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2010年9月25日 (土)

米国マーケットを振り返る 9月24日

ポイント

 米国株式市場は大きく上昇しました。寄り付き直後に急騰した株価水準を、調整の動きをも見せないまま大引けまで維持したところに、基調の強さが感じられました。この動きを受けて、月曜日の日経平均株価も高めの寄り付きが期待できそうです。9,560円の近辺を想定しています。ただし、ドル円が多少円高方向に振れていることが、ザラバの上値を抑えそうな気がします。

米国マーケットの動向

 スタート直後から急騰したダウ平均株価は、わずか10分後には上げ幅が150ドルを越えました。その後も着実に上昇基調をたどり、197.84ドル、1.86%の大幅高で終えています。

F20100924_3

 対ユーロでドル安が進行したことに加えて、8月の耐久財受注が、輸送用息を除いたベースでコンセンサスを上回ったことがマ-ケットを牽引しました。

A20100925

 特にドル安のインパクトが大きかったと見ています。この恩恵を大きく受けたのはハイテク・セクター。テキサス・インスツルメンツが4.50%の急騰を見せました。

Txn20100924

 SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)も4.0%上昇しています。

Sox20100924

 この動きを反映して、ナスダック総合指数が2.33%と、上昇率でダウ平均株価を上回りました。

 10時に発表された8月の新築住宅販売件数は、コンセンサスを下回ったのですが、上方修正された7月の水準とほぼ同じであったことで、マーケットには安堵感だ出たようです住宅関連のレナー社の株価を見ると、3.68%の大幅上昇となっていて、しかも、統計が発表された10時以降。11時頃まで上昇が加速しています。

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 VIX指数をみると、10時頃に僅かな上昇が見られるのですが、全体としては一貫して右下がりで、9.05%の低下となっています。マーケットのセンチメントが改善して、投資家がリスク許容度を高めたことを示唆しています。

Vix20100924

 リスク許容度の高まり、つまりリスク選好の強まりとドル安の相乗効果で国際商品市況の上昇も目立っています。特に金価格の高騰に注目が集まっているようです。

月曜日の日経平均株価への示唆

 以上のような米国株式市場の展開を反映して、CMEの日経先物価格(円ベース)は9,500円となっています。したがって、日経平均株価の寄り付きは9,560円程度になると想定しています。

Cme20100924

 ただし、気になるのはドル円の動き。昨晩も申し上げましたが、為替介入らしき動きで瞬間的に大きく円安方向に振れた後は、すぐに円高方向に揺り戻されたばかりでなく、さらに円高方向に動いてしまいました。現在は多少落ち着いているのですが、油断は禁物です。少なくとも、上値を抑える要因の一つになりそうだと考えています。

A20100925_2

ちょっと一言

 米国株式市場の大幅上昇で、明るい雰囲気が拡がることは結構なことなのですが、その大きな理由の一つがユーロ高であることが気にかかっています。

 ドイツをはじめ欧州諸国の好調な経済指標の背景にあるのは、大幅なユーロ安の恩恵を受けた欧州企業の輸出競争力の回復だったと理解しています。

 したがって、ユーロ高は、欧州の財政金融問題が改善されていることに対する信任の強まりという点では好ましいのですが、果たして欧州企業にとって本当に喜ぶべきことなのかどうか、多少疑問を持っています。

 日本から見ると、ユーロの上昇を大喜びで迎える欧州の株式市場の反応がうらやましい気もします。

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