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2009年6月30日 (火)

井出正介流、バリュー株投資を試してみた

野村総研出身で日本証券アナリスト協会理事も務められた著名アナリストであられる井出正介さんの書籍「ビジネスゼミナール株式投資入門(日本経済新聞社)」で紹介されているバリュー投資法を試してみました。

今年の年末年始、何か良書はないかと探していたところ、たまたま見つけたのがこの書籍でした。証券アナリスト1次試験レベル程度の内容で決して高度なものではありませんが、実際の投資への応用ということで興味を持ちました。

そこで紹介されていた投資法は、
1.東証1部、時価総額1000億円以上
2.予想ROE10%以上
3.EPS(一株利益)が過去5年間と今来期予想ベースで増益基調
4.PERが平均以下

の4つの条件をすべて満たしている銘柄に投資するというもの。

年に1回程度、組み入れ銘柄や株価の動き、業績見通しの変化に基づいて再評価し、割安でないものは処分して他の銘柄と入れ替えるというバイアンドホールドの投資スタイルです。

バーチャル投資は1月に開始したため、まだ半年しか経過していませんが、その経過報告です。モデルポートフォリオでは約100万円を投資金額としました。また画像下に参考指標としてTOPIXの投信「MHAMトッピクスOP」を同時期に投資したものとして載せています。

途中経過ではありますが、TOPIX投信が7.5%の上昇したのに対して、モデルポートフォリオは12%の上昇と上回っています。とりあえずは成功ということで・・・。ただし、長期投資が基本ですので現時点では評価できませんが…。

また半年後ぐらいに結果をご紹介したいと思います。

Ide

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2009年6月25日 (木)

ついに登場!マネックスのカブロボファンド

ついに待ちに待った?マネックス証券の独自商品「カブロボ」ファンドが募集されます。7月29日に運用開始されます。

詳細は「カブロボファンド」サイトへ。

同社では以前から一般の方に対して、カブロボコンテストを行っており、優秀なシステムをパイロットファンドの形で運用していました。(たしか・・・)

カブロボは「システムトレード」で、一定のルールに基づいて株を自動売買します。こちらにコンテストのサイトのリンクを張っておきます。
http://www.kaburobo.jp/

まだ詳しい商品説明パンフレットができていないのでよくわかりませんが、日本初の試みとしてウォッチしていきたいと思います。

プロのファンドマネージャー 対 個人のシステムトレーダー

という構図で楽しめそうです。どちらに軍配があがるのでしょうか。

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2009年6月18日 (木)

高島屋前会長、増倉一郎氏の記事に思うこと

今週の日経ビジネスの有訓無訓に高島屋前会長の増倉一郎さんのインタビュー記事が掲載されています。100年続いている美術品事業にスポットを当て、「継続」を軽んじるな、やめるも、廃れるも一瞬と述べています。

アナリストという仕事は、時として「自分は(取材先の)会社のためになることを本当に言っているのだろうか」と疑問に思うことが多々あります。これは恐らく私がアナリストとしてまだまだ未熟なためということが大いに関係していると思いますが、会社と投資家(アナリストは投資家からお金をもらっているので投資家と同じ)の時間軸の違いに悩まされます。

会社というのは、1~2年で変わるものではないし、5~10年の長期的視点で、仮に短期的な利益を犠牲にしてでも、事業を行うべきです。しかし、投資家は長くても1~2年で成果(株価が上がること)を求めます。必然的にアナリストは短期間で成果が出ることを要求します。

少し例は異なりますが、先の美術品の販売や美術催事は収益効率が低く、ROAの観点から見れば撤退すべき事業なのでしょう。

しかし、この美術品事業は、社会にとって同社にとって大きな意味を持っています。画商を通さず高島屋が直接作家に作品を依頼することで作家の育成に貢献してきましたし、また、100年間にわたって築いた人脈も財産といえます。

増倉さんは「今ほど効率の低い事業を切り捨てやすい事業はないでしょう。でも、芸事と同じで一度やめたら廃れるのも一瞬です。」と最後に語っています。

その企業の企業文化をも理解した上で、本当にベストな解を企業に助言ができるアナリストが増えることを願います。またそれをよしとする市場の懐の深さも必要でしょう。

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2009年6月16日 (火)

小田急電鉄の株価が堅調なワケ

小田急電鉄(9007)の株価が高値圏での推移となっています。2007年2月の高値940円には及ばないものの、ここ5、6年では依然として高水準で800円台の株価となっています。私鉄株は不動産市況と連動しやすいため、現在のような環境は逆風です。東急電鉄(9005)などは2007年の高値の半値水準にとどまっています。

Odakyu

では、なぜ、小田急電鉄の株価は堅調なのでしょうか?

一つには、同社の株主構成にヒントがありそうです。同社の株主は外国人株主が少なく、日本株の換金売りの対象にならなかった可能性が高いということです。同社の外国人持ち株比率は約5%と東急の3分の1の水準です。

もう一点が今期業績が大手私鉄では唯一増益予想になっていることでしょう。今期の連結経常利益は16.2%増を予想しています。

しかし、筆者は同社の業績計画の「質」は高くないと考えています。

今期増益のドライバーは、鉄道などの運輸業を除く、流通業、不動産業、その他事業です。これら非運輸業の計画は楽観的と言わざるを得ません。

特に、流通業は大きなウェイトを占める百貨店が微増収を見込むのに対し、4月の月次では10%減と厳しいスタートとなっています。業界全体を見渡しても、今期の増収予想は過大といえるでしょう。

またその他事業では前期に改装が終わった高級ホテルハイアットリージェンシー東京の貢献を見込み、前期の9億円の営業赤字から13億円の営業黒字への転換を計画していますが、これも楽観的でしょう。4月のハイアットリージェンシー東京の客室稼働率は16%減の47%(今期計画84%)と低迷しています。外国人の出張客が減っている中で、84%の計画は無理があります。

などと、理由を並べるときりがありませんが、そもそも今期の増益は前期の大幅減益(期中に下方修正)の反動増という面もあり、「質」は高くないのです。

以上のことから、現在の800円台の株価は非常に割高であるという印象を持っています。会社計画を達成したとしてもPERは40倍台と割高です。ただし、空売りはお勧めしません。私鉄株は優待目的の個人株主が多くバリュエーションが有効に機能しない特殊な株だからです。実は鉄道株で、まともにバリュエーションが効くのはJRと東急ぐらいです。残りのほとんどはバリュエーションで議論しても無駄なケースが多いように思えます。

追伸 筆者は決して小田急が嫌いな訳ではありません(笑)。新型ロマンスカーがブルーリボン賞を受賞したそうです。個人的には大変喜んでいます。

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2009年6月10日 (水)

倒産件数が示す「日本株」強気のサイン

前回「倒産件数から見て株価底打ち宣言は時期尚早!?」という記事を掲載しましたが、5月の倒産件数速報が発表されたのでフォローしたいと思います。

前回の記事の復習ですが、「倒産件数が対前年同月比で減少に転じれば、株価は底打ちと判断して良い」との結論を最終的に導きました。(なお、今回のサブプライム不況を除き、過去10年間で見ると、倒産件数の動向の方が株価に先行しています。)

帝国データバンクによると、5月の倒産件数は1057件(負債総額1000万円以上)と前月比9.6%減、前年同月比で6.3%増となりました。倒産件数は12ヶ月連続で前年同月比で増加したものの、昨年9月の42.9%増をピークに伸び率は鈍化。昨年8月の水準まで落ち着いてきました。

また倒産件数も1057件と2ヶ月連続で減少。昨年11月以来の水準です。

なお、東京商工リサーチによると、5月の倒産件数(負債総額1000万円以上)は1203件と前月比9.4%減、前年同月比6.7%減となりました。こちらは1年ぶりに対前年同月比で減少に転じています。(帝国データバンクとの違いは定義の違いにあると思われる・・・)

帝国データバンクは予断を許さない状況としながらも「倒産件数の増加基調に一定の歯止めがかかりつつあり、一時的に前年割れとなる可能性が出てきた」とコメント。第2次補正予算も成立したことから、当面、倒産件数は減少に転じると見られ、2009年3月大底説が有力(今さらですが笑)となってきました。

倒産件数が大幅に増えない限り、日本株には強気姿勢で臨んで良い局面と判断しています。

0610

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2009年6月 5日 (金)

倒産件数から見て株価底打ち宣言は時期尚早!?

帝国データバンクが毎月発表している倒産件数(負債総額1000万円以上)のデータを利用し、日経平均株価との関連性を調べました。

まず1998年5月以降のデータを帝国データバンクのHPより入手。(エクセル形式のデータがなく、一件一件コピーアンドペースト。疲れました・・・)

倒産件数(実数)と株価や、倒産件数(前月比)と株価など、いろいろ作ってみましたが、いまいちしっくり来ない・・・。一番しっくり来たのが、倒産件数(前年同月比)と日経平均株価でした。

さて、下の表を見てください。(画像をクリックすると大きくなります。)

Photo

まず黒丸に注目してください。世の中はミレニアム景気に沸いていた1999年の後半、株価の上昇とは裏腹に、倒産件数は急増しています。その後、ITバブルの崩壊と共に株価は暴落しています。後講釈になりますが、倒産件数が増加しており決して実態経済は良くなかったということが分かります。

その後、2002年5月以降、倒産件数(対前年同月比)の減少基調が鮮明になってきます。株価は約1年後に底入れしました。

さらに、2005年5月頃には倒産件数は大きく減少します。この頃は間違いなく景気が良かったと言えます。自信を持って株を買ってよかった時期でしょう。

しかし、2006年5月頃から雲行きが怪しくなります。倒産件数が対前年比で増加に転じました。そして、増加幅は拡大。2007年5月には40%増と急速に景気が悪化していることが分かります。そして、株価も同時期にピークを打ちます。(当時、私はリース業界の担当アナリストをしていましたが、IRの方に「これだけ景気が良いといわれているので信じられないと思いますが、中小企業が最近倒産しているんですよ」とおっしゃっていたのを覚えています。)

約10年間の検証と期間がやや短いですが、一応「倒産件数は株価に先行する」と言って良いでしょう。

では、今後はどうなのか??

赤丸を見てください。株価は3月に大底をつけているものの、倒産件数は前年同月比で増加基調が続いています。株価は2003年のような上昇トレンドを描いていますが、倒産件数は当時とは様相が大きく異なります。倒産件数から見て、まだ株価は大底を打っていないと判断して良いでしょう。

ただし、今回と2003年当時との違いは景気悪化の進行が段違いに早いという点には注意したいところです。今後、政府の中小企業支援策の効果が現れ、倒産件数が対前年で減少に転じれば、株価も底打ちと判断して良いのではないでしょうか。倒産件数、今回に限って遅行指標となっていると願いたいところです。(先行指標であれば、株価は暴落です・・・)

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2009年6月 2日 (火)

株価の先行指標を発見!リース取扱高の見方。

株価の先行指標ではないかと以前から気になっていたものがあります。

企業の設備投資の動向を現す「リース取扱高」です。

リース取扱高はリース事業協会から毎月発表されている統計で設備投資の動向を見るうえで役に立ちます。

そこで、今回は「リース取扱高」と「日経平均株価」の関連性を見てみます。仮説としては、「リース取扱高」は「日経平均株価」の下落より先行するのではないか。なぜなら、リースは中小企業の利用が多く、景気悪化の影響はまず相対的に弱い中小企業から兆候が現れると考えられるためです。

下の表を見てください。

Photo

日経平均株価が2007年8月まで上昇トレンドを描いているのに対し、リース取扱高(対前年同月比)は伸び率が右肩下がりになり、2006年4月以降は対前年同月を割り込む月が目立つようになりました。明らかに設備投資の需要が落ちているのが分かります。

その後、仮説どおり、日経平均株価は2007年夏にピークを打ち、7000円台まで下落することになります。

結果論ではありますが、もし「リース取扱高」を先行指標としてみていれば、株価に対して1年~半年前にはピークを予見できた可能性があります。

まだまだ先の話になりますが、次回の相場ピーク時には注意深く見ていきたいと思います。なお、残念ながら株価上昇の先行指標にはなりえないでしょう。中小企業の設備投資が回復するのは、大企業より遅れると考えられるためです。

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2009年5月29日 (金)

バルチック指数が高騰!1年前を彷彿させる・・・。

世界的な景気回復期待の高まりから、鉄鉱石や石炭を運ぶバルク船(バラ積み船)の運賃指標であるバルチック海運指数(BDI)が急騰しています。

5月28日現在、BDIは3298ポイントまで上昇。最も大きい船であるケープサイズの一日あたりの用船料は6万ドルまで回復しました。損益分岐点はおおよそ2万5000~3万ドルと言われていますので、十分利益が出る水準です。これは日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の今期の業績予想の運賃前提を大きく上回り、このレベルを維持できれば上方修正が期待できます。

その中でも、BDI上昇局面ではフリー船の比率が高い商船三井に注目です。

BDIの確認は以下のURLで毎日見れます!
http://www.dryships.com/pages/report.asp

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2009年5月28日 (木)

ネクスト(2120)、決算説明会レビュー

不動産ポータルサイトを運営するネクスト(2120)の決算説明会が実施されました。

今2010年3月期は前期の20%営業減益から一転、71%営業増益を計画しています。前期は先行投資期間と位置づけ、広告宣伝費や人件費を大幅に積み増し拡大策をとった結果、営業減益となりましたが、今期は前期の投資効果が表れること、また、売上高の伸びに伴い広告宣伝費の負担が軽減されることから大幅な増益を見込んでいます。

しかし、現時点では、達成は微妙と判断せざるを得ません。業績予想の前提となる加盟店の新規獲得数と1店舗当たりの単価の計画が過大と見られるためです。

加盟店獲得数:前期1359店⇒ 今期2180店
単価:前期55564円⇒ 今期59840円

街の不動産会社の業績が悪化している中で、新規獲得の大幅な積み増しや単価アップは難しいと考えるのが常識的な判断でしょう。実際、前期も期初の計画を下回りました。

仮に加盟店獲得数を前期並みの1350店、単価も計画の半分の57500円とすると、売上高で4.5億円が未達になる計算です。これは、同社の今期の営業利益が17億円(前期10億円)の計画であることを考えると、小さな金額とはいえないでしょう。

広告宣伝費などコスト調整しやすい費目が経費の多くを占めているため、売上高の未達がそのまま利益の未達になるとは思えませんが、会社計画は楽観的です。

昨年10月以降、株価は上昇トレンドに入っていますが、PERで見てもほぼ妥当な水準まで買われており、ここからの新規買いは控えたいところです。

なお、余談ですが同社のIR体制は高く評価したいと思います。四半期ごとの説明会の実施、詳細な資料、アナリストの質問に対する真摯な対応、WEB上の動画配信(アナリストの質問まで含む)で個人投資家の情報格差の解消に取組んでいます。

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2009年5月26日 (火)

新型インフルエンザ、航空会社への影響を探る!

今回は新型インフルエンザの航空会社への影響を考えてみたいと思います。

日本航空(9205)、全日空(9202)ともに今期の業績予想に、新型インフルエンザの影響は織込まれておらず、未達懸念が高まっています。

新型インフルエンザの影響を考える上で、役に立つのが2003年に大流行したSARSです。この影響で、2004年3月期の決算は、JALが886億円の最終赤字、ANAが247億円の最終黒字となっています。

さらに、航空収入に注目すると、JALが7.3%減、ANAが0.6%増です。国際線のウェイトが高いJALに影響が大きく出た格好です。JALの国際線の旅客数は19.8%の大幅減となりました。

では、″かなり″雑な議論になりますが、今回の新型インフルエンザの影響がSARSと同程度とした場合、どれだけの影響を受けるのか考えてみます。

ここでは、影響が顕著に出そうなJALにスポットを当てましょう。

JALの航空収入が会社計画よりさらに7.3%減となった場合、1252億円の減益要因になります。JALは今期630億円の最終赤字を予想していますが、影響額を加味すると1882億円の最終赤字に膨らみます。(もちろん、減便などでコストを下げることも可能ですので、ここまで赤字幅が広がる可能性は低いでしょう。また、7.3%減がすべてSARSの影響とは言えないことにも注意が必要です。)

前期末の自己資本1967億円からみても非常に大きな赤字額です。

かなりざっくりした議論ですが、時間のない個人投資家の方々は、この程度の分析をすれば十分でしょう。方向感が分かればよいのです。
月次情報が開示されていますので、動向をウォッチしてください。

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