資家のリスク許容度が高まり、ドルを売って他の資産を買うというドルキャリーの動きが続くことを意味しています。お金が米国から流れ出る動きが続くわけですから、短期的にはともかくとして、早急にドル高円安の動きが本格化すると考えるわけにはいかないようです。
火曜日の日経平均株価は、米国株式市場の上昇と、とりあえずのドル高円安との相乗効果が期待できそうですから、CMEの日経平均先物価格(円ベース)10,060円を上回る寄り付きになると思われます。
月曜日は、米国もコロンブスデーでお休みです。念のため。
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