築地市場の初セリで大間産のクロマグロが1キロ70万円、一匹で1億5千万円を上回る価格で競り落とされたことが話題になっています。落札した「喜代村」が運営する「すしざんまい」では、一貫2-3万円の原価となるマグロにぎりを128円で提供したとか。
常識では考えにくい高値落札の理由をうんぬんするつもりはありませんが、何か経済の基調が大きく変化しようとする前兆のように感じられました。たとえは不適切かもしれませんが、大地震の前の地震雲のようなイメージです。
果たしてバブルの時代は来るのか?
実は、個人的には可能性があると考えているのですが、今日はその議論は避けて、過去のバブルと株価について考えてみたいと思います。
私は日経平均株価などの株価指標の動きがダウ平均株価と為替(特にドル円、ユーロ円)によってほぼ決まると考えています。ドル建て日経平均株価とダウ平均株価の高い連動性をみれば、このように単純に考えるのが現実的であることがわかります。

しかしながら、より長いスパンで見ると決してそうではないことは明らかです。ダウ平均株価と為替だけで日本の株価指標が説明できる時期はこの10年余りのことにすぎません。

言うまでもないでしょうが、バブルの形成とその崩壊が株価指標に重大な影響を及ぼしています。ダウ平均株価や為替の動きとは全く関係のない推移が鮮明です。
では、なぜここ十数年はダウ平均株価と為替に対する連動性が鮮明なのか? 要因を明確に特定することはできませんが、(1)バブルという国内要因の消滅、(2)経済のグローバル化の進展と国内製造業の衰退、(3)経済のサービス化の加速などがあげられます。就業者の動態にその動きが示唆されています。
参考までに、ダウ平均株価と英国株価(FTSE)の動きを見ると、両者の連動性が非常に長期にわたって高いことが鮮明です、同時に、日本におけるバブルのインパクトがいかに大きなものであったも実感できます。

では、日本において再びバブルが形成される可能性はあるのか?
明確な答えがあれば苦労はないのですが、東日本大震災をきっかけとした日本のインフラに関する抜本的な見直しが、円高の修正や積極的な金融緩和政策の継続と重なって、株式市場が大きく押し上げられる可能性が高いと考えています。
となると、国内に根を下ろした強力な製造業、インフラの再構築に関連する伝統的な産業分野を含む内需型などに焦点が当たりそうです。
一方、国内から抜け出して積極的にグローバル化を模索する企業群、経済のサービス化に伴って人気化している企業群、とくに競争が激しく、生き残りの可能性も危ぶまれるネット関連企業群などには十分に警戒する必要がありそうです。
以上は「大間のクロマグロ」から連想した私の勝手な思い付きですので、気楽に聞き流していただければと存じます。
「人気ブログランキング」に参加しています。記事がお役に立ちましたら、下のバナーをワン・クリックお願いいたします。大きな励みになります。
本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN MONEY、MSN MONEY、Bloomberg,アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、日本経済新聞社、東洋経済新報社、サーチナ、ゴールデン・チャート、外為どっとコム
最近のコメント