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2010年1月31日 (日)

12月の鉱工業生産動向を在庫循環モメンタムで読む

 先週金曜日(29日)に発表された12月の鉱工業生産動向を在庫循環モメンタムでみると、景気の急速な回復を示しています。

 株式市場はこの統計にさしたる反応も見せずに、大きく下落してしまいました、米国の新金融規制、中国の金融引き締め、ギリシャの財政不安などの影響が大きいと見ています。

 注意しなければならないのは、すでにグローバルの株式市場の調整がかなり進んでいる局面にあって、何かのきっかけで重石になっている要因が取り除かれると、株価の反騰はかなり急速で、かつ大きなものになる可能性があることです。

 そう考える理由は、日米ともに在庫循環モメンタムが明確な上昇局面にあることです。景気指標と株式市場の連動性は本来高いため、重石がなくなると、一気に本来の水準に戻ろうとする力が働く可能性が大きい見ています。

 では、重石が取り除かれる可能性は? 正直なところ不透明で、予断は許さないようです。ただ、(1)米国の新金融規制→政府と銀行の不協和音→リスクマネーの委縮→国際商品市況の下落、(2)中国の金融引き締め→中国の需要減退→アジア各国の輸出減退と株式市場の調整→国際商品市況の下落、という2つの大きな流れに注目しています。

 2つの流れは、ともに国際商品市況の下落という現象で結びついているようです。そうであれば、石油や金価格が反騰を見せれば、一気に株式市場も回復局面に入る可能性が高いと見て良いと思います。

 株式市場と国際商品価格との関係は「ニワトリと卵」のようなところがあるのですが、個人的には原油価格の動向に注目していこうと考えています。

 それでは、12月の鉱工業生産動向です。

12月(%) 季調済み前月比 原指数前年同月比
生産       +2.2       +5.3
出荷       +1.1       +5.4
在庫       ±0.0      -14.6 

 鉱工業生産(数量ベース)の前年同月比は+5.3%。08年9月以降で初めてプラスに転じました。ボトムは09年2月の-38.4%。ちなみに、ボトムの数字が公表された09年3月30日の株価は8236円、現在は24%ほど高い水準です。

1220100129

 日銀の物価統計も加味して、金額ベースにした出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いて作成する「鉱工業在庫循環モメンタム」は次のようになっています。(在庫循環モメンタムの説明は「在庫循環概念図」をご参照ください。)

1220100129_2

 ポイントは出荷金額の大幅な回復。+1.48%の伸びです。前月は-3.1%でした。08年9月以来のプラス転化です。(ちなみに数量ベースの出荷は+5.4%となっています。)

1220100129_3

 在庫は-17,58%と前年同月を大きく下回っているのですが、底打ちの気配が鮮明です。数量ベースではまだ在庫圧縮が続いているのですが、価格が上昇傾向を示し始めていることが理由です。この動きは、在庫循環モメンタムにはマイナス要因となります。

1220100129_4

 以上のように、在庫循環モメンタムは、出荷のプラス要因が、在庫のマイナス要因を上回った結果上昇しています。金融財政政策の後押しがあるとはいえ、景気は明確に回復基調にあると言えそうです。

 この在庫循環モメンタムと日経平均株価の連動性は高いために、株価も基調としては上昇局面にあると見ることができそうです。

20100129

 既に述べましたが、現在株価を抑えている要因に変化があれば、株価は本来の景気と株価の連動性を回復しようとして、急上昇に転ずる可能性があると考えて注目しています。

 

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