では、ドル円は?
昨日はユーロ円の動向について購買力平価を参照しながらコメントしました。
ではドル円をどう見るか?
次の図をご覧ください。
ドル円と米国長期金利の動きを比較したものです。
2010年8月にジャクソンホールでバーナンキFRB議長が示唆したQE2が11月3日以降本格的に実施に移されました。8が月で6,000億ドルに達する米国債の買い入れプロジェクトです。
長期金利の低下を目論んだものでしたが、現実には8か月後の出口政策との兼ね合いもあり、購入されたのは短・中期国債。そのため短期金利は低位で推移したのですが、長期金利はむしろ上昇に転じました。積極的な量的金融緩和政策による予想インフレ率の上昇も、長期金利上昇の背景にあったようです。
いずれにしても、ドル円はそのあたりの状況を見透かしていたようで、長期金利には反応しませんでした。
そしてQE2が終了した2011年7月以降は、米国長期金利の低下にもかかわらず、ドル円は動きませんでした。その事情は上図が示唆するとおりです。
となると、膠着状態にあるドル円の今後の動向は?
サプライズ指数が示すように、予想を上回る経済指標が続いています。
景況感の改善を背景に、長期金利は低下よりも上昇の可能性が高そうです。もし長期金利が徐々に上向くと、QE2の時とは異なって、ドル円もドル高円安方向に動き出す可能性が大きいと考えています。
着実なドル高円安への動きは、国内製造業の輸出競争力の改善を通じて、日経平均株価を押し上げることになると考えて(期待して)います。
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