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2009年12月28日 (月)

出荷在庫バランスで見る11月の鉱工業生産動向

 今日発表された11月の鉱工業生産動向は非常に強い数字でした。

(%) 季節調整済前月比  原指数前年同月比
生産    +2.6          -3.9
出荷    +0.9          -3.1
在庫    +0.2         -14.6 

 出荷在庫バランスを通して見ると、表面的な数字以上に良い内容であったことが明瞭になります。この指標の解説については、「在庫循環概念図」をご参照ください。

 11月の最大のポイントは、これまで停滞が目立っていた建設財の出荷在庫バランスが急回復に転じたことだと見ています。

 まず、鉱工業生産の前年同月比の動きから。回復が加速しています。前年同月並みの水準にあと一息といったところです。

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 次に、長期に見た鉱工業出荷在庫バランスです。急落後の反動という要素が強いのですが、過去の好景気の時に匹敵する水準になっています。

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 では、これを短期的に多少詳しく見てみます。細い実線で示した出荷が大きく改善しているのが目を引きます。緊急経済対策で底上げされていることも考慮する必要があるのですが、良い動きです。

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 それでは、鉱工業の内訳を見ます。まず、自動車などの耐久消費財。出荷の回復が顕著です。

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 次に、食料や衣料品などの非耐久消費財。耐久消費財に比べると基調は弱いのですが、11月は僅かに上昇しています。

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 輸送機械を除く資本財は上昇が加速しています。工作機械、産業機械などの事業環境は回復感が強まっていると見られます。

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 長く低迷が続いていた建設財が、いよいよ上昇に転じました。これが、11月の最大のポイントと見ています。

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 電子部品や鉄鋼(高炉)、化学などの生産財部門は上昇が加速しています。円安メリット・セクターのハイテク株が株式市場を牽引していますが、このあたりの動向が背景にありそうです。

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