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2011年10月

2011年10月31日 (月)

ちょっと一言 : ドル建て日経平均株価とダウ平均株価

為替介入期待?

 欧米の株式市場に対して日本の出遅れが指摘されています。

 そこで、日経平均株価をドル建てにして、ダウ平均株価の動きと比較してみると次のようになります。

20111031

 多分に印象的なものにすぎませんが、日米の株価の動きに大きな差はないように見えます。

 ということは、為替、つまり円高が株式市場に大きな重石になっていることを示しています。

 もし円安への戻しがあれば、日経平均株価が大きく上昇することになりそうです。その意味で、多少強めの米国経済指標が目に付くことに注目しています。米国が一段の金融緩和政策に突き進む可能性を減じるためです。

 また、政府日銀による為替介入があれば株価が非常に強く反応することになりそうです。現在までもマーケットの動きを見ていると、円高に振れるとマーケットが強含む印象があります。為替介入期待ということかもしれません。

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今日の日経平均株価は? 10月31日

 早いもので、もう10月も終わり、今年も残すところあと2か月となりました。

 PCの不調と外出が重なり、週末のご報告ができず申し訳ありませんでした。

ポイント

 先週金曜日のダウ平均株価が小高く終えたこともあって、今日の日経平均株価も同様のスタートになりそうです。9,060円の近辺での寄り付きを想定しています。ただし、ザラバは為替の動きが気になります。上値の重い展開と見て臨むつもりです。

米国マーケットを振り返る

 9月の個人消費支出が前月比0.6%増と、事前予想通りながら好調な伸びを見せたことや、10月のミシガン大学消費者信頼感指数確報値がコンセンサスを大きく上回ったことが、マーケットの押し上げ要因になる一方で、前日に見せた大幅高の反動があって、ダウ平均株価は22.56ドル、0.18%の小幅高で大引けとなりました。

20111028

 VIX指数は昼ごろに多少上昇したものの、全体としては低下基調が続きました。投資家心理の改善が続き、投資家がリスク許容度を高めた様子が示唆されています。

Vix20111028

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)9,060円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111028

 ザラバの焦点は為替。今日は一段と円高方向に振れて始まりましたが、その後は多少円安方向に戻しています。とはいえ、円高方向のトレンドに変化はなく今日のザラバの上値を抑えそうです。為替介入の可能性がないわけではないので予断を許しませんが、現時点では考慮していません。

A20111030

 今日は、クラレ、住友化学、資生堂、三菱重工、三菱地所など300社余りの決算発表が予定されていますが、マーケットへのインパクトは限定的と見ています。

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2011年10月28日 (金)

今日の日経平均株価は? 10月28日

 ダウ平均株価が339.51ドル、2.86%と大幅に上昇したことを映して、今日の日経平均株価も好調なスタートが期待できそうです。9,050円の近辺での寄り付きを想定していますが、さらに高いかもしれません。ザラバも堅調な展開と見ています。

 欧州の包括戦略をめぐって、最も難しいと懸念んされていた、ギリシャ債務の減免について民間銀行が50%の棒引きに応ずることに合意したことがダウ平均株価を大きく押し上げました。

 加えて、7-9月の米国個人消費が前期比2.4%増と、事前予想の1.4%増を大幅に上回ったことが投資家心理を明るくしたことも大きかったようです。VIX指数が14.74%と大幅に低下して、投資家がリスク許容度を高めたことが示唆されています。

 CMEの日経先物価格(円ベース)は9,050円となっています。

 今日は、消費者物価指数、家計調査、完全失業率、有効求人倍率、鉱工業生産動向、投入・産出価格など9月重要な経済指標の発表が続きます。決算は310社余り。

 ザラバは、ドル円の動きから目を離せませんが、米国の強い消費の数字もあり、一段の円高はなさそうだと見ています。したがって、堅調な展開を期待しています。

 今日はPCの不調のため、簡単なご報告で失礼します。

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2011年10月27日 (木)

今日の日経平均株価は? 10月27日

ポイント

 EU・ユーロ圏首脳会議の動向をめぐって、マーケットの心理が揺れ動いているため、予想が困難な状況が続きます。ダウ平均株価の上昇を映して、今日の日経平均株価も堅調なスタートとなりそうです。8,790円の近辺を想定しています。ザラバは現時点で依然として欧州で続いている首脳会議の動向に大きく左右されることになりそうです。

米国マーケットを振り返る

 コンセンサスを上回る経済指標やボーイングなどの好決算に押し上げられて好調なスタートを切ったダウ平均株価でしたが、10時前から11時にかけて欧州の動向に対する不安が拡がって値を崩しました。ところが、1時過ぎになると、一転して欧州に対して楽観的な見通しが台頭して、162.42ドル、1.39%高で終えました。

20111026

 ユーロドルの動きを見ると、ユーロの戻りがダウ平均株価の反発とほぼ一致しています。

A20111027

 VIX指数も1時過ぎから低下のペースが加速して、マーケット心理が好転した様子が鮮明です。

Vix20111026

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,790円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111026

 ドル円は、上下はあったのですが、前日に比べれば比較的に小動きです。

A20111027_2

 ザラバは欧州の展開に大きく影響されそうです。気になるのは、ギリシャに対する債権の棒引きに対する銀行側の反対が強く、その状況がダウ平均株価に十分反映されていないこと。欧州金融安定ファシリティー(FESF)の細部も詰め切れていないことにも注意する必要がありそうです。

 今日は、日銀の金融政策決定会合のほか、150社近くの決算発表が続きます。

 週間ベースの新規失業保険申請件数、9月の中古住宅販売成約、そして7-9月のGDP速報を控える米株先物の動きからも目を離せません。

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2011年10月26日 (水)

今日の日経平均株価は? 10月26日

ポイント

 ダウ平均株価の反落を受けて、今日の日経平均株価も下げてのスタートになりそうです。8,700円の近辺での寄り付きを想定しています。EU・ユーロ圏首脳会議を前に欧州で警戒的な動きが見えることや、為替の動きが予断を許さないこともあって、今日のザラバは上値の重い軟調な展開と見て臨むつもりです。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は207.00ドル、1.74%の大幅な下落で終えています。

20111025

 スタート直後と、3時過ぎから大引けまでの下げが目立ちました。

 スタート直後の下げは、EU財務相理事会の開催が中止が伝えられたこともあって、欧州市場が軟調に推移したことや、S&P/ケースシラー住宅価格指数、消費者信頼感指数など米国経済指標が軒並みにコンセンサスを下回ったこと、さらにスリーMの決算が期待外れであったことなどの悪材料が重なりました。

3m20111025

 3時過ぎからの下げは、前日までの3連騰の反動による利益確定の動きが中心であったように見えます。ウォルマートが大引け前に軟調な動きを見せたことが目を引きます。

 スタート直後のマーケットの下落が深刻であったように見えるのですが、VIX指数を見ると、3時過ぎからの上昇が目立ち、投資家心理の悪化が顕著になったことを示唆しています。

Vix20111025

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,700円を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。ダウ平均株価の下落の大きさに比べると、比較的に小さいようです。

Cme20111025

 ザラバは、欧州の動向やドル円の動きが予断を許さないことから、上値の重い軟調な展開と見て臨むつもりです。ドル円は多少円安方向に振れる様子を見せていますが、基調としては円高方向にあります。為替介入があれば話は別ですが、マーケットの重石になりそうです。

A20111026

 今日は、日本電気硝子、新日本製鐵、JFEホールデイングス、東邦チタニウム、富士通など50社余りの決算発表が予定されています。

 耐久財受注、新築住宅販売などの9月の経済指標の発表が予定される米株先物の動きからも目を離せません。

 

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2011年10月25日 (火)

今日の日経平均株価は? 10月25日

ポイント

 欧州や米国株式市場の好調な動きを受けて、今日の日経平均株価も堅調な推移を期待しています。寄り付きは8,840円の近辺と見ています。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は104.83ドル、0.89%高と8月1日以来の高値となる好調な動きでした。

20111024

 背景は欧州の株高と好調な米企業決算。

 26日のEU首脳会議に対する期待感に加えて、中国の10月PMIが予想を上回ったことが英国(FTSE100)マーケットを1.08%押し上げました。

Ftse10020111024

 米企業の好決算が目立ち、キャタピラーが5.01%の急騰を見せマーケットの牽引役になりました。引け後の時間外では、さらに0.09%上昇しています。

Cat20111014

 M&Aが続いたこともマーケットを明るくしました。オラクルが買収を決めたライトナウ・テクノロジーズが19.41%上げています。これがきっかけとなり、ハイテク株全般が底堅い動きになり、ナスダックが2.35%と大幅に上昇しました。

20111024_2

 ナスダックの上昇には、対ユーロでドル安が進んだことも大きく影響したと見られます。

A20111025

 VIX指数が6.58%低下して、投資家心理の改善が進んだことを示唆しています。

Vix20111024

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,840円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111024

 今日は、日立化成、パナソニック電工、日立建機、日本電産、SMK、ファナック、キャノンなど重要銘柄の決算発表が続きます。

 ドル円の動きから目を離せませんが、一段の円高が避けられれば、今日のザラバは堅調な展開を期待しています。

A20111025_2

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2011年10月24日 (月)

今日の日経平均株価は? 10月24日

 注目されていたEU・ユーロ圏首脳会議が期待外れに終わり、26日の「包括策」に対する期待感がしぼんだことが、今日のマーケットに影を落としそうです。欧州金融安定基金(EFSF)拡充策として欧州中央銀行(ECB)の資金を用いることに対する独仏の合意が得られなかったことが大きいと見ています。

 ダウ先物価格が下げてスタートしており、欧州の動向に対する懸念が映し出されています。

20111024

 ユーロドル5分足はユーロ安ドル高に振れています。

A20111024

 CMEの日経先物価格は8,730円となっており、この近辺を今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。欧州の影響は比較的に限定的なようですが、予断は許さないと考えています。

Cme20111024

 ドル円は僅かに円安方向に振れて始まっていますが、60分足で見ると、先週末から大きく円高方向に動いています。基本的には円高懸念がザラバの上値を抑えそうな様子です。

B20111024

 今日は、9月の貿易統計のほか、JSR、タカラレーベン、KDDIなど16社ほどの決算発表が予定されています。

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2011年10月22日 (土)

米国マーケットを振り返る 10月21日

ポイント

 欧州の株高と好調さが目立つ米企業の決算がダウ平均株価を大きく押し上げました。月曜日の日経平均株価は好調なスタートが期待できそうです。ただし、23日に控えるEU・ユーロ圏首脳会議の動向次第では、基調が一変する可能性もありますので、油断はできません。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は267.01ドル、2.31%の大幅高で終えました。

20111021_4

 EU・ユーロ圏首脳会議に対する期待感が強く、欧州市場が大きく上昇したことがマーケットの牽引役の一つとなりました。ドイツ(DAX)市場が3.55%の急騰を見せましたが、午後に入ってからの強さが印象的でした。

Dax20111021

 ハネウェル・インターナショナル(+5.82%)、アメリカン・エキスプレス(+4.91%)、マクドナルド(+3.72%)など好決算銘柄が大きく上げ、マーケットを押し上げました。

Axp20111021

 ただし、午後に入ると一時調整色を見せています。VIX指数も1時過ぎにかけて急上昇してマーケット心理が悪化したことを示しています。

Vix20111021_2

 そして、2時から大引けにかけて再び上昇基調に転じました。欧州に対する期待感が背景と見ています。

 CMEの日経先物価格(円ベース)は8,745円となっています。

Cme20111021

 欧州の首脳会議に失望感がない限り、月曜日の日経平均株価は上昇スタートが期待できそうです。

 ただし、ドル円が大きく円高に振れていることがマーケットの上値を抑えそうですので、注意を要します。

A20111022

ちょっと一言

 日経先物の夜間取引は午前1時ごろから調整色を強めました。

20111021_5

 そして、取引が終了するのを待っていたかのように、ダウ平均株価が再び上昇基調に転じ、CMEの日経先物価格も上昇に転じました。

 別にひがんでいるわけではありませんが、米国市場に振り回される日本市場という状況をあらためて実感します。

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沢村十四郎レポート : 為替と金利を考える

為替について(指標の見方)

 為替は二国間の相対的な関係から決まり、関係を左右する要因は次の4つです。

     通貨供給量 ②金利 ③経済成長率 ④経常収支

 それぞれについて見ていきましょう。

要因1:通貨供給量

 通貨供給量が多いほうが少ないほうより安くなるわけですが、その際に重要なのは通貨供給量モメンタムがどうなっているかです。

 日銀の白川総裁は日本のマネタリーベース(JMB)は米国や欧州よりGDP比率が高いので両者より緩和的だとして現在の状況を維持すると発言しました。

 これはマラソンに例えると「日本は先にスタートしたのでかなり先の地点まで進んでいる。欧米は遅れてスタートしたのでまだ後方にいる」というランナーの位置関係の話です。

 日本は21年前にバブル崩壊して金融緩和は先に始め、長期間緩和を続けた結果、JMBの対GDP比率が高くなりました。一方、欧米が緩和を開始したのはリーマンショックからで緩和期間が短いため、MBの対GDP比率が日本よりまだ低いのです。

 しかし、投資家は見るのは将来どうなるかで、現状がどうかではありません。将来は、それぞれのランナーが現在とっている行動(モメンタム)で予測できます。各ランナーの行動は「米国チームはバーナンキFRBQE1QE2とダッシュをかけてQE3でさらにダッシュしそうな様子を見せ、欧州チームのトリシェECBもそれに続こうと走っている。一方、日本チームの白川・日銀は休憩(注視)している」 という状況です。欧米がダッシュし、日本が止まっているなら、いずれ位置関係が逆転することが予想できます。

 次のグラフは日米通貨供給量の差と円ドル相場のチャートです。

20111021_3

 黒線が通貨供給量の差で、下方向が円高圧力、上方向が円安圧力になります。これと赤線の円ドル相場とはある程度の連動性が見られます。通貨供給量が円ドル相場に大きな影響を与えています。

 目先のドル円はこう着状態にあります。6月にQE2終了後、FRBが動きを止めており、日銀が動いていないせいでしょう。一方、ユーロ円が円安に振れています。ギリシャ問題対策でECBが金融緩和へ舵を戻し、ユーロ円の供給量差が影響しているようです。

要因2:金利差

 投資家は金利が高い国の通貨で運用した方が金利収入が増えます。そのため、金利が高い国の通貨が買われて高くなります。ここで注意すべきは名目金利ではなく、実質金利で比較する点です。インフレ率が高い場合、通貨はその分だけ減価します。

   実質金利=名目金利-インフレ率  ※注記

 この実質金利が高くなければ意味がありません。日本はデフレでインフレ率が低いので、名目金利が低くても実質金利は底上げされて高くなります。

 9/9の日本国債10年債金利は1.0%で5月の消費者物価前年比が0.6%、米国の10年国債金利は2.0%で5月の消費者物価前年が3.6%です。名目では米国債の金利が高いのですが、実質金利では

   日本:1.0%-0.6%=0.4

   米国:2.0%-3.6%=-1.6

 このように、日本国債の実質金利の方が高くなっています。金利面では円高圧力がかかっています。

   ※注記:近似式です。正しくは現在価値に割り引いて計算します。

要因3:経済成長率

 経済成長率の高い国では資金需要が多いために通貨が高くなり、成長率の低い国  では資金需要が乏しいために通貨が安くなります。なお、経済成長率も実質値で 見る必要があります。

 名目成長率が10%でも、インフレ率が20%では、10%-20%=-10%(実質成長率)となり、実際の経済は縮小しているからです。

 日本の実質経済成長率は大震災の影響で6月は年率-3.0%と低く、米国は1.30です。これだけ見ると円安要因と見えますが、米国の景気は低下しつつあり、一方、日本は下期から復興需要が本格化する可能性があり、モメンタム面から見ると円高要因になるかもしれません。

要因4:経常収支

 経常収支が黒字の場合、決済通貨が相対的に多く、通貨需要が高いために通貨が高くなります。

 日本の対米経常収支の黒字は2007年まで増加し、サブプライム問題発生後に減少、2009年後半からは横ばいで推移していました。大震災で大幅に減少しましたが、製造設備の復旧に伴い、今年の後半は増加が見込まれているので、やや円高要因と思われます。

 ただし、製造業の海外移転が相次いでいるため、将来は日本からの輸出による黒字は減少し、この要因が変化する可能性は考慮すべきでしょう。

 以上のように4要因から見て円高になっていることが理解できます。

 もっとも、円高トレンドがずっと続くと思い込まないように用心するべきでしょう。日本企業、特に製造業が続々と拠点をアジアへ移していますが、皆が行ったところで為替トレンドが円安へ転換しそうな気がします。為替トレンド転換まで考慮して海外展開しているかが経営者の優劣を決めることになると思います。

 米国が金融緩和を終了した場合、日本のデフレが終了してインフレ局面になる場合製造業の海外移転により日本からの輸出が大幅に減少して日米経常収支の

関係変化した場合などで4要因が変化するとトレンドが反転することがありえます。

 我々の投資においては、円高が続いても、円安に為替トレンド転換が起こっても やっていけるようにしていくべきでしょう。そのためには、ポートフォリオを為替分散しておくことです。そして適宜、円・ドル・ユーロ・その他の配分を見直していくべきだと思います。

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2011年10月21日 (金)

今日の日経平均株価は? 10月21日

ポイント

 ダウ平均株価が小幅に上げたことを映して、今日の日経平均株価も堅調気味なスタートになりそうです。8,690円の近辺を想定しています。ヤフー、ジャフコ、中外製薬など15社ほどの決算発表が予定されているほかに目立った国内要因が見当たらず、週末のEU・ユーロ圏首脳会議を前に、ザラバは小幅な変動にとどまると見て臨むつもりです。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は37.16ドル、0.32%の小幅高で終えています。

20111020

 12時過ぎに、EU・ユーロ圏首脳会議が延期されるという情報が出回ったと見られ、マーケットが調整色を見せました。ユーロが売られ、ドル高に大きく振れました。

 その後、ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が予定通りの会議と、26日までに包括的な危機対応策の採択を示唆したことで落ち着きを取り戻しました。ギリシャ議会が追加的財政緊縮策を可決したことも市場に安堵感を与えたようです。VIX指数の動きが投資家心理の動きを鮮明に示しています。昼ごろにかけての不安の高まりが目を引きます。

Vix20111020

 動揺はすぐに鎮まりましたが、それにしてはダウ平均株価の戻りが小幅であったことが気になります。予断は許さないようです。

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,690円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。日経先物の夜間取引ではすでに織り込まれています。

Cme20111020

 ドル円は小動きですが、米国で一時ドル高(円安)に振れた動きが目を引きます。ユーロが売られ、ドルと円が買われたのですが、円はドルに対しては下げています。

A20111021

 ザラバは、週末の欧州の展開を前に大きく動けないのではと見ています。

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2011年10月20日 (木)

今日の日経平均株価は? 10月20日

ポイント

 米国株式市場の反落を背景に、今日の日経平均株価も低めのスタートになりそうです。8,755円の近辺での寄り付きを想定しています。ザラバを大きく動かす特別な要因は見えませんので、比較的に狭い範囲での上下を繰り返すのではと見ています。

米国マーケットを振り返る

 9月の住宅着工件数がコンセンサスを上回ったこともあって、堅調に推移していたダウ平均株価でしたが、午後に発表されたベージュブック(地区連銀報告)が先行きの見通しに警戒感を示したことから、調整色を強め72.43ドル、0.63ドル安で終えています。

20111019

 VIX指数を見ても、午後に入ってからの上昇が目立ち、投資家心理の悪化を示唆しています。

Vix20111019_2

 前日に事前予想を下回る決算を発表したアップルが5.59%下落したことが、ハイテク・セクターの地合いを悪くしたようです。SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が2.24%と大きく下落したのが目を引きました。

Sox20111019

 シスコシステムズの株価が、ベージュブック発表直後から急落したのが目を引きました。

Csco20111019

 とは言え、欧州市場が比較的に無難に推移したことから、ダウ平均株価はベージュブックをきっかけとする利益確定の動きに過ぎなかったように見えます。ギリシャ(アテネ総合指数)でさえ0.39%上げています。

20111019_2

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,755円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111019

 ドル円は比較的に小動きです。

A20111020

 今日は、8月の景気動向指数改定値、10月の地域経済報告、そして小松ウオール工業など8社の決算報告が予定されています。

 週間ベースの新規失業保険申請件数と中古住宅販売件数、10月のフィラデルフィア景況指数、マイクロソフトの決算発表を控える米株先物の動きが気になるところです。

 現時点では、日経平均株価は小幅な値幅の中でのうごきと考えて臨むつもりです。

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2011年10月19日 (水)

今日の日経平均株価は? 10月19日

 所用のため、簡単に失礼します。

 ダウ平均株価の上昇を受けて、今日の日経平均株価も上昇してのスタートになりそうです。8,845円の近辺での寄り付きを想定しています。ただし、ザラバは上値が重く、軟調な局面が見られる可能性があると考えて、多少警戒して臨むつもりです。

 ダウ平均株価は180.05ドル、1.58ドル上昇して終えています。

2011101

 ドイツとフランスが欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充策に合意したと伝えられたことが理由とされているようです。

 ユーロドルが大きくユーロ高に振れていますので、たしかに欧州での展開が背景にあるようです。

A20111019

 ただし、2兆ユーロとされるEFSFの規模も、実質的な追加資金負担を伴うものではないと指摘されているようです。

 また、引け後に予想を下回る決算を発表したアップルの株価の動きも気になります。ザラバでは0.54%上昇していたのですが、引け後の時間外では6.22%の急落となっています。

 CMEの日経先物価格(円ベース)は8,845円。この近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きと見ています。

Cme20111018

 ドル円は小動きです。

A20111019_2

 今日は、キャノン電子とインデックスの決算発表のほかは、目立った指標の発表予定はありません。

 9月の消費者物価と住宅着工、そしてベージュブックの発表を控える米株先物の動きに注目です。

 

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2011年10月18日 (火)

今日の日経平均株価は? 10月18日

ポイント

 ダウ平均株価の大幅な下落を映して、今日の日経平均株価も厳しいスタートになりそうです。8,780円の近辺での寄り付きを想定しています。ザラバも軟調な展開を警戒しています。ただし、米国株式市場の下げの背景となったのは、23日のEU・ユーロ圏首脳会議への過度の期待感の後退であって、新たに重大な出来事が発生したというわけではないように見えます。したがって、ザラバでの一段の大幅な下落はなさそうだと考えます。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は下げ幅の拡大を続けたまま、247.79ドル、2.13%安で終えています。

20111017

 背景にあるのは、EU・ユーロ圏首脳会議への過度の期待感の後退。ドイツのジョブレ財務相、メルケル首相が相次いで、首脳会議で最終解決策がまとまるわけではないと指摘したことがきっかけと見られます。イタリア市場(FTSE MIB)が2.30%と大きく下げたことに、この影響が見られます。

Ftsemib20111017

 ユーロドル15分足を見ると、ユーロ安ドル高への動きが鮮明です。

A20111018

 VIX指数が18.25%と大幅に上昇して、投資家がリスク許容度を低下させ、マーケット心理が悪化したことを示しています。

Vix20111017

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,780円を今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。厳しいスタートですが、日経先物の夜間取引ではほぼ織り込まれています。

Cmeb20111017

 ドル円は円高に振れています。この動きは、今日のザラバの重石になると見ています。

A20111018_2

 今日は、8月のマネタリー・サーベイと特定サービス産業動態統計、そして東京製鐵など3社の決算発表が予定されています。

 9月の生産者物価統計、10月のNAHB住宅市場指数、そしてボストンでのバーナンキ講演を控える米株先物の動向に注目する必要があります。ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、インテル、アップル、ヤフーなど重要決算も目白押しです。

 加えて、7-9月のGDPが発表される上海市場からも目を離せないようです。

ちょっと一言

 米国の株式市場の下げは、EU・ユーロ圏首脳会議に対する過度の期待感の後退ということで、必ずしも新たな重大な出来事が起こったわけではありません。英国、ドイツ、フランスなどの下落は限定的であったことに注目する必要がありそうです。米国市場の下げ幅が大きいのは、10日、13日や17日に見せた大幅な上昇の利益確定という側面も見逃せません。

 日米の株価乖離とドル円の動きを重ねると、株価乖離が上昇して、円高に向かっていますので、連動を強める動きです。意味するところは、一段の円高がなければ、株価乖離は上昇するということ。ダウ平均株価の下げの大きさに対して、日経平均株価の下げは限定的になる可能性があるということです。個人的な期待感もありますが・・・

20111017_2

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2011年10月17日 (月)

今日の日経平均株価は? 10月17日

ポイント

 ドル円がわずかに円高に振れて始まったのですが、株式市場への影響は限定的と見られます。日経平均株価の寄り付きは8,870円の近辺を想定しています。ザラバに大きく影響する国内要因は想定していません。為替の動向から目を離せませんが、欧米のマーケットに比べて日経平均株価には出遅れが目立つことから、ザラバも堅調な展開を期待しています。

今日の日経平均株価は?

 ドル円はわずかに円高に振れてスタートしています。1分足ではその動きが鮮明です。

A20111017

 ただ、60分足が示すように円高への振れは僅かで、日経平均株価へのインパクトは限られたものになりそうです。G20財務省・中央銀行総裁会議の結果に驚きがなかったことが、わずかな円高への振れに反映されているようです。

B20111017

 そのため、CMEの日経先物価格(円ベース)8,870円の近辺が、今日の日経平均株価の寄り付きのメドと考えています。

Cme20111014

 欧州の金融安定化のための包括策は23日の欧州首脳会議に預けられることになっていますので、それまではユーロが大きく動かないと見て、ドル円も大きな変動はないだろうと考えています。

 ドル円に大きな変動がなければ、ドル建て日経平均株価がダウ平均株価に比べて出遅れ感がありますので、(円建ての)日経平均株価にはある程度の上昇圧力があるため、ザラバは堅調な展開を期待しています。

20111016

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2011年10月16日 (日)

米国マーケットを振り返る 10月14日

 所用のため遅くなりました。先週金曜日の米国マーケットの動向です。

 G20財務省・中央銀行総裁会議への期待に加えて、9月の米国小売売上高の好調な数字がダウ平均株価を押し上げましたが、10時前に発表された10月のミシガン大学消費者信頼感指数がコンセンサスを下回ると、11時半ごろまで上げ幅を縮めました。しかし、その後は盛り返し、166.36ドル、1.45%の大幅高で終えています。

20111014

 2.49%上昇したイタリア(FTSEMIB)市場の動きに堅調な欧州市場の様子が示唆されています。

Ftsemib20111014

 米国内では3.21%の急騰を見せたメイシーズが、米国小売セクターの好調さを示しています。

M_20111014

 午後に入ってからのマーケットの盛り返しを牽引したのは、欧州市場の動向や、小売セクターの上昇というよりも、ハイテク・セクターの切り返しであったようです。SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が1.13%上げましたが、午後に入ってからの回復が顕著です。

Sox20111014

 好決算で前日に急騰したフェアーチャイルド・セミコンダクターが反落して始まったのですが、ザラバで持ち直しの動きを見せたことが目を引きました。

Fcs20111014

 VIX指数は8.01%と大きく低下して、投資家心理が一段と好転したことを示唆しています。ただ、10月のミシガン大学消費者信頼感指数がある程度ショックを与えたようです。

Vix20111014

 このような米国株式市場の動向を背景に、CMEの日経先物価格(円ベース)8,870円の近辺が、月曜日の日経平均株価の寄り付き価格になりそうだと見ています。

Cme20111014_2

 ドル円は円安に振れているため、ザラバも底堅い展開が期待できそうです。

A20111015

 予定されている経済指標は、8月の鉱工業生産動向確報。確報値ということで、マーケットへのインパクトは限定的と見られます。その他、月例経済報告や安川電機など3社の決算発表があります。

ちょっと一言

 日米株価乖離とドル円の最近の動きを見ると、直近では両者の連動性が多少崩れています。経験的には、日米株価乖離の上昇、つまり、ダウ平均株価の上昇率を日経平均株価が上回る可能性を示唆しています。別の言い方をすると、日経平均株価の停滞感が目立っているということです。

20111014_2

 したがって、日経平均株価は底堅い動きになるのではと期待しています。

 ただし、一方でドル円が大きく円安に振れる可能性が低いことがマーケットの上値を抑えそうだと考えています。G20のサプライズがなかったこともあるのですが、ドル円と米国長期金利の動きを見ると、金利低下にドル円が大きく反応してこなかったため、多少の米国金利上昇では円安になりそうもないことが理由です。

B20111016

 加えて、ダウ平均株価が上昇したのですが、長期移動平均が頭を押さえそうな気配にも注意したいと思っています。 英国(FTSE)株式市場もほとんど同様な展開です。

Ftse20111014

 したがって、日経平均株価は底堅い一方で、上値も抑えられる可能性があると考えます。

 

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2011年10月14日 (金)

今日の日経平均株価は? 10月14日

ポイント

 ダウ平均株価の小幅反落を受けて、今日の日経平均株価も前日終値を下回ったスタートになりそうです。8,795円の近辺での寄り付きを想定しています。ただし、米国市場の基調は弱いという印象は薄く、円高への振れが避けられれば、ザラバは小動きの展開になりそうだと考えます。

米国マーケットの動向

 ダウ平均株価は40.72ドル、0.35%の小幅反落となりました。

20111013

 下落したとはいえ、11時ごろには141.03ドルまで下げ幅を拡げた後、3時にかけて回復基調をたどっています。大引けにかけて再びわずかに下落したものの、基調の弱いという印象はありませんでした。

 午前中の下げの背景は、欧州市場の低迷。イタリア市場(FTSE MIB)が3.71%安で終えました。

Ftsemib20111013

 加えて、決算発表で投資銀行部門の先行きに警戒感を示したJPモルガン・チェースが4.82%の急落となったこともマーケットの低迷を牽引したと見られます。

Jpm20111013

 しかしながら、スロバキア議会が欧州金融安定基金の強化案を可決したことが伝えられるとダウ平均株価は回復基調に転じました。

 さらに、好決算のフェアチャイルド・セミコンダクターが10.21%と暴騰したこともあって、ハイテク指標であるSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が2.01%上昇したこともマーケットを押し上げました。ナスダック総合指数は0.60%上げています。

Sox20111013

 VIX指数は1.79%低下して、投資家心理が改善したことを示唆しています。ハイテク・セクターの上昇に連動したように見えます。

Vix20111013

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,795円を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111013

 ドル円は小動きです。僅かに円高に振れていることが、マーケットの上値を重くしそうですが、そのインパクトは限定的だろうと見ています。

A20111014

 今日は9月の企業物価とマネーストック、そして島忠など48社ほどの決算発表が予定されています。

 午後には、小売り売上高、企業在庫、輸入物価指数、月次財政収支など9月の経済指標や、10月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値の発表を控える米株先物の動向に注目する必要がありそうです。

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2011年10月13日 (木)

今日の日経平均株価は? 10月13日

 所用のため簡単に失礼します。

 米国株式市場の上昇を背景に、今日の日経平均株価は、前日終値に比べて大きく上昇してスタートしそうです。8,820円の近辺での寄り付きを想定しています。ドル円が大きく円安に振れていることがザラバを下支えすることを期待しています。

 ダウ平均株価は102.55ドル、0.90%上げて終えました。

20111012

 スロバキアの与野党が欧州金融安定化基金(FESF)拡充策の採択について合意したと伝えられ、週末までに議会で可決しそうだという期待が強まったことや、欧州の銀行の資本強化への動きが、欧州の株式市場を押し上げました。イタリア(FTSE MIB)が2.93%の急騰を見せています。

Ftsemib20111012

 この欧州市場がダウ平均株価の上昇を牽引したと見られます。

 VIX指数が4.87%低下して、マーケット心理の改善が進んだことを示唆しています。

Vix20111012

 ダウ平均株価が2時半過ぎから多少調整したことが気になりますが、CMEの日経先物価格(円ベース)は8,820円となっており、これを日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111012

 日銀が円の上限を設定すると伝えられ、ドル円が大きく円安に振れたことが、今日のザラバを下支えしそうです。

A20111013

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2011年10月12日 (水)

今日の日経平均株価は? 10月12日

ポイント

 急騰の翌日にもかかわらず、わずかな下げにとどまったダウ平均株価を映して、今日の日経平均株価も小幅に下げてのスタートになりそうです。ただし、米国の大引け後に、スロバキアが欧州金融安定化基金拡充策を否決したことが伝わり、利益がコンセンサスに届かなかったアルコアの株価が急落するなど気になる展開が目に付きます。そのため、日経平均株価も上値の重い軟調な動きを想定しています。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は16.88ドル、0.15%安で終えています。

20111011

 前日に330.06ドルの急騰を見せた後にしては、底堅い動きであったという印象です。

 ただし、大引け後に、スロバキアがEFSFの拡充策を否決したことが伝えられると、GLOBEXのダウ先物価格が急落しています。

Globex20111011

 加えて、アルコアの決算が発表され、利益がコンセンサスを下回ったことから、株価が4%以上下げています。

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,745円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111011

 ただし、米国の大引け後に気になる展開が見られますので、寄り付きはもう少し弱い可能性があり、ザラバも上値の重い軟調な推移になると考えます。

 今日は8月の機械受注統計のほか、ファーストリテイリング、久光製薬など34社ほどの決算発表がが予定されています。

 ドル円は小動きで推移しています。

A20111012

 スロバキアの問題は、再度採決が予定されているため、マーケットへのダメージは限定的である可能性が大きいのですが、ECBのトリシェ総裁がユーロ圏のシステミック・リスクを指摘したり、S&Pやフィッチ社がスペインの銀行を格下げするなど警戒を要する動きが見られます。

 したがって、今日の日経平均株価のザラバは警戒的の臨もうと考えています。

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2011年10月11日 (火)

今日の日経平均株価は? 10月11日

 ユーロ圏内の金融機関に対する資本増強の方向で一致したサルコジ、メルケル会談が欧州の株式市場を押し上げました。8月の国際収支が強かったこともあって、ドイツ(DAX)が3.02%上昇しています。

Dax20111010

 この欧州の動きを背景に、ダウ平均株価も330.06ドル、2.87%の急騰を見せました。

20111010

 VIX指数は8.78%と大幅に低下して、投資家のセンチメントが改善した様子を示しています。終盤に一段と低下したのが目を引きます。

Vix20111010

 この動きを背景に、日経先物価格(円ベース)は8,775となっており、この近辺を今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111010

 今日は、9月の景気ウォッチャー調査、8月の国際収支、そして10月の金融経済月報が発表されます。決算は、サイゼリア、ダイセキなど25社ほど。

 ドル円は比較的に小動きで、株式市場への影響は限定的と見ていますが、ユーロ円が大きくユーロ高円安に振れたことがある程度マーケットの下支えになりそうだと見ています。

 したがって、ザラバも底堅い推移を期待しています。

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2011年10月 8日 (土)

米国マーケットを振り返る 10月7日

 所用のため、簡単に失礼します。

 ダウ平均株価は20.21ドル、0.18%の小幅反落となりました。と言っても、3連騰の後の週末ですから、不自然な動きという印象はありませんでした。

20111007

 非農業部門の雇用者数がコンセンサスを上回った9月の雇用統計を背景に10時半近くには108.72ドルまで上げ幅を拡大しました。

 しかし、その後は調整色を強め、1時半過ぎには72.20ドル安を付けました。ザラバの高値から180.92ドルとかなり大きな下げです。

 そして大引けにかけて再び上下に振れましたが、結局は小幅安で終えています。

 ザラバの調整の理由ですが、フィッチ社によるイタリア、スペインの長期国債の格下げに加えて、ムーディーズ社が英銀を格下げしたことなどが指摘されています。

 ただし、イタリア(FTSE MIB)は1.29%、スペイン(IGBM)が1.09%、イギリス(FTSE)が0.23%と軒並みに上げています。さらに、ギリシャ(アテネ総合指数)も0.59%の上昇です。

 したがって、欧州の動きは確かにダウ平均株価でしたが、調整の主要因ではなかったように見えます。

 むしろ3連騰の反動や、強い雇用統計が積極的な金融緩和の足かせになる可能性が意識されたのではと考えています。

 いずれにしても、あまり大きな意味のある下げではありませんでした。VIX指数は0.19%とわずかながら低下しており、マーケットのセンチメントの改善を示しています。

Vix20111007_2 

 この動きを映して、CMEの日経先物価格(円ベース)は8,610円と、日経先物の夜間取引の終値8,570円を上回っています。

Cme20111007

 月曜日の東京マーケットはお休みです。

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2011年10月 7日 (金)

米国マーケットを振り返る 10月6日

 週間ベースの新規失業保険申請件数が事前予想ほど増加しなかったにしては、低迷気味なスタートになったダウ平均株価でしたが、ザラバで切り返し、183.38ドル、1.68%高で大引けを迎えました。

20111006_2

 欧州では銀行の資本状況の再査定が伝えられ、金融システムの強化に向けた動きが評価されたようです。イタリア市場(FTSE MIB)が3.55%の急騰を見せています。

Ftsemib20111006

 このような欧州での動きに加えて、米国ではガイトナー財務長官が、欧州危機が米銀の破綻を引き起こす可能性を否定したことから、金融セクターが大きく上昇しました。JPモルガン・チェースが4.99%上げています。

Jpm20111006

 VIX指数は4.07%低下して、投資家心理の改善が着実に続いたことを示唆しています。

Vix20111006

 なおアップルの株価は0.23%下げていますが、スティーブ・ジョブズ氏の死去の影響は限定的であったようです。

Aapl20111006

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今日の日経平均株価は? 10月7日

ポイント

 米国株式市場の上昇を受けて、今日の日経平均株価も堅調なスタートとなりそうです。8,590円の近辺での寄り付きを想定しています。ザラバも底堅い動きを期待していますが、9月の雇用統計を控える米株先物の動きから目を離せないようです。

米国マーケットを振り返る

 週間ベースの新規失業保険申請件数が事前の予想を下回ったにしては、モタついて始まったダウ平均株価でしたが、ザラバで着実に上げ幅を拡大して、183.38ドル、1.68%高で終えました。

20111006

 詳細は後程ご報告します。

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,590円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111006

 ドル円は比較的に小動きです。

A20111007

 今日は8月の景気動向指数のほか、金融政策決定会合とその後の白川総裁の記者会見に注目です。決算は、高島屋、ダイエー、吉野家ホールディングスなど60社ほどが予定されています。

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2011年10月 6日 (木)

今日の日経平均株価は? 10月6日

ポイント

 ダウ平均株価の上昇を映して、日経平均株価も好調なスタートになりそうです。8,510円の近辺での寄り付きを想定しています。欧州市場が反騰を見せたこともあり、ザラバも堅調な推移と見ています。

米国マーケットを振り返る

 ADPの全国雇用者数やISM非製造業景況指数など9月の経済指標が相次いでコンセンサスを上回ったことから、堅調な動きを見せていたダウ平均株価は、12時半ごろに一時マイナスに転じたのですが、その後大引けにかけて回復基調が持続して、131.24ドル、1.21%高で終えています。

20111005

 マーケットを支えたのは欧州市場の上昇。ドイツ(DAX)市場が4.91%の急騰を見せました。

Dax20111005

 午後に入って目立ったのはハイテク・セクターの堅調な動き。SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が4.25%上げています。

Sox20111005_3

 そのハイテク・セクターを押し上げる要因の一つとなったのは、相次ぐ身売り話であったように見えます。マイクロソフト社が買収の意欲を見せていると伝えられたヤフーが10.10%高になりました。

Yahoo20111005

 同様に、身売りが伝えられるリサーチ・イン・モーションも12.36%の暴騰。

Rimm20111005

 VIX指数は7.37%低下して、マーケット心理が大きく好転したことを示しています。

Vix20111005

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,510円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111005

 今日は、米久、ファミリーマート、マルエツなど19社ほどの決算発表が予定されています。

 ザラバを7大きく動かす特別な要因は見えませんが、週間ベースの新規失業保険申請件数を控える米株先物の動きに注目です。

 ドル円は今のところ小動きです。

A20111006

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2011年10月 5日 (水)

沢村十四郎レポート2011年9月 : 経済概観

 今月も引き続きマーケットは荒れ模様ですが、その震源地は欧州です。

ユーロ圏の長期金利グラフ(出展:ECB)を見ると、経済状況の違う国同士の長期金利が急速に収束したことが判ります。通貨ユーロへ統合するために強引に行われたことです。

強引にやったことには歪みが生じます。今回のギリシャのデフォルト危機はその歪みによって発生したことです。

ギリシャは24%台の金利をわずか8年で5%に低下させました。ポルトガル、スペイン、イタリアも12,13%から低下させました。もともと低金利のドイツとフランスに比べると無理な感じがします。金利が急低下して借入が急増し、バブル化したのが、今回の財務危機の原因だと思います。

EUは政治的にはバラバラですから、一致団結して対応するのは困難で、かなり追い込まれないと根本対策は打てないと思います。当初は弱いユーロの恩恵を受けてドイツの輸出関係が伸びると考えて行動していました。しかし、解決まで長期間かかると為替安のメリット以上にユーロ圏経済の悪化、特に金融の縮小がデメリットになってきます。したがって、ユーロ圏の債券、株式等については、見通しがつくまでは配分を引き下げています。

ただし、「弱気の時こそリスク取れ」をという考え方がありますように、危機は

チャンスでもあります。ユーロ圏の良い企業を割安で買えるチャンスが巡って来ていると言えます。ここはじっくりと腰を据え、研究してみる良い機会ではないでしょうか。

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ちょっと一言 : 日米株価乖離とドル円の最近の動き

 しばしばご報告しているように、日米株価乖離とドル円の動きが連動していることに注目しています。最近の動きは以下の通りです。

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 この見方は、日経平均株価の動きがダウ平均株価と為替によってかなりの部分が決まってしまうことを意味しています。

 これは、別の表現をすると、ドル建ての日経平均株価とダウ平均株価の動きが連動するということです。

 そこで大震災以降の両者の動きをグラフにすると以下のようになっています。

20111004_4

 結局のところ、円高の修正が強く望まれるところです。

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今日の日経平均株価は? 10月5日

ポイント

 EUによる域内金融機関への資金注入という話が伝わると、ダウ平均株価が大引けにかけて急反発を見せました。この動きを背景に、今日の日経平均株価も上昇して始まりそうです。8,520円の近辺での寄り付きを想定しています。ザラバを大きく動かす特別な要因は見当たらないのですが、ムーディーズ社がイタリア国債を格下げするなど、欧州市場の情勢が依然として予断を許さないこともあって、上値は限定的ではないかと考えています。ドル円は多少円高方向に振れていますが小動きです。

米国マーケットを振り返る

 ダウ平均株価は一時250.81ドル安をつけるなど停滞が続きましたが、3時過ぎから急上昇に転じ、153.41ドル、1.44%高で終えています。ザラバの安値から404.22ドルの急騰を見せたことになります。

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 きっかけはEUによる域内金融機関に対する資金注入という報道。6.55%と大幅に上げたJPモルガン・チェースの株価が、そのインパクトの大きさを示唆しています。

Jpm20111004

 VIX指数が10.19%低下して、マーケット心理が急速に改善したことを示唆しています。

Vix20111004

 とは言え、ムーディーズ社がイタリア国債の格付けを3段階引き下げるなど、欧州情勢は依然予断を許さないことは念頭に置いておく必要がありそうです。

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,520円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111004

 ザラバを大きく動かす特別な要因は見えませんが、イタリア国債格下げの影響もあって、上値の重い展開を考えています。

 ドル円は多少円安に振れていますが小動きです。

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 今日は、イオン、パルコ、ABCマートなど小売り関連を中心に18社ほどの決算発表が予定されています。

 9月のADP雇用統計やISM非製造業景況指数を控える米株先物の動きに注目する必要がありそうです。

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2011年10月 4日 (火)

今日の日経平均株価は? 10月4日

ポイント

 米国株式市場の大幅な続落を受けて、今日の日経平均株価も厳しいスタートになりそうです。8,385円の近辺での寄り付きを想定しています。為替が円高に振れていることがザラバの上値を抑えるため、軟調な推移を警戒しています。

米国マーケットを振り返る

 8月の建設支出や9月のISM製造業景況指数が相次いでコンセンサスを上回ったこともあって、10時過ぎには一時プラスとなったダウ平均株価でしたが、午後に入ると下げ足を速め、258.08ドル、2.36%安で終えました。2日続けて200ドルを大きく上回る下落となっています。

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 2011年のギリシャの財政赤字がEUと合意した削減目標に達しないことから、デフォルトリスクが強く意識されたようです。JPモルガン・チェースが4.88%下げるなど、金融株への打撃の大きさが目を引きます。

Jpm20111003

 VIX指数が5.8%と大きく上昇して、マーケット心理の悪化を示唆しています。

Vix20111003

今日の日経平均株価は?

 CMEの日経先物価格(円ベース)8,385円の近辺を、今日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。

Cme20111003

 ドル円が大きく円高に振れていることが重石となり、軟調なザラバ展開を警戒しています。

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 今日は、9月のマネタリーベースのほか、セブン&アイ ホールディングスなど15社ほどの決算発表が予定されています。

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2011年10月 3日 (月)

今日の日経平均株価は? 10月3日

ポイント

 先週金曜日のダウ平均株価急落を映して、今日の日経平均株価は厳しいスタートとなりそうです。寄り付きは8,570円の近辺を想定しています。ザラバは上値が重いながら、為替が円安に振れていることが下値を支える結果、小幅な値動きにとどまると考えています。

今日の日経平均株価は?

 先週金曜日のダウ平均株価は240.60ドル、2.16%の大幅な下落となりました。

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 VIX指数が10.61%と大きく上昇して、マーケットのセンチメントが悪化したことが示唆されています。とくに午後になってからの指数の上昇が目立ちます。

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 この動きを反映して、CMEの日経先物価格(円ベース)は8,570円となっています。日経平均株価は開始前の日銀短観の影響もありそうですが、基本的に厳しいスタートになりそうです。

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 今日は、サークルKサンクス、ユニーなど12社ほどの決算発表が予定されていますが、マーケットに対するインパクトは限定的と思われます。

 株価を引き上げる特別の要因が見えない一方で、ドル円が円安方向に振れていることがある程度の下支えになりそうだと考えます。

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 したがって、ザラバは小動きにとどまりそうです。

 ただし、9月のISM製造業景況指数や8月の建設支出の発表を控えるダウ先物の動きからは目が離せません。また、予算案を議会に提出するギリシャをめぐって、欧州の動向も注視する必要があります。

ちょっと一言

 日銀短観もあって、国内要因が気になるのですが、現実的な株価の動きは明確にダウ平均株価に連動していると考えています。日米の株価乖離とドル円の動きを見れば、両者の連動性が再び高まっていることに注目する必要があります。

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 多少見方を変えて、ドル建て日経平均株価とダウ平均株価の動きを大震災以降で見ても連動性が鮮明です。

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 したがって、米株先物の動きには十分注意する必要があります。

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8月の米国耐久財受注と在庫循環モメンタム

 遅くなってしまいましたが、9月28日に発表された8月の米国耐久財受注は次のようになっています。小動きですが、比較的に底堅い動きです。

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 その耐久財受注統計から出荷と在庫の数字を用いて作成した米国の耐久財在庫循環モメンタムがこのようなものでした。受注同様に小幅ながら上昇しています。

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 この耐久財在庫循環モメンタムは、10月4日に発表される全製造業ベースの出荷・在庫・受注指数の先行指標とされています。 とすれば、全製造業在庫循環モメンタムも底堅い動きになると推測できます。

 そうすると、注目は米国全製造業在庫循環モメンタムとダウ平均株価の動き。株価はギリシャ問題が引き起こした欧州市場の動揺で下落しているように見えるのですが、ここに示したように、昨年後半からQE2で押し上げられた部分が、QE2の終了とともに調整していると見ることができます。

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 その調整がすでにかなり進んで、すでにQE2の発表直前の2010年7月末の10,465.94ドルの接近している点が興味深いところです。今年の9月22日にはザラバの安値で10,593.85ドルを付けています。

 この点から見ると、ダウ平均株価にはさらに下げ余地があるものの、そろそろ基調の転換も念頭に置いておいたほうがよさそうだと言えそうです。

 

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2011年10月 2日 (日)

8月の鉱工業生産動向を出荷在庫バランスで読む

 9月30日に発表された8月の鉱工業生産動向を出荷在庫バランスで読むと、どうやら株式市場に渦巻く弱気の見方とは異なって、底打ちの兆しが一段と鮮明になってきたようです。

 とは言え、鉱工業全体の出荷在庫バランスはわずかな上昇にとどまりました。大震災後の復興活動の遅れが依然として足を引っ張っていると見られます。

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 鉱工業のなかの耐久消費財は反落したものの高水準を維持しています。乗用車が牽引する動きですが、家具等が東北地方を中心に堅調であることも貢献していると見られます。

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 非耐久消費財は一段と上昇しました。食料品、衣料品などの生活関連物資の動きが被災地域を中心に好調であることが目を引きます。

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 資本財はわずかに反発していますが、基調は依然として弱いようです。

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 ただし、輸送機器関連を除く資本財は依然として下落しています。自動車関連の設備機械類が下支えをしている様子が鮮明です。

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 建設財は下げ止まったとはいうものの、点線が示す在庫が急増し続けています。大震災からの復興関連の需要がほとんど出ていないことが鮮明に浮かび上がっています。政治的なリーダーシップの欠落は、平時であれば大きな問題ではないのかもしれませんが、非常時には実に厳しいところです。

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 生産財は小幅ながら反発の兆しを見せてきました。

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 以上を全体としてみれば、大震災後の公的部門の復興に対する寄与が見えない中で、民間部門が着実に息を吹き返しつつあるようです。政治的混乱も多少落ち着く気配があり、遅ればせながらも徐々に公的部門にも動きが見えそうな気配です。

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