米国株式市場を振り返る 10月30日
「10月には魔物が住む」という諺を「今日の株式市場を振り返る 10月29日」で引用したばかりですが、やはり油断の出来ない月であったようです。
ダウ平均株価は249.85ドル、2.51%の急落となりました。
急落の背景が何であったのか鮮明ではありません。発表された経済指標は悪いものではありませんでしたし、大きな驚きとなる決算が飛び出したわけでもないようです。
やはり、前日の急騰の反動が週末の手じまいの動きと重なったことなのだろうと考えています。景気回復の遅れに対して、株価上昇が速すぎたのだという、これまでに何度か指摘されてきたことが、繰り返されているような気がします。
ただし、気になるのはVIX指数が23.95%の急上昇となったことです。
このVIXの動向については、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間達」での私の投稿記事「注意報再発令!(その2):かかし」でかなり詳細に述べているのでご参照いただけると幸いです。
重要なポイントは、「VIXの上昇→投資家のリスク許容度の低下→国際商品市況からの資金の引き上げ→国際商品市況下落→米国への資金回帰→ドル高 」という構図です。
したがって、グローバルな資金の動きに変化が起きていることが、株式市場の調整の背景になっているとすれば、あまりのんびりと構えているわけにはいかないかもしれません。
その流れから見るならば、金融セクターが低迷し、JPモルガン・チェースが5.8%と大幅に下げたことが気になります。
しかしながら、個人的にはあまり悲観的には見ていません。
最大の理由は、米国の在庫循環モメンタムが上昇を維持していることです。この指標が上昇する局面では株式市場の調整は限定的になる可能性が大きいと見ています。詳細は10月4日の「予想外に好調だった8月の米国在庫循環モメンタム」をご参照いただければと存じます。
また、VIX指数の上昇によるドルの米国への還流についても、ロンドンのインターバンク金利(LOBOR)から見るかぎり、ドル金利は円金利を下回る状況が続いていますから、極端な動きはないのではと考えています。
各国のLIBORを比較すると、ユーロや英国ポンドの高さと、ドルや円の低さが目立ちます。この状況と、VIXを動きを重ねると、ドルはユーロやポンドに対しては強く、円に対しては弱いという構図が浮かび上がります。
というわけで、月曜日の日経平均株価は、CMEの日経平均先物価格(円ベース)9,720円程度での寄り付きとなりそうですが、ザラバでは大幅な下落は避けられると見ています。ただし、対ドル円高の動向には要注意です。
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本文中に使用しているデータやグラフ類は主にここに掲げる各社の公表しているものに大変お世話になっております:経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN Money、MSN Money、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、外為どっとコム
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