沢村十四郎レポート2011年9月 : 経済概観
今月も引き続きマーケットは荒れ模様ですが、その震源地は欧州です。
ユーロ圏の長期金利グラフ(出展:ECB)を見ると、経済状況の違う国同士の長期金利が急速に収束したことが判ります。通貨ユーロへ統合するために強引に行われたことです。
強引にやったことには歪みが生じます。今回のギリシャのデフォルト危機はその歪みによって発生したことです。
ギリシャは24%台の金利をわずか8年で5%に低下させました。ポルトガル、スペイン、イタリアも12,13%から低下させました。もともと低金利のドイツとフランスに比べると無理な感じがします。金利が急低下して借入が急増し、バブル化したのが、今回の財務危機の原因だと思います。
EUは政治的にはバラバラですから、一致団結して対応するのは困難で、かなり追い込まれないと根本対策は打てないと思います。当初は弱いユーロの恩恵を受けてドイツの輸出関係が伸びると考えて行動していました。しかし、解決まで長期間かかると為替安のメリット以上にユーロ圏経済の悪化、特に金融の縮小がデメリットになってきます。したがって、ユーロ圏の債券、株式等については、見通しがつくまでは配分を引き下げています。
ただし、「弱気の時こそリスク取れ」をという考え方がありますように、危機は
チャンスでもあります。ユーロ圏の良い企業を割安で買えるチャンスが巡って来ていると言えます。ここはじっくりと腰を据え、研究してみる良い機会ではないでしょうか。
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