海外の喧騒は依然続いていますが、それでも株価は妙にしっかりしています。おそらく、ここ1年ほどの日本一人負けのイメージから株価を売ってしまった人が多かったということでしょう。このままいつまで続くかはわかりませんが、多くの人はまだおっかなびっくりで本格的な買いはないようですので、意外に継続する可能性はあります。
さて、経済の先行き自体は依然不透明ですので、なかなかファンダメンタルから物色対象を絞り込むのは難しい状況にあります。その結果、循環物色の様相となっています。その中で出遅れセクターの一つに食品株があります。依然景気減速懸念もあるわけですから、景気悪化に強い食品株が注目されてもおかしくないのですが、海外要因によって食品企業のアキレス腱でもあるコストが上がっていることがマイナスとなっています。
しかし、そうは言っても循環物色が続きそうなことを考えれば、意外と面白い可能性もあります。もちろん、株価が動いていないだけにダウンサイドリスクも小さいと言えます。
そんな中から今回は伊藤園の優先株(25935)に注目してみたいと思います。これまでも何度か取り上げていますが、改めて解説します。
伊藤園の優先株とは議決権がない代わりに普通株より配当が10円多い株です。10円の配当と議決権のどちらが重要かと言えば、議決権に影響を及ぼすほどの株主を別とすれば、10円の配当のほうが重要ではないかと思われます。
それにもかかわらず、優先株が普通株に対して大幅に割安な状態が続いています。優先株が割安な理由は、優先株がTOPIXの計算に入っていないためです。機関投資家が運用するファンドの多くはインデックスを意識して運用していますので、インデックスに入っていない銘柄を持つことはリスクと考えるためです。
特に日本の機関投資家はそのような杓子定規な考え方をします。同じ機関投資家でも海外の投資家はそうは考えません。そのため、割安な優先株の株主には海外の投資家が多く名を連ねています。
その結果、減配懸念の少ない株でありながら、5%近くの配当利回りとなっているのです。一般的に5%もの利回りの株は、配当金の将来見込みが不安定な企業が多くなっています。しかし、同社の場合、普通株の利回りはそれなりの低さとなっています。
配当利回りが高いことから優先株の株価動向にも特徴があります。つまり、配当の権利付き期末(4月、10月)まで株価が高く、権利落ちから急落して、その1、2か月後に底をつけて次の権利日まで上昇します。ですから、基本的には配当利回りが高いゆえ、配当をもらわないという投資手法になります。
同社はお茶と野菜飲料が二本柱でしたが、ここ数年両市場とも不振が続いていました。しかし、お茶市場はまだぱっとしませんが、野菜飲料市場は再び伸び率が高まっています。また、これまでは弱かったコーヒー飲料や紅茶飲料でもブランドを確立し始めています。今年は飲料数量で、3強の一角であるキリンビバレッジを抜いて3位に躍進しそうだということも支援材料となるでしょう。
なお、優先株の見方に対するより詳細な解説は、無料レポート「伊藤園のビジネスモデル」で深く掘り下げていますので、興味があればご覧ください。
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