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2010年11月20日 (土)

過剰流動性相場? 11月20日

過剰流動性相場?

 先週は大きく外してしまいました。日経平均株価は1週間で3.05%と大幅に上昇。一方で、ダウ平均株価は僅か0.1%の上げにとどまっています。特に木曜日の2.06%に達する大幅な上げはショックでした。日頃重視している為替の動きとは全く逆行する展開だったためです。

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 1985年9月のプラザ合意からバブルに至る過剰流動性に押し上げられた上昇相場の記憶が頭をよぎったりして、個人的にはかなり動揺しました。

 そこで、問題は果たしてそのような大転換ともいえる局面にあるのかどうかということです。

 結論を先に言えば、その可能性はゼロではありません。しかし、現在のところ、マーケットは大転換を示唆する異常な動きを見せているわけではありません。円安への振れに連動するマーケットの上昇の可能性を念頭に置きながらも、警戒気味なスタンスで臨む必要があると考えています。

 まず、日頃重視している日米株価乖離(日経平均株価マイナスダウ平均株価)とドル円の動きです。木曜日には動揺したのですが、週を終えて振り返ってみれば、見事なほどきれいに連動しています。

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 ということは、日経平均株価がさらに大きく上昇するためには、(1)円安が進むこと、(2)ダウ平均株価が上昇を続けること、の2つのどちらかが必要になります。

 そこで円安は進むのか? この点については、米国長期金利の動きに注目しています、直近では多少頭打ちの気配です。少なくとも、このままどんどん長期金利が上昇を続けるほど、米国経済が強いとは考えていません。

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 それでは、ダウ平均株価は上昇を続けるのか?最近2週間はほとんど上昇が止まっています。

 したがって、冷静に考えれば、日経平均株式市場の上値は重くなると考えられます。

 ただし、既にお話しましたが、日米の株価は建値の通貨は異なるものの、ほぼ同じ数字に収束する傾向が見られます。したがって、ダウ平均株価が現状の水準を維持するという前提で、日経平均株価にはあと10%程度の上昇ポテンシャルがあると推測できます。

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 しかしながら、そのためにはドル円がさらに円安に振れ続けることが必要なようです。私はその可能性は小さいと考えます。

日経平均株価の動き 11月19日

 週末にかけて、個人的な用件が重なって、ご報告が出来ませんでした。簡単にご報告させていただきます。

 ダウ平均株価が173.35ドルと大幅に上昇したことを受けて、111円高で寄り付いた日経平均株価でしたが、ザラバで上げ幅の縮小が止まらず、結局8.76円、0.09%の小幅高で大引けを迎えました。

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 前日の18日は円高を苦にせず大きく上昇したのですが、19日は円高に素直に反応したようです。

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 京セラの株価の動きが、為替のインパクトを物語っています。

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ダウ平均株価の動き 11月19日

 10時前には60ドルを越える下げとなったダウ平均株価は、10時半頃から回復に転じ、2時過ぎには水面上に浮上しました。22.32ドル、0.20%高で終えています。

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 中国の金融引き締めや、マーケット開始直前までの急速なユーロ安ドル高経に振れが、スタート直後のマーケットを停滞させました。

 しかし、ドル高の動きが止まり、ドル安に戻す局面で、マーケットも落ち着きを取り戻したと見ています。

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 VIX指数の動きを見ても10時半以降には低下が進み、投資家の心理が改善して、リスク許容度が高まった様子が示唆されています。

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