米国マーケットを振り返る 1月5日
ポイント
市場予想を上回る雇用関連の指標やISM非製造業景況指数を背景にダウ平均株価は上昇しました。しかし、ドル高が進んだこともあって、上げ幅は限定的でした。
米国マーケットの動向
前日を僅かに下回ってスタートしたダウ平均株価は、直後に下げ幅を拡げ38ドル余りの下落となりました。しかし、徐々に回復に転じ、11時過ぎにプラスに転じると一段と基調を強め、31.71ドル、0.27%高で終えました。
マーケット開始前に発表されたADP社による12月の全国雇用者数がコンセンサスを大きく上回り、チャレンジャー・グレイ・クリスマス社が発表した企業の雇用削減計画が過去13年間で最低水準に達したことが明らかになると、週末に予定されている12月の雇用統計に対する期待が高まりました。
しかし、一方でドル高が急速に進んだことがスタート直後のマーケットを停滞させたようです。
ただ、10時に発表されたISM非製造業景況指数も事前予想を上回ったことから、次第に景気回復期待がドル高の重圧をはねのけたように見えます。
マーケットのセンチメントを示唆するVIX指数は11時過ぎにかけて段階的に低下しており、投資家が徐々にリスク許容度を高めた様子が示されています。
米国マーケットの個人的な見方
ところで、0.27%というダウ平均株価の上昇率をどう理解するか、悩ましいところです。
個人的には、強い経済指標にも関わらず、上げ幅が限定的であったと見ています。
ドル高が上げ幅を抑えたという側面があることと、何度も繰り返すようですが、金融緩和政策の継続に懸念が生じる可能性が高いことです。
特に、金曜日の雇用統計が強いものであれば、金融緩和政策の継続への懸念どころか、インフレ懸念まで台頭する可能性も否定できません。金曜日の雇用統計に注目したいと考えています。
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