米国株式市場を振り返る 5月29日
ポイント
28日金曜日の米国株式市場は、大きく反落したように見えるのですが、大引け前30分に手仕舞いと推測される売りを浴びた部分を除けば、急騰の翌日の動きとしては意外に健闘した印象があります。しかし、CMEの日経先物価格は9.635円となっており、月曜日の日経平均株価は厳しいスタートになりそうです。
米国マーケットの動向
ほぼ前日終値付近で寄り付いたダウ平均株価は、すぐに値を崩し始めました。それでも下げ幅は比較的に限定的だったのですが、12時半になると一段と下落して、2時近くには163ドル安をつけました。その後3時半にかけて40ドル安まで下げ幅を縮めたのですが、大引けにかけて再度下落して、結局122.36ドル、1.19%安で終えました。
寄り付き直後からの下げは、4月の個人支出や、5月のシカゴ購買部協会景気指数がコンセンサスを下回ったことが影響したようです。加えて、スタート直後に、ユーロドルがユーロ安方向に振れたこともマーケットを冷やしました。
このユーロドルが12時半(グラフでは、日本時間の1時半)から急激に下げたことが、ダウ平均株価の急落と重なっています。フィッチ社によるスペインの格下げ(AAA→AA+)が引き金になったと見られます。
しかし、それにもかかわらず、ダウ平均株価が2時過ぎにつけた安値から3時半にかけて123ドルほど値を戻したことに、個人的には注目しています。欧州問題の部分を除けば、基調が決して弱くないことを示唆するように見えるためです。
とはいえ、ユーロ安への振がは続いていることへの警戒感は強く、週末の手仕舞いもあって、結局は大幅安での大引けとなってしましました。
VIX指数は8.05%上昇しています。12時半から2時にかけて大きく上昇しましたが、その後反落を見せていることに注目しています。意外に投資家心理の悪化は限定的だったようです。
注目のスペイン市場(IGBM)の動きを見ると、終了の1時間ほど前に急落したのですが、すぐに回復に転じて1.05%の上昇で引けています。
月曜日の日経平均株価への示唆
CMEの日経平均先物価格(円ベース)は9,635円となっており、これが月曜日の寄り付きのメドとなりそうです。
ユーロ円を60分足でみると、ユーロ安円高方向への動きが明確ですので、この基調に変化がなければ、月曜日のマーケットの重石になりそうです。
経済指標としては、4月の鉱工業生産動向の発表が予定されています。
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本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN MONEY、MSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、サーチナ、外為どっとコム
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コメント
ご無沙汰しております。
いつもブログをご覧いただき、大変ありがとうございます。
もう大昔のことになってしまいましたが、外資系の証券会社におりましたころ、超大手の顧客を担当する営業マンから、「買いを誘うようなチャートとなるように株を売り買いしている」とか、「1日や2日なら株価はどうにでもなる」という威勢の良いことを聞かされてびっくりしたことがあります。(もっとも、その顧客もその後ずいぶん苦労をされたようですが)
私は、現在の状況下では、たとえリーダーや大口様であっても、自信をもって行動しているわけではないと推測しています。
理由は、欧州の動向の読みの難しさです。為替の動きにその混乱ぶりが示されていると見ています。
おそらく、先物のデイトレードで、株価の変動に機動的に対処するのがもっとも適切なのではないだろうかと思っています。
実は、私もNYダウとCMEの動きが気になって、寝不足気味の日が多いです。
そしてマーケット心理が気になりますので、VIX指数からも目を離さないようにしています。
全く個人的な意見ですが、私の使っている在庫循環モメンタムという指標で、今後の動きをシミュレーションすると、今年の後半は大きく下落するという動きが見えます。
これについては、以前にブログで申し上げたのですが、もう一度、多少詳細にご報告しようと思っています。
そして、6月以降は要注意という見方をしていました。
ただし、これは景気循環面から見た結論です。
現在の状況は、それとは全く違う背景で動いています。欧州の財政問題や、米国の金融制度改革といった要因です。
しかし、理由はどうであれ、下げは下げです。
ということは、年後半の下げを懸念していたのですが、早々と下げてしまったので、むしろ年後半の懸念が小さくなりました。
ユーロの崩壊、ユーロの暴落に対する恐怖心がマーケット心理の根底にある状況では、決して油断するわけにはいきませんが、私も先物で対応しながら、反騰のきっかけを探っています。
投稿: かかし | 2010年5月30日 (日) 22時41分
何時もブログ拝見しております
久しぶりに投稿.
個人的感想ですが株価の行き先が分かる投資家はリーダだけ、方向性を出せる大口様というところなんでしょうか。
多くのコメントは節目、節目で判断、そこを割ればまた節目
今回の下落の経過でチャーチストの多くは10200以下は買い推奨を出していたきがします。
売られ過ぎの根拠がどこにあるんでしょうか。テクニカルから判断し
買いを煽る証券会社も。
10200まで下げた時の外部要因がどんな状態だったのか
疑問だらけです
某証券などは先物で大きく売るところも、ヘツジなんでしょうか
その後10000,9800,9500,9300と下がっても我慢しどころとか
225先物を購入していたらどこまで我慢できたか。
個人投資家には市場から退場を余儀なくされたかたも多いと聞いております。私も現物株買い、損失を出しまた。
投資は自己責任なのでしかたないところもあるかと思います
NYダウとCMEに振り回され夜も寝れない投資家
これもしかたないかもしれません
個人的には今先物はデイのみ
現物は主要銘柄以外で対応しています
色々な方々の分析もマーケツト心理の不安定さを表しているかと
思います。
これも逆手に取るのでしょうか、分からない事ばかり
信用買い残の増加は先行きどう影響するのでしょうか
センチメンタルがこれ以上悪くならないことを願うばかりです
下落過程での需給増に見えてしかたない日々です
投稿: 田舎の投資家 | 2010年5月30日 (日) 08時09分