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2011年8月23日 (火)

沢村十四郎レポート2011年8月(その3)

通常、過剰流動性がある場合は金融引き締めに転換し、過剰なマネーを吸収してインフレが収まるように舵取りします。しかし、米国は金融恐慌のダメージが大きく、今引き締めるとデフレに落ち込みます。そのため、FRBは引き締めをせずに様子を見ています。しかし、米国政府が財政出動する余力がなく、政治のネジれ状況が続いているため、今後、景気が悪化して失業が増加する事態になった場合、追加金融緩和(QE3)を実施する可能性があります。

その場合は、インフレを覚悟する必要があります。スタグフレーションです。その対策として、資源銘柄はある程度は保持しているべきでしょう。

一方、引き締めに転じた場合は株・商品には大幅な下落が待っていることを覚悟しておくべきです。過剰流動性で相場が終わると本当のクラッシュがやってきます。

この辺を理解していないと、相場の上昇に乗せられてリスクの高い金融商品に投資してしまう危険があります。在庫循環モメンタムとSP500モメンタムの関係を把握し、どんな状況であるかを見極めて配分を考えることが重要です。

一方、日本の在庫循環モメンタムは6月から大きく反転しました。大震災による在庫循環モメンタムの大幅下落の反動が出てきたからです。今後、半年は上昇基調が続くと見ています。これは国内要因なので、内需依存度が高い企業の場合は円高でも業績は伸びると見ています。

SP500と違い、日本のTOPIXモメンタムは在庫循環モメンタムと大幅に乖離していませんから、米国株より下落リスクが低いと考えています。

もっとも、大震災後の需要が一巡した後の展望は楽観できないと思います。従来型の社会構造が存続しているからです。経済構造の問題がある以上、日本への配分は抑え目にするべきと考えています。ただし、いつまでも抑え目で行くつもりはありません。構造改革が始まったら配分を増やしていく予定です。コンドラチェフサイクルの上昇に乗ろうということです。

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