米国株式市場を振り返る 11月6日
10月の雇用統計がコンセンサスを下回ったことから、スタート直後は動揺したダウ平均株価ですが、すぐに落ち着きを取り戻して17.46ドル、0.17%の僅かな上昇で引けました。
冷静に見れば、事前予想に届かなかったとはいえ、決して極端な乖離があったわけではなく、低金利の継続や、他通貨に対するドル高の抑制はマーケットにとって悪い話ではなかったように見えます。
そして注目はVIX指数。4.8%弱と大きく低下しています。ザラバの展開を見ると、雇用統計発表と同時に、投資家の不安が急速に減退したことが窺われます。
このVIX指数の低下と、低金利の継続はドル・キャリー・トレードを促す背景になります。どうもそれが金に向かったようです。金価格は0.6%上昇し、代表的な金鉱山会社ニューモント・マイニングの株価が3.8%の急騰を見せました。
また、予想を上回る決算と、強気の見通しを発表したスターバックスが7.2%上昇し、引け後の時間外取引でさらに0.5%上げています。市場センチメントが悪化していないことを示唆しています。
一方で、決算はコンセンサスより良かったものの、主力事業の低迷が鮮明であったAIGの株価は9.7%の急落となりました。今後の回復が描けない銘柄に対してマーケットは厳しい評価を下しています。
というわけで、全体としては無難に推移した米国市場なのですが、問題は日本です。
おそらく、米雇用統計の反応を見て、月曜日の日経平均株価も無難なスタートとなりそうな気がしていますが、対ドル円レートの動きが気になります。
雇用統計発表直後から大きく円高方向に振れています。低いドル金利が継続することが背景にあると推測しています。となると、金曜日に代表的なハイテク指標であるフィラデルフィア半導体指数が0.4%下落していることもあって、円安メリットセクターの代表格であるハイテクには重石となりそうです。
したがって、下値は限定的ながら、頭の重い展開でのスタートとなりそうです。
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