« 5月の米国雇用統計は予想を下回る | トップページ | 米国マーケットを振り返る 6月4日 »

2010年6月 4日 (金)

伊藤園(2593):決算報告(10.6.04) : 春 研一

62日に公表された伊藤園(2593)の20104月期連結業績は、売上高は横ばい、営業利益17.3%増益、経常利益12.6%増益、純利益25.8%増益となった。売上高以外は期初計画を上回り、まずまずの決算であったと評価されよう。

Ws20100604     

食品市場全般は、依然続く価格低下傾向の中で、売上高は厳しいものの、シェア上位企業が価格を追わない姿勢を強めていること、原材料価格が一時期との比較で低下していることから、おおむね順調であった。しかし、その中にあって飲料業界は、巨大企業の戦いが依然続いていること、嗜好品であるため食品の中では不況に弱いことから、他の食品より厳しい状況にある。

       

加えて、同社の得意分野である緑茶飲料、野菜飲料などの市場がここ数年縮小傾向にあることも逆風になった。その中で、同社は売上高が横ばいながら、二桁の増益を達成したことは、さすが伊藤園と見ることもできる。

Pl20100604

    

また、連結全体として見ると、主として国内の飲料事業中心に厳しかったわけであるが、子会社はかなり健闘したことがわかる。まず、米国伊藤園がいよいよ黒字化してきた。ただし、全体の業績を牽引するまでにはまだ数年を要しよう。飲料事業は数量効果が効く業界であり、黒字を確保した後は、当面収益拡大より、売り上げ拡大を優先させる戦略をとると考えられるためである。また、タリーズのコーヒーショップも順調である。同社の傘下に入ったことにより、好立地に出店できることが寄与している。

      

国内飲料に関しても、タリーズブランドを活用したボトル缶のコーヒーが、大手コンビニに全面採用されるなど相乗効果が期待される。一方、米国伊藤園から弱輸入した「TEAS’ TEA」も新分野の開拓に寄与している。これらが、それぞれ緑茶、野菜に続くブランドとして育つ可能性が見えてきた。

     

ただし、他の飲料会社と一線を画する独自性を構築し、着実な成長を達成する可能性は感じられるが、かつての成長性を考えた場合、物足りないものを感じるのも確かである。一方、緑茶飲料の過去の市場を考えると、かつての高成長は影を潜めたものの、拡大、縮小の波があり、3年連続の減少となっていることから、どこかで再び拡大してもおかしくない。

     

また、緑茶飲料以上に波が大きいのが野菜飲料であるが、こちらも2年連続して市場が縮小しており、緑茶市場を上回る落ち込みを見せている。

      

よって、この二つの市場が縮小傾向にあるうちは、堅調な業績を確保しつつ、どこかで反転したときには再び高い成長を達成するのではなかろうか。

     

なお、同社は優先株を発行しており、EPSBPSの計算が複雑であるため、バリュエーションも含めて、下の表に整理した。

Sp20100604

     

【追伸:無料メルマガのご案内】

無料メルマガを発行しています。このメルマガでは、そのときどきの注目銘柄を掲載します。加えて、現役アナリストでなければわからないような、生の裏情報なども盛り込んでいます。アフィリエイトの入門的な解説も取り上げています。最近は本欄でもお話しているように内需回復に焦点を当て、とてもうまくいっています。

皆さんの中には何度か無料メルマガを申し込んで失望された方も多いと思います。私も株式関係の無料メルマガをいくつか申し込んでみました。しかし、内容のあるものはほとんどなく、結局はそこから有料情報に誘導されるものばかりです。しかし、この無料メルマガは包み隠さず銘柄情報を提供しますし、しかも有料情報への誘導は一切ありません。

興味のある方は、下記URLの説明をじっくり読んでからお申し込みください。

(参照URLhttp://cherry100.blog108.fc2.com/blog-entry-18.html

 とりあえず、バックナンバーだけ見たい方はこちらをどうぞ。

(参照URLhttp://archive.mag2.com/0001086601/index.html

   

「人気ブログランキング」に参加しています。記事がお役に立ちましたら、下のバナーをワン・クリックお願いいたします。大きな励みになります。

人気ブログランキングへ

|

« 5月の米国雇用統計は予想を下回る | トップページ | 米国マーケットを振り返る 6月4日 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

B 銘柄関連情報(マテリアル系)」カテゴリの記事

5. 春 研一」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 伊藤園(2593):決算報告(10.6.04) : 春 研一:

« 5月の米国雇用統計は予想を下回る | トップページ | 米国マーケットを振り返る 6月4日 »