I コモディティー

金、石油など

2011年8月25日 (木)

金価格の反落をどう見る?

 金価格の大きな反落が目立ちます。CMEの金先物価格60分足は次のような動きです。

6020110825

 これまでの急激な上昇の単なる一時的な反落に過ぎないのか? それともグローバルマネーの基調の変化を示唆するものなのか?

 正直なところはっきりと読めません。ただ、米国の10年債価格の下落も目立ち、長期金利が上昇していますので、何か大きな動きであると見る必要もあるかもしれません。

106020110825

 しかしながら一方で、VIX指数は1.02%とわずかな低下にとどまっており、投資家心理が大きく改善して、リスク許容度を高めた(=リスク選好度を高めた)というようには見えません。日中の動きを見ても、投資家の心理は揺れ動いているようです。

Vix20110825

 GLOBEXのダウ先物価格の推移にも急激な変化の動きは確認できません。

Globex20110825

 というわけで、昨日5.59%と急落した金先物価格ですが、重大な基調の変化というより、一時的な反落と現時点では考えています。

「人気ブログランキング」に参加しています。記事がお役に立ちましたら、下のバナーをワン・クリックお願いいたします。大きな励みになります。

人気ブログランキングへ

本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUPCBOE,CNN MONEYMSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、東洋経済新報社、サーチナ、ゴールデン・チャート、外為どっとコム 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月14日 (日)

国際商品市況と株価

 国際商品市況の回復が新聞紙上を賑わしています。ここでもう一度国際商品市況と株価との連動性を見ておきたいと思います。

 まず国際的に高い評価を受けているCRBインデックス(REUTERS/JEFFERIESーCRB INDEX)を長期的な視点から見てみましょう。Rjcrb_index20090615

 70年代の石油危機がいかに大きな影響を与えたかが鮮明に出ています。これで、世界の先進国の中期成長力が大きく低下してしまいました。そして、2003年以降の商品市況の高騰は石油危機当時に匹敵するものでした。その影響による世界経済の構図の変化は、これからもっとはっきりしてくるのでしょう。

 それでは、もう少し短期的な視点から見てみましょう。昨年後半からの急落ののち、反騰に転じてきました。長期的な趨勢は、明らかに現在よりも高い水準の商品価格の水準を示唆していますから、どうもこの反騰の基調は強そうですね。Rjcrb_index20090615_2

 となれば、商品市況が株式投資にどういう関わりを持つのか知りたいところです。

 実は、株価は商品市況の動向に敏感に反応します。CRBインデックスと三井物産の株価を見てみましょう。極めて高い連動性を示しています。総合商社の株価を予想するときに、利益の動向に目を奪われてはいけません。国際商品市況の動向を見ることです。Rjcrb_index20090615_3

 次に、CRBインデックスから少し離れて、原油価格に焦点を当てて見ましょう。日銀のデータベースから、国内への原油の入着価格をとってきました。この原油価格と国際石油開発帝石の株価を見ると高い相関性が見てとれます。20090615

 石油開発を主力とする国際石油開発帝石と、石油精製が基盤の新日本石油とでは収益構造が大きく異なります。しかし、原油価格と新日本石油の株価を見ると、やはりかなり高い連動性が見られます。200906150

 このように、国際商品市況の動きを把握することは、そのまま高い投資収益に直結することになります。

皆様のクリックがスケアクロウ一同にとって、何よりの励みになっています。どうぞよろしくお願いいたします。

人気ブログランキングへ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年4月 7日 (火)

金価格が堅調です

金の価格が堅調に推移しているようです。

昨年のリーマンショックがあった頃から上がりだしているので、世界的な信用不安による資金供給の増加が影響しているのでしょう。直近は少し調整していますが、世界経済のマイナス成長が予想されるなか、分散投資として持っておくのもよさそうです。

純金積み立てなど色々ありますが、手軽に購入できる金価格連動型のETF(1328)なんて面白いんじゃないでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 4日 (土)

景気底打ちを先導する商品市況に注目

 株式市場の回復が徐々に鮮明になってきましたね。このような局面では、経済指標や企業収益などが悪いため、回復への自信が持ちにくい。そのため「気がついたら株価が上がってしまっていた」という現象が生じますが、それはいつものことなのです。

 そうならないための手段の一つは、商品市況に注目することです。景気の動向の変化を何よりも先に映し出すからです。

 そこで、私がFXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間たち」に3月16日に寄稿したコメントを引用しますので、何かのご参考になれば幸いです。ご興味のある方は野村ブログも是非ご覧ください。http://fxshonan1.cocolog-nifty.com/kawasedangi/

 以下は「さらに一歩(その1):かかし」2009年3月16日からの引用です。データ等が若干古いのでご注意ください。

さらに一歩(その1)

「かかし」です。

昨年12月に「嵐の船出」をしてもう4か月になろうとしています。最初は、「不況に負けない元気な株」を探し出して嵐に備えました。そして、しだいに嵐から抜け出す気配を感じ、底打ちの兆しを確かめつつ、「次の一手を考える」ことに集中してきました。今回から「さらに一歩」進めてみようと思います。

まず最近3週間の日米株価動向です。日経平均株価は赤い太線で示しました。

090316

日経平均株価は、先週にも申し上げた通り、NYダウ平均株価から離れて上に行きたがっている様子です。金曜日には、ようやく25日移動平均線を上回りました。1月中旬以降ずっと下回っていただけに、基調の転換を予感させます。もっとも、NYダウも急速に追いついてきました。

では、このような局面では、どのように対処すればよいのでしょうか?百人百様の考え方があるでしょう。私は景気動向と株価との関連性に注目しています。

カリフォルニア大学アービン校で公共経済学を担当されているピーター・ナヴァロ教授が2002年に書かれた「ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え」(IF IT'S RAINING IN BRAZIL, BUY  STARBACKS PETER NAVARO ,  McGraw-Hill, 2002) という本が景気と株価について、非常に明快で示唆に富む記述にあふれていて参考になります。株好きの大学教授は結構多いのですかね?

教授の考え方を詳細にお伝えするのはまたの機会にして、ここでは、景気の底打ち局面でどのようなセクターの株価が動くかという点だけに焦点を絞らせていただきます。景気の大底で金融、その後強気相場初期に輸送機器、そしてテクノロジーと続くのだそうです。

金融、輸送機器と最もダメージの大きいセクターが反発に転じれば、株価パフォーマンスはすごい数字になりますから、教授の見方が正しいのかも知れません。

景気と株価の関係は、米国だけでなく、日本でも同様に見出せるので、重要な参考書としてとても大切にしています。ただし、米国も日本も、現在までのところ鉱工業の出荷に基調転換が確認できないため、教授の理論をそのまま使ってポートフォリオを作る勇気が出てきません。

そこで、私が現在頼りにしているのが商品市況です。すでに底打ちが鮮明です。まずCRB指数を見てみましょう。上昇に転じたとは言えませんが底堅さが鮮明です。Crb_index_20090316

次に原油。WTIはすでに反騰局面に入ったように見えます。Wti20090316

バルチック海運指数もWTI同様に反騰局面に入ったようです。20090316_2

おまけにフィラデルフィア半導体指数まで上昇に転じています。これで、インテル株も上昇しているようですが、これはちょっと出来すぎかも。ハイテク分野の在庫は依然として高水準にあるからです。20090316_4

以上の動向を見れば、商品市況、特に原油の底打ちに対する興味が湧いてきます。国際石油開発帝石などの石油開発株だけでなく、新日本石油などの石油精製株も注目です。商社株も石油価格との連動性が高く注目しているのですが、三菱商事は原料炭の価格低下によるダメージが懸念され、三井物産も鉄鋼石価格の低下が株価を抑えそうです。ただし、住友商事は、もともと不動産会社が発祥のため、原料炭や鉄鉱石の比重が低く、事業のバランスが良いので注目しています。

かかし

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 1日 (水)

バルチック海運指数はこちらでチェック

「ぎん」です。

鉄鉱石や石炭を運ぶバルク船(バラ積み船)の運賃指標であるバルチック海運指数(BDI)が30日までで14日連続下落しています。中国の大型景気対策に対する期待が薄れて来たのでしょうか。

BDIは機関投資家であればブルームバーグで調べられますが、個人であれば以下のサイトで毎日チェックできます。

http://www.dryships.com/pages/report.asp

1日あたりの用船料もケープサイズ、パナマックス、スーパーマックスで出ていますのでご参考まで。

| | コメント (0) | トラックバック (0)