米国マーケットを振り返る 8月19日
ポイント
前日に400ドルを越えて下落したダウ平均株価は、10時半にかけて反発の兆しを見せたのですが、ハイテク・セクターの低迷が目立ち、結局大幅続落で終えています。ただし、VIX指数は小動きで、マーケット心理が一段と悪化した様子は見えません。
米国マーケットを振り返る
ダウ平均株価は172.93ドル、1.57%安と、前日に引き続き大きく下げました。
午前中には一時反発の兆しも見せたのですが、ハイテクセクターの低迷がマーケットの重石となりました。代表的なハイテク指標であるSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が1.78%下落しています。
ハイテクセクターの低迷を誘った最大の要因はヒューレットパッカードでした。業績見通しの下方修正に加えて、PC事業の分離を発表したことが背景になったと見られます。ソフトウェア会社の買収という報道も、ムダ金使いではという指摘がなされているようです。株価は20.03%の暴落となりました。
一方で、金価格の上昇を背景に、産金会社ニューモント・マイニングが弱いマーケットの中で2.84%上昇したのが目を引きました。
VIX指数は0.89%と小幅な上昇にとどまっており、投資家がリスク許容度を一段と引き下げた様子は見えません。
日経平均株価への示唆
CMEの日経先物価格(円ベース)は9,630円となっており、この近辺を月曜日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。厳しいスタートです。
一時は1ドル=75円台に突入したドル円ですが、終わってみれば前日から大きく変動しているわけではなさそうです。
もっとも、一段の円高リスクが消えたわけではなさそうです。実効為替レートを実質ベースで見れば、円は最高値ということではないからです。
ドル円の購買力平価は輸出ベースで見ると1ドル=64.45円となっています。
一段の円高リスク7が消えていないということは、別の見方をすれば、為替介入の可能性が大きいということになります。そのため、月曜日のザラバ展開は予断を許さないのですが、下値リスクは限定的であると現時点では考えています。
日米の株価乖離について
日経平均株価とダウ平均株価の乖離は小幅な変化にとどまりました。両者が同じ動きをしているということです。
日米株価乖離とドル円の動きを重ねると、日米株価乖離に多少下方圧力がかかっているように見えます。ダウ平均株価の反発の動きがない限りは、日経平均株価の上値は重く、為替介入への期待が弱まると、一段の下落も否定できないという状況です。
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