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2009年11月15日 (日)

日経平均株価の底堅さを評価

 先週は、これまでにも増して悪材料が意識されたようです。オバマ大統領の来日があったため、鳩山政権の外交面での不安が意識されました。対ドル円レートは、大幅とはいえないまでも、円高方向へ振れました。さらに、企業の公募による資金調達の計画が立て続けに発表され、「次はどこか?」と戦々恐々とした雰囲気がマーケットに漂いました。

 ところがどうも腑に落ちないことがあります。まず何よりも、マーケットがほとんど下げていないのです。先週は僅か0.19%の下げにとどまりました。その前の2週間が2.4%、2.5%と立て続けに大きく下げたのに比べると、悪いニュースはむしろ増えたにもかかわらず、株価は下げ止まったわけです。

 単に日経平均株価の反応が鈍いだけであって、これから本格的に下げるのだという見方があるかもしれません。一方、早々と底を打ちつつあるという考え方もありそうです。

 どちらなのか? 「神のみぞ知る」と言うところかもしれません。しかし、私の個人的な見方は「底を打ちつつある」とするサイドにあります。

 まず、年初からの日米の株価の動きを追ってみましょう。

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 相変わらず高い連動性を維持していることがわかります。先週のダウ平均株価は2.5%弱と大きく上昇しましたので、多少乖離が拡大しているのですが、図が示す通り、重大なものとは言えないようです。

 そこで、なぜ「底を打ちつつある」と見るのかという理由ですが、株価との連動性の高い在庫循環モメンタムが日米ともに上昇していることがまず挙げられます。景気サイクルの方向性が上昇示している局面では、マーケットは上昇基調をとる可能性が高いのです。

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加えて、日米の短期的な株価の動きが高い連動性を持っていること自体が重要な理由になります。良く考えてみれば、為替の影響は両国に全く逆の影響を与えます。ドルが安ければ、円は高いという当たり前の関係です。にもかかわらず、日米の株価は連動しています。ということは、ドル安の恩恵でダウ平均株価は堅調だが、円高の重石で日経平均株価は低迷すると単純に考えるのは具合が悪いかもしれません。

 加えて、企業の株式市場からの資金調達は、理論的には悪材料には違いないのですが、どうも公募増資を発表した企業の株価が大幅に下落しているということではないようです。昨年10月に三菱UFJがファイナンスを発表した時には、理論的な希薄化の影響以上に株価が下落したと記憶しています。環境が悪ければ、そのような事態になります。そこまで下げないということは、環境が良いとは言えないまでも、底堅い状況にあるということを示唆している可能性があります。

 そして、気になる対ドル円高の動きですが、日本円、米ドルを実効為替レートでみると、面白い状況が浮かび上がります。

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 日銀のデータを用いて、1月を100として実効為替レートの動きを追うと、現在は円高どころか円安ともいえる水準にあります。直近は多少上昇傾向ではありますが、極端ではありません。

 一方、FRBの資料から、米ドルの実効為替レートを見ると、日本円以上に大きく下げています。「円高と言うより、ドル安が問題」という指摘がありますが、確かにその通りです。

 したがって、ドルが暴落するのではないかという恐怖心がマーケットにあるとすれば、それを簡単に消し去ることは難しそうです。しかしながら、円ドルという指標にこだわるあまり、ドルとの比較感だけで円を見るのは危険な気がします。実効為替レートの動きを念頭に置いて、冷静にグローバルなマーケットの中で日本円がどう評価されているのかを把握しておくことが大切だと思います。

 というわけで、以上のような観点から、現在の日経平均株価は、今後本格的に下落する可能性は限定的で、むしろ引き離され気味のダウ平均株価の後を追って上昇していくのではと期待しています。

 実は、頭の中では、米国金利の上昇から、ドルキャリーの巻き戻しが本格化した場合の対ドル円レートの揺り戻し、つまり強烈な円安方向への振れ、を想定したシナリオも検討する必要がありそうだ考え始めています。

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