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2010年5月30日 (日)

購買力平価でユーロを考える

 為替に振り回される毎日です。特にユーロの変動に一喜一憂を繰り返しています。

 忘れがちになるのは位置感覚。「あるべき為替水準」からの乖離です。いったい私たちはどこにいるのか?

 それを知るためには「あるべき為替水準」を考えることが必要なのですが、一つの見方として購買力平価を使って見ます。説明をしていると長くなりますので、ご興味があればこちらで詳細をご確認ください。財団法人 国際通貨研究所のサイトです。

         http://www.iima.or.jp/research_gaibu.html

 まずドル円の購買力平価です。企業物価を用いた購買力平価は104.23円。現在のドル円は91円近辺ですから、ドルに対して円は高めにあるようです。ただし、輸出物価を用いた購買力平価は73.71円。競争力のある輸出企業にとっては、十分に利益を確保できる為替水準だということです。となれば、図が示唆するように、驚くほどの円高水準ということもなさそうです。

20100529

 次に、ユーロ円。財政問題で暴落しているような雰囲気のあるユーロですが、企業物価で見た購買力平価は102.33円。

20100529_2

 現在のユーロ円は112円/ユーロで推移していますから、意外なのですが、本来あるべき水準に比べてユーロは高いのです。つまり、今までユーロはあまりにも高すぎて、本来あるべき水準に戻る途中であるよう見えます。これまで、欧州で日本企業が高い収益を確保できていた理由が納得できます。

20100529_3

 それでは、ユーロドルについて見ておきたいと思います。企業物価で測ったユーロドルは1.236ドル。

20100529_4

 それに対して、現在のユーロドルは1.226.つまり、「本来あるべき水準」としての購買力平価にほぼ一致しています。

20100529_5

 以上から見ると、ユーロは暴落しているというより、これまでの過大評価がようやく修正されて、本来の水準まで戻してきたと見ることもできそうです。

 そう考えると、現実の日々の投資判断は相変わらずユーロの振れで大騒ぎをしそうですが、決してとんでもない為替水準の中に放り出されているわけではないようですので、冷静に対処していきたいと考えています。

 購買力平価のデータに関しては(財)国際通貨研究所のものを用いています。

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本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUPCBOE,CNN MONEYMSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、サーチナ、外為どっとコム 

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