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2009年12月 6日 (日)

出荷在庫バランスで読む10月の鉱工業生産動向

 ちょっと遅くなってしまいましたが、11月30日に発表された「10月の鉱工業生産動向」を出荷在庫バランスによってグラフィックに見ておきたいと思います。出荷在庫バランスは、出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた指標です。増減率とは前年同月比変化率のことです。

 まず、鉱工業全体。大きく上昇して、プラスの領域に入ってきました。回復感が実感を伴ってくることを示唆しています。出荷の回復傾向が顕著です。

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 鉱工業の中の耐久消費財。自動車や家具などが含まれています。極めて強い出荷在庫バランスです。出荷の回復が牽引しています。

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 非耐久消費財は停滞色が目立ちます。衣料品など身近な消費財ですから、小売業には厳しい事業環境であることが示唆されています。

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 資本財は予想外といって良いほどの順調な回復ぶりです。工作機械、産業機械、建設機械などの分野の銘柄に注目です。

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 建設材は、非耐久消費財以上に低迷感が顕著です。建設活動が依然として停滞していることを反映しています。

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 最後に生産財。半導体を含む電子部品や、鉄鋼・化学などの中間材料が含まれます。耐久消費財と並んで好調です。ハイテク関連分野の状況が良いことが示唆されています。事実、半導体の出荷在庫バランスは前月に頭打ちの気配を見せたのですが、10月には再び上昇に転じています。

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 以上のように、出荷在庫バランスを通して見た景気の動向は、分野ごとにバラつきを見せています。投資の観点からは、これまで停滞色が強かった資本財の回復が注目されます。

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