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2010年4月30日 (金)

菱食(7451):決算速報(10.4.30) : 春 研一

本日(430日)公表された菱食(7451)の20113月期第1四半期連結業績は1.3%増収、営業利益3.0倍となりました。なお、同社は330日に開催された定時株主総会において、決算期を12月期から3月期に変更することを決議しており、今年度決算は15ヶ月の変則決算となっています。ただし、期初には201012月期の業績予想を公表しており、現時点では20113月期の業績は公表しておらず、20106月上期決算予想のみの公表となっています。

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 第1四半期決算の増益率は高いものとなっていますが、若干特殊要因があります。それは決算期の異なる子会社のリョーショクリカー(9月決算)が、12月決算である菱食の他の酒類子会社を前期中に吸収合併したため、前期決算から被合併子会社の売上高、利益が抜け落ちていることによるものです。この金額は、売上高で270億円、営業利益で3億円程度と見られます。

     

 第1四半期の決算に計上された被合併子会社の売上高、利益は、前年度は1-3月期分であり、今年度は10-12月期分となります。売上高も利益も1-3月より10-12月のほうが多くなります。特に営業利益に関しては、菱食本体もそうですが、四半期ごとに見ると10-12月は最も利益が大きく、1-3月は最も利益が小さいと考えられます。

     

 セグメントごとの営業利益の増減を見ますと、物流事業が3億円程度と大きな改善を見せています。これは、子会社のキャリテック、西日本キャリテックのリストラによる収益改善が寄与したものです。

      

 主たる事業である食品卸売事業は3.3億円の改善となっています。ただし、これは上で述べた酒類子会社の決算期が変わったことによる差にほぼ相当します。このほか、酒類を除いた食品卸も数億円の改善を示しています。ここで、足を引っ張っているのが新たに始めたイオンとの酒類の取引ではないかと推測されます。すでに、前期決算の説明会においても、イオンとの酒類の取引開始がマイナスになるようなニュアンスで会社側が述べていますが、実際そのことが業績に現れてきたのでしょう。

      

 このところの加工食品卸売業の業績は、コストアップによって2007年度半ばまで大きく落ち込みましたが、その後の収益改善努力によって前年度までで大幅に回復しました。その回復傾向が依然第1四半期も継続していることが確認されたと言えるでしょう。ただし、その急ピッチな収益改善は今後徐々に緩やかなものとなって行くと思われます。

     

 一方、株価のほうはここ半年ほど冴えない動きとなっています。加工食品卸売業の業績は、ここ3年ほどの急回復もそうですが、基本的には景気があまり良くない環境下で、コストが下がる局面で業績が好調です。そのため、食品メーカーや食品スーパーなどと同様にディフェンシブストックと呼ばれ、景気回復局面では株価が冴えない動きとなります。逆に1年ほど前までの景気が大きく悪化した時期には、他のセクターと比較して株価は堅調でした。

      

 会社側が期初に公表した今期(201012月期)業績の営業利益は8億円(上期は1億円)の増益予想となっています。第1四半期の前年同期比は8億円弱の増益ですから、すでに1年分の増益を達成していることになります。その面ではポジティブな評価となります。ただし、同社は期中で予想を変えることはしません。今回は決算が15ヶ月決算となるため、現時点では上期の業績予想のみの開示にとどまっていますが、その水準は期初予想と変わっていません。そのため、株価がどう反応するかはなかなか判断しにくいと言えます。

     

 今後期待されるプラス材料としては、同業の加藤産業(9869)の増額修正があります。加藤産業は9月決算で、511日に上期決算の公表を予定しています。同社も菱食同様、今期の会社予想の営業利益は4億円強(上期は3億円)の増益となっていますが、第1四半期だけで8億円以上の増益となっています。事業内容は菱食とほぼ同じですから、業績動向も同様と考えられます。しかも、菱食はイオンとの酒類取引開始という独自のマイナス要因がありますが、そのことに関しては加藤産業には影響がありません。よって、加藤産業の上期決算は会社計画を上回って着地する可能性が高いと考えられます。

      

 菱食は期中で業績見通しを変えない会社ですが、加藤産業は実態に合わせて見通しを変えてきます。よって、上期が増額で着地し、通期を増額修正してくれば、株価が反応する可能性も十分考えられます。そのことで、菱食の株価が再評価を受ける可能性があるかもしれません。

     

なお、加工食品卸売業を含む卸売業は、世間一般では大手小売業と食品メーカーの板ばさみで厳しいという誤った見方をしている人が多くいます。実際は日本の卸は高水準な機能を背景に長期的にコンスタントな成長をしてきましたし、今後も同様な成長が期待されるものです。その辺りの事情を詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください(加工食品卸売業)。

http://ameblo.jp/halariga/entry-10414383410.html

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