米国株式市場を振り返る 8月6日
ポイント
雇用統計のショックで一時は大きく下げたダウ平均株価ですが、大引け前に反発を見せて小幅安で終えました。健闘したという印象です。ただし、ドル安円高に大きく振れた為替は、ドル高円安方向への戻りが鈍いように見えます。月曜日の日経平均株価は50円弱下げてのスタートとなりそうです。ザラバは為替の動きから目を離せないようです。
米国マーケットの動向
6ドル安でスタートしたダウ平均株価は、急速に下げ幅を拡大して、11時頃には160ドル近くの下げ幅となりました。その後は一進一退の展開でしたが、2時半過ぎから回復が鮮明となり、21.42ドル、0.2%の小幅安で終えました。
7月の雇用統計がコンセンサスを下回ったことが、スタートから11時頃までのマーケットの下げの背景でした。(「7月の米国雇用統計はコンセンサスを下回る」)水曜日に発表された7月のADO全国雇用者数の数字が良かったため、ショックが大きかったようです。
一方、大引けにかけてのマーケットの上昇を牽引したのは、好決算を発表した銘柄群でした。
31%の大幅増益で、コンセンサスを上回ったマスターカードが2.87%の急騰となりました。
同様に、予想を上回る決算を発表したファイザーも、上げ幅は0.31%にとどまったのですが。大引けにかけての上昇が目を引きました。
AIGは赤字決算を発表したのですが、「継続事業」、つまり通常のビジネスからの収益が順調に回復していることに加えて、CEOが公的資金の完済を示唆したことが好感されて、2.58%の大幅高になっています。
日経平均株価への示唆
CMEの日経平均先物価格(円ベース)が、米国市場の動向を反映して、9,590円となっています。この近辺が月曜日の寄り付きのメドとなりそうです。
ただし、雇用統計の発表後に大きくドル安円高方向に振れた為替の戻りが鈍いことが気になっています。
したがって、月曜日早朝の為替がどのような動きを見せるかが、寄り付きに影響しそうです。
円高に大きく振れた後の反動としての円安への動きが鈍いながらも持続するようであれば、寄り付き価格はメドとしている水準より多少高めになりそうです。
もし円安への動きがザラバも続くようであれば、堅調なマーケットの展開も期待できそうです。
しかしながら、基調としてのドル円はドル安円高方向にありますから、油断はできません。為替の動向を注意深く観察することが必要なようです。
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