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2010年12月11日 (土)

注目企業の財務株価分析 : 大塚ホールディングス

15日に上場される大塚ホールディングスを、武田薬品工業と比較してみました。

まず大塚ホールデイングスの時価総額。想定価格2,400円、公募8千万株のうち新株発行4132万株としています。時価総額はおよそ1兆3300億円。

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一方、武田は3兆2291億円。つまり大塚は武田のおよそ4割の規模です。

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次に財務の数字。すべて1株当りです。大塚は予想を発表していませんので、今期は横ばい、来期は多少回復と想定しています。

大塚の実績を見ると、売上高は1,944円。武田に引けをとらないというより、僅かに上回っています。問題は利益。営業利益は177円に過ぎず、武田の3分の1です。財務体質は良好。利益準備金が総資産の4割に達しています。有利子負債は162円に過ぎません。

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武田は、強い収益体質に加え、配当水準も高く、財務体質も大塚に比べ一段と強固です。利益準備金は総資産の8割を占めています。有利子負債は僅かに4円。

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次に、簡単な財務分析です。

大塚の総資産営業利益率(OROA)は実績ベースで6.84%。特に悪いわけではないのですが、武田はその2.2倍です。OROAは営業利益率と総資産回転率に分解できます。大塚の総資産回転率は武田を上回ります。資産効率は良いのです。ところが利益率の格差があまりにも大きいことが、OROAの格差の原因となっています。製品構成の差を考えれば、この利益率の格差を大きく縮小するという考え方は現実的ではなさそうです。

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武田はこのようになっています。今期は利益率が落ちますが来期から回復が見えてくると考えています。総資産回転率の低さが多少目につきます。戦略的には資産効率の改善が課題であるようです。

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最後に株価評価です。

大塚のBPSは実績で1738円。PBRを1.38倍と見るため、BPSにPBRを掛け合わせて、株価は2,400円としているわけです。このPBRはPSR(株価売上高倍率)、総資産利益率、財務レバレッジ(株主持ち分比率の逆数)という3つの要素に分解できます。ポイントはPSRの1.23倍です。私はこれが1.31倍まで高まってもおかしくないと見ています。すると、株価は2.653円。実は、この株価でのPERは20倍。これを妥当な水準と見ています。

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同じ手法で武田を見てみます。PSRは利益率とROEを掛け合わせたものですから、今後の利益率の回復を前提として、3.36倍程度のPSRが期待できると見ています。すると株価は5952円。この株価では、PERを大塚と同じ20倍としていることになります。

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以上を念頭に置くと、大塚ホールディングスは、2,400円程度で上場されるならば10%程度の上値余地が見込まれると考えます。つまり、人気化してこの価格を大きく上回るようであれば、その後の展開は要注意かもしれません。一方、武田薬品工業は現在大きく調整した水準にあり、今後回復に転じると5割程度の上値が見込めるのではないかと考えています。

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