米国マーケットを振り返る 12月10日
ポイント
一見すると、貿易収支の改善や12月のミシガン大学消費者信頼感指数がコンセンサスを上回ったことが、米国株式市場を押し上げたようです。しかし、どうもそうではなく、対ユーロで急速に進んだドル安の恩恵が大きかったと見られます。米株高の背景がドル安となれば、日経平均株価への影響は限定的と考える必要があります。
米国マーケットを振り返る
好調な出足と見えたダウ平均株価ですが、すぐに調整色が強まり10時半過ぎには一時水面下に沈みました。その後は多少持ち直し、12時前になると回復色が強まり、40.26ドル、0.35%高で終えています。
VIX指数の動きを見ると、コンセンサスを大きく上回る12月のミシガン大学消費信頼感指数が発表された直後に急速に上昇して、投資家心理が悪化したことを示しています。
この停滞局面を打破したのは、対ユーロで急速にドル安に振れたことであったようです。
ドル安の恩恵を受けるハイテク株の比重の高いナスダック総合指数が0.80%高とダウ平均株価の上昇率を上回ったのですが、ザラバの動きを見ると、午前中には停滞色が鮮明であったものが、昼前から上昇が鮮明になったことが興味深いところです。
個別銘柄としては、増配が好感されたGEが3.44%の急騰を見せています。引け後の時間外取引では、さらに0.17%上げました。
マーケットでは、イーストマン・コダック、NYタイムズ、オフィスデポの3銘柄がS&P500から外され、ネットフリックス、F5ネットワークス、ニューフィールズ・エクスプロレーションが加えられたことが話題になったようです。
新聞や雑誌の時代の終焉という構造変化を象徴する動きです。そのNYタイムズは1.33%下げています。
日経平均株価への示唆
ドル安が米国株高の背景となれば、少なくとも円安によるマーケットの底上げが期待しにくいという意味で、日経平均株価への好影響はあまり期待できそうもありません。
CMEの日経先物価格(円ベース)は10,200円。金曜日の終値を僅かに下回っています。
個人的には、円安の動きがとまったとは言え、金曜日に比べて円安の水準にとどまっていることから、月曜日の寄り付きはもう少し高くなりそうだと見ています。
しかし、大きな期待は出来ないように思われます。
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