米国マーケットを振り返る 11月4日
ポイント
FRBによるマーケットへの大量の資金注入計画が、米国を始め世界の株式市場を押し上げているという感じです。大規模な過剰流動性が牽引する金融相場ですから、後始末をどうするのか心配ですが、とりあえずこの流れに乗る必要がありそうです。
米国マーケットを振り返る
スタート直後から急速に上昇したダウ平均株価は、11時頃には210ドル近くまで上げ幅を拡げました。その後上昇ペースは鈍りましたが、堅調な推移を続け、219.71ドル、1.96%高で終了しています。
QE2(量的金融緩和政策第2弾)が世界の株式市場を上昇させましたが、それがダウ平均株価の好調なスタートの背景になったと思われます。特に、インドのSENSEXが2.09%と急騰したのが目を引きました。QE2で活気づいた短期資金がインド市場になだれこんでいる様子です。
週間ベースの新規失業保険申請件数がコンセンサスをかなり大きく上回り、雇用環境の弱さを示唆したのですが、マーケットは気にする様子を見せませんでした。
それより、7-9月の労働生産性が予想以上に伸びたことが評価されたようです。
10月の主要小売業売上高が堅調であったことも好感されました。高級百貨店ノルドストロームが6.66%上昇したのが目を引きます。
QE2の発表以前は弱い経済指標が好感されましたが、発表以降は強い経済指標が歓迎されるようです。矛盾しているというより、過剰流動性がふんだんに供給されることが安心感となっていると見ています。
その過剰流動性は国際商品相場も押し上げています。金価格は3.4%上昇して、産金会社ニューモント・マイニングを4.08%上昇させました。
原油価格も2.13%上昇して、エクソン・モービル株を2.07%引き上げています。
重要な点は、国際商品価格がドル安によって上昇したのではなく、リスクマネーの流入によるものであると見られることです。ユーロドルは15分足で見るとドル安どころか、むしろドル高に振れています。
というわけで、過剰流動性による金融相場の創出という観点から見て、QE2は非常に大きなインパクトになったと思われます。
今日は9月の中古住宅販売保留と消費者信用残高、そして何よりも10月の雇用統計の発表に注目です。ただ、お金がふんだんにある金融相場の楽観ムードの中で、雇用統計が良かろうと悪かろうと意に介しないという反応もありうるので、今日の動きは楽しみです。
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