エスフーズ(2292)、日本ハム(2282) : 春 研一
先週ご報告したエスフーズが本日2010年2月期第2四半期決算を発表しました。事前の期待を裏切ることなく好決算でした。
上期の会社計画は3.6%増収、5.5%営業増益というものでしたが、発表された業績は2.0%増収、29.0%営業増益と大幅な増額修正となりました。ただし、通期予想の4.7%増収、1.5%営業増益は据え置きました。
流動性の低い銘柄ですので、注目している人も一気に買いに走ると、急騰してしまうため、少しずつ買う傾向があるので、今からでも買えるのではないでしょうか。
前回お話したように牛肉消費の堅調ともつなべのブーム期待が評価の背景です。そのもつなべですが、11月からテレビCMも始まりますので、注目してみてください。
さて、同社は牛肉専業ですが、他の食肉企業はどうかというと、輸入鶏肉の不調から非常に厳しい状況にあります。
日本ハム(2282)では、前年度下期から悪化した輸入鶏肉の収益が今下期から回復に転じると見て、通期で12.1%の営業増益を見込んでいます。
しかし、鶏肉の輸入量は落ちているのですが、消費量も落ち込んでおり、国内在庫回転率が低水準にあり、かなり厳しい状況が続いています。
2009年9月上期決算は前年同期比55.6%減益と悪化を見込んでいますので、これとあまり違わない業績となると思われます。しかし、下期に回復に転じる見通しですが、それはかなり難しくなりつつあります。
そのため、上期決算を発表した時点で通期の減額修正をする可能性が考えられます。世の中全体は回復基調にあり、食品企業もコスト低下で業績は好調な企業が多い中、減額修正があれば株価は大きく下がる可能性もあるでしょう。
ただし、食肉の需給は1年ほどの周期で悪化と回復を繰り返しますので、やがて徐々に回復する可能性が高く、むしろ減額修正で株価が急落したら買い場と考えるべきでしょう。ちょうど2年前の中間決算で減額修正が出たときが買い場となったのと同じ動きが見込まれます(図の矢印)。
2007年の場合、2007年9月上期の決算発表時に、通期の営業利益見通しを28%増益から9%減益に変えたため、2007年11月には1,000円割れ寸前まで行きました。しかし、その後食肉の収益が急回復して、2008年9月には株価が1,860円まで上昇しています。
仮に今回の中間決算発表時に減額修正しない場合は、株価の低迷がしばらく続きますので、少し様子を見て安いところで仕込みましょう。
以上、今回は食肉関連2銘柄の投資タイミングのお話でした。
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